質問意図によって答えは変わる

「どうして人を殺したらいけないの」は昔から大人が悩む子供の質問の代表格です。少し賢い子供はそれが難問なのだと知っていたりします。(あなたが子供の頃は、どうでした?)
その一方、本当に善悪の観念が欠落しているためどうして人を殺してはいけないのか純粋に理解できない人も稀ながら存在します。
この質問は、相手の質問意図によって意味が全然変わってくるので対応の仕方も相手次第ということになります。その質問意図ですが、おそらく次の3つのどれかに分類できると思います。まずそれを見定めた上で出方を考えましょう。
- 難問なので深く考えようとしている
- 大人を困らせたがっている
- 本当にどうしていけないのかわからない(非常にレア)
その子の性質もヒントになるし、聞かれたらまずは「へえ、どうしてそんなこと思ったの?」と水を向けてみることで意図がはっきりしてくるかもしれません。
ケース1:難問なので深く考えようとしている
これは哲学精神の芽ばえです。枯れないように水をあげたいですね。
どうしてこれが難問なのかというと、「いけない」(=善悪)という概念を、多くの人がほとんど明確な定義なしに使っているからです。これでは、最終的に「~だから、いけないのだ」と結論できるわけありませんね。
このことをまず説明しましょう。「じゃあ、いけないって、善悪ってなんなんだろう?」と。
ここから先は、決まった道筋はありません。哲学ですから。ただ、大人ならではの知識として、悪と犯罪の違いや法治主義などについて教えてあげられるといいですね。どんな結論に行き着くのであれ、子供の知的欲求を満たしてあげられました。
ケース2:大人を困らせたがっている
こざかしいことこの上ないのですが、確かに大人を困らすのは楽しいことです。だからといって困ってあげる必要はありません。ここは、一枚上手の答えで悔しがらせましょう。
まず、
「たしかに、みんながいけないと言っているだけだよね」
少し引いてみます。次に、
「殺すことが悪くないような国があったら、どうなるだろう」
え?
「そんな国にいたらいつ殺されるかわからないから、住む人がいなくなっちゃうだろうね」
殺してはいけない理由をはずして、「殺してもいい」というルールが存続できない理由にすり替えてしまいました。子供は、自分がはぐらかされたことに気付くでしょうか。
ケース3:本当にどうしていけないのかわからない
非常にレアながら、本当にこれだと対処はとても難しいです。理屈以前に殺人は悪、という前提を共有していないので対話でわかってもらうことができません。
当面は、実感できないかもしれないけど頭では覚えてくれることを目指しましょう。
「理解できないかもしれないが、ほとんどの人にとって殺人は悪だ。絶対に人を殺しちゃいけない」
ルールの合理性を頭で理解してもらうために、ケース2へ進むのは有効かもしれません。
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