目標は、死なさないこと

酔いつぶれる人を出さないという目標は達成できませんでした。いま宴会場には酔いつぶれて会話もできない人が転がっています。さあ、どうしましょう。
急性アルコール中毒そのものは、時間が経ってアルコールが抜ければ治るものです。それだけに、治るまでの間に死なさないこと、これが一番大事ということになります。
怖いのは誤嚥(ごえん)
アルコールそのものの毒性で死に至るということは滅多にありません。そんな大量のアルコールを飲み終わるまでに潰れてしまうからです。
死につながる原因の多くは事故、特に自分の吐いたものを気道に吸い込んで窒息する誤嚥(ごえん)が最も恐るべきものです。そこで、まず次のことは必ず実行してください。
- 絶対に仰向けにしない
- 介抱担当者をつけ、絶対に一人にしない
- 宴会場から別室に連れて行かない(介抱担当者が席を外しても誰かの視界内にいられます)
- 無理に吐かせない(悪さをしているのはすでに吸収されたアルコール。誤嚥のリスクを増やしてまで吐かせることはありません)
意識が戻ってきたら水分を
急性アルコール中毒の直接の治療は、とにかく水分でアルコール濃度を下げ、尿に追い出すことです。
意識がもうろうとしているうちに水を飲ませるのは誤嚥の危険がありますが、自分で飲めるようになったら叱りつけてでも水分を摂らせましょう。
ここで飲ますものですが、水やお茶よりは、塩分を含んだ飲料が適しています。ポカリスエットをはじめとしたスポーツ飲料や、店にあるものではスープなどがこれにあたります。
人間の体は塩分濃度が一定でなくてはならないので、塩分なしに水を飲んでも吸収を拒否されます(塩分濃度が下がってしまうので)。飲んだ水分を速やかに吸収してもらうために、塩分が必要になるのです。
救急車の呼び方
どこまで重症なら救急車を呼ぶかは人によると思いますが、つねっても全然起きないなら嘔吐しても目覚めずに誤嚥するかもしれません。素人の手には負えない危険な症状と判断してよいでしょう。
いざ救急隊を呼んだら、救急隊が到着する前にすべきことがあります。
- 本人の家族を呼ぶ
- (少しでも会話できれば)本人に病院へ行くことを承知させる
アルコール中毒の患者さんから目を離せないのは病院でも同じです。そこで、入院後もどうしても付きっきりになる人が必要です。付き添うのは酔っぱらった仲間でもかまわないのですが、しらふで責任の取れる本人の家族が駆けつけてくれるに越したことはありません。
次に本人の承諾です。急性アルコール中毒の患者さんは手がかかる(嘔吐物を拭いたり、失禁した衣類を脱がせたり)だけでなく暴れる恐れもあるため病院は受け入れをいやがります。
「本人は受診を承諾しています」と救急隊を通じて一言伝えるだけでスムーズに受け入れが進みますので、よく納得させてください。もちろん本当に暴れないよう、仲間が安心させて落ち着かせてあげましょう。
(Photo by http://www.flickr.com/photos/crossfirecw/375861774/)
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