はじめに

地震などの大きな災害で避難所生活を余儀なくされる事になった場合、当然の事ですが生活は一変し、ストレスも溜まるのではないかと思います。
また、大勢の人が一ヶ所で生活する事により、風邪や伝染病も移りやすくなります。
ここでは、避難所生活で予想される症状と予防法について書かせていただきます。
エコノミークラス症候群
正しくは「急性肺血栓塞栓症」のことを言います。飛行機で座席の狭いエコノミークラスの乗客から多く発症したためにそのように呼ばれるようになりました。
身動きの取れない狭い場所で長時間座った姿勢で過ごすことによって、起きる症状で、エコノミークラスに限った事ではなく、ファーストクラスでも列車や車でも同じことは起こり得ます。
症状と原因
原因としては、長時間同じ姿勢で座っている事によって、膝の裏にある静脈の血行が悪くなり血栓(血の塊)が出来ることが挙げられます。そこで出来た血栓が肺の動脈を塞いでしまうのです。
また、それと合わせて飛行機の中のような乾燥した状態、水分が摂りづらい状態で、血液がドロドロになり固まりやすくもなるのですね。
症状としては、呼吸困難、胸の痛み、めまいなどがあり、ひどくなると失神を起こし、心肺停止する恐れもあります。
対処法
同じ姿勢で長時間過ごしていることが原因になるので、少しでも動くことです。
避難所生活では、動き回りづらい、やる事がない、など動きたくない状況も考えられますが、足を屈伸する運動をしたり少し散歩してみたりするだけでも違います。
また、なかなか手に入りにくい状況でもあるでしょうが、水分は小まめに摂るようにしましょう。
インフルエンザなど感染症
大勢が密集して暮らす状況下では、風邪なども流行りやすくなります。
考えられる感染症
寒い時期に避難生活をする事になれば、ウィルス性の風邪などは移りやすいでしょう。インフルエンザの他、はしかなどの伝染病も考えられます。また、ノロウィルスなどによる急性胃腸炎が流行る可能性もあります。
対処法
避難所では出来る限りマスクを着用し、発熱した人は、できる事なら隔離する事が望ましいです。
また、食事の時、食事の用意をする時、体調の悪い方をお世話した時、トイレの後などマメに手を洗いましょう。
低体温症
寒い環境で被災した場合、電気やガスが止まり暖房を取る事ができないことでしょう。そのような状況下で極度に体温が下がることにより、体調に異変をきたす事が考えられます。
症状と原因
寒さが大きな原因ではありますが、極度のストレスによって自律神経の働きが悪くなることも原因の1つになります。
症状としては、手足が冷え、体温が下がることにより意識が鈍くなり、重症になると失神する事もあります。
対処法
水分の補給や、なるべく身体を温めることが一番の対処法です。避難生活では難しいことかも知れませんが、人と寄り添って毛布を使ったり、靴下や手袋を着用したりして身体を温めましょう。
また、これも避難生活では難しいことでしょうが、ストレスを軽減するようにしましょう。軽い運動などする事をお薦めします。
生活不活発病
高齢の方に起こりやすい症状です。動かない状態が続くことによって、本当に動けなくなってしまう「不活発」になってしまう状態をいいます。
症状と原因
お元気だった高齢者の方が、ちょっと捻挫などして寝込んだ後、全く動けなくなってしまうのはよくある事です。
災害によるショックやストレスで避難所で動かない状態を続けていると、本当に寝たきりになってしまうこともあるのです。
対処法
なるべく歩くように、運動するようにしましょう。周りの方も協力して高齢者の方が軽い散歩などする事を薦めてさしあげて下さい。また、日常生活の中で、自分で出来る事は自分でやってもらうようにしましょう。
おわりに
長く避難生活が続けばストレスも溜まり、健康だった人でも体調が崩れたりする事もあるでしょう。元々体調が悪かった方や高齢者の方なら尚更です。
体調が悪いときには我慢せず、必ず周囲に訴えてください。気のせいだと思ったり、みんな我慢しているのだから、と考えることは良くありません。お身体を大切にお過ごしください。
(Photo by 体操 杉本選手 By.HIRAOKA,Yasunobu)
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