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    俳句の切れ字の意味と使い方のポイント

    叙情豊かな季節感を17文字で表す、俳句の世界。「切れ字」は、普通の散文には使われていない、俳句独特のものです。昔は切れ字の種類は、連歌俳諧では秘伝とされ「かな、けり、もかな、し、ぞ、が、よ、や、らん…」など18種類もありましたが、現代の俳句は「や、けり、かな」で十分です。

    切れ字は、言葉を強める効果あり

    句の途中で、「切れ目」を作って、一呼吸おくというのが切れ字の由来です。つまり、間をおき、その前の言葉に注意を注がせる効果があるのです。

    映画でいうと、全体を映していた画面から、切れ字の前の言葉にズームアップされて強調される感じです。言葉を強める効果があります。

    「や」の例句と意味

    しずかさや 岩にしみいる せみの声

    「や」は、多くは上五に使い、感動を強める効果があります。

    松尾芭蕉の有名な一句ですが、歌を詠んだ場所は山形県の深山にある立石寺です。芭蕉は、あたりに人影もなく、ただただシーンと静まり返った山寺の雰囲気を伝えようとして「しずけさや」と上五に「や」を入れています。

    「かな」の例句と意味

    おもしろうて やがて悲しき 鵜飼かな

    「かな」は、多くは文末に使い、「や」ほど感動を込めない言い切りです。

    これも芭蕉の句です。魚を呑んでも、結局は吐きださなければいけない鵜に対する感情を、少し強めています。「かな」は、「や」ほど感動をこめず「◯◯だな」というくらいの軽めの感情表現です。

    「けり」の例句と意味

    道のべの むくげはうまに くわれけり

    「けり」は、多くは文末に使い、句をしめくくる語です。

    断言するような強い調子を、印象づけます。また、「けり」は過去を表す助詞なので、「~~した」という完了を表します。

    切れ字使いのポイント

    切れ字は、一句にひとつだけ使います。

    また、俳句の技法には「体言止め」があります。これは名刺で終わり、その言葉を強調するものです。体言止めでは、通常は助詞や助動詞がついて文になるので、プツンと途切れたような印象となります。

    それとは違い、切れ字を使うときは、詩的な響きを生じさせたいときに使います。

    その他、「切れ字」の使い方で注意する点

    荒海や 佐渡に横たう 天の川

    芭蕉の句です。「や」を名詞のあとに使っています。

    長閑しや 雨後の畠の朝煙り

    一茶の句です。「や」を形容詞のあとに使っています。

    時雨るるや 我も古人の 夜に似たる

    蕪村の句です。「や」を動詞のあとに使っています。

    切れ字「や」は、字数合わせに下五の最後には使わないようにします。

    なぜなら、「や」は名詞、形容詞、動詞の連帯形や終止形などさまざまな言葉の後につけることができるので、どこにでも使いがちですが、下五の最後につけては、俳句的な強調感のおさまりがなくなります。

    初心者は、名詞のあと、上五で使うのが使いやすいと思います。

    おわりに

    コツを覚えて、さらりと使えるようになると、俳句の腕があがった感じになり、ますます俳句を作るのが楽しくなります。身近な光景をどんどん唄って、句に慣れましょう。秀句にたくさん接するのも、上達の秘訣です。ご参考になれば、幸いです。

    (image by 著者)

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