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こんなときはどうしたら?身近なトラブルの対処法と訴訟に関する知識

諸外国に比べると、日本での訴訟件数は非常に少ないと言われています。

「人と人の間のトラブルはなるべく話し合いで解決したい」という穏やかな国民性の表れであると言えば聞こえはいいのですが、実際のところは訴訟に対する知識が乏しいことも理由の1つのようです。

「訴訟には高額の費用が必要」というイメージが強いことも一因と言えるでしょう。

そこで今回はいくつかの訴訟を例に、身近なトラブルの対処法と訴訟に関する知識をご紹介します。

覚えておきたいこと

訴訟における弁護士・司法書士・行政書士の違い

行政書士の主な仕事は、行政機関に提出する書類や事実証明に関する書類の作成、その代理提出や作成に関する相談に乗ることです。

下記で説明する内容証明郵便の作成なども行いますが、法廷における代理人にはなれませんので、相手との交渉はできません。よって裁判にも参加できません。

訴える相手とのやりとりは自分でやらなければいけませんが、訴訟を起こす前に内容証明郵便を送って様子を伺いたい場合や、クーリングオフなどの内容証明郵便だけで解決できそうな問題の場合は、行政書士で十分なケースもあります。

弁護士は、内容証明郵便の作成から、その後訴訟を起こして法廷で争うところまで全てを行うことができます。もちろん代理人として相手方とのやり取りも担当してもらえます。

内容証明を送ろうと思った時点から訴訟になりそうだと分かっている場合は、弁護士を選ぶほうが無難といえるでしょう。

司法書士は、認定司法書士という簡易裁判所におけるいくつかの業務を行うことができる司法書士であれば、140万円以下の案件に限って、代理人になって相手との交渉を行うことができます。

弁護士・認定司法書士は代理人になれますが、司法書士はなれません。

内容証明

日本郵便株式会社が、「いつ」「誰が」「誰に」「どんな内容を送ったか」を証明する制度のことです。

これによって「こういったことに迷惑しているので、対処をお願いします」と相手方にお願いしたことを証明する公的な証拠を得ることができます。

つまり、「言った・言わない」「聞いた・聞いてない」の水掛け論を防ぐことができます。

基本的には、配達証明という配達日時の確認ができる制度と併せて利用されます。

クーリングオフの通知でも利用します。

少額訴訟制度

60万円以下の金銭支払に関する訴訟が対象で、

  • 費用が安く済む
  • 1回の審理でその日の内に判決が言い渡される
  • 訴えが認められれば支払い義務を負わせることができる
  • 支払われなければ強制執行を行うことができる

といった利点があるため、すぐにトラブルを解決したい方向けの制度です。

相手方の所在が分からないと提訴できません。

支払督促制度

内容証明を送付してもそれに応じてもらえなかった場合に、金銭等の請求に限って、通常の訴訟手続を行わずに簡易に強制執行手続きまで行える制度です。

簡易裁判所の書記官に対して申し立てをし、審査が通れば裁判所から支払いを命じる支払督促が相手に送付されます。

これに対して異議申立てがなければ、仮執行宣言をつけて相手の財産を差し押さえることができます。

ケース1~近隣トラブル編~

どのようなものがあるか

マンションの上の階の足音が響いてうるさい・深夜に大きな音で音楽を聞いているなど、生活に関する騒音がトラブルの元になるケースが多く見受けられます。

また、子供同士のトラブルをキッカケに関係が険悪になるパターンや、建物の建築工事などに対する苦情からトラブルになるパターンも多いようです。

ひどいケースですと、身に覚えのない言いがかりをつけられて嫌がらせを受けたりすることもありますから、「自分は大丈夫」と思わずに注意しておくべきでしょう。

主な対処法

現在住んでいる地域でのトラブルですし、急に引っ越すというわけにもいかないと思いますので、まずは、マンションの管理会社や住んでいる地域の自治会長などの第三者を含めた話し合いを行いましょう。

それでも取り合ってもらえない場合は、内容証明で対応を求めたり、ひどい場合は訴訟を起こすことを考えましょう。

訴訟に勝ったとしても、その後も顔を合わせる可能性が高いわけですから、よほどのことで無い限り訴訟を起こすのは避けたいところです。

トラブル内容の記録は、スムーズに話し合いを進める上でも、後々法廷で証拠として提出するためにも必要です。

写真やビデオ撮影が難しければ、どんな被害を受けたかを日付と時刻と一緒に記録して置きましょう。

ケース2~相続トラブル編~

どのようなものがあるか

相続トラブルというと、有名力士の死後に相続を巡って兄弟が争ったケースや、有名カバン店の相続人である兄弟が、残された二つの遺言の真偽を巡って訴訟に発展したケースなどを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。

これらのトラブルは、遺言書が残されていなかった、遺言書はあったが不備があった、遺言書に不備はなかったがその内容に相続人が不服を訴えた、などのケースがあります。

また、相続は問題なく行われても、相続される資産が自宅の土地のみで、そこに住んでいる相続人が他の相続人に土地の資産価値の何パーセントかをお金で払わなければいけなくなり、トラブルになってしまうケースなど、思わぬところから訴訟に発展してしまうケースもあります。

主な対処法

相続問題では争う相手が親族になるため、できるだけ訴訟にまで発展させたくないと思います。

「長男だから」「介護をしていた」など、それぞれの主張がぶつかり合い分与の割合などでもめる場合も、まずは話し合いを重ねて解決策を探しましょう。

そこで話がまとまった場合は、遺産相続協議書を作成するようにしましょう。その後の手続きなどでも使用します。

話がまとまらなかった場合は、家庭裁判所で調停をするという解決方法があります。これは、裁判所から選ばれた調停委員が話し合いの仲介をしてくれる、調停を申し立てられた相手は出席する義務が課せられるという利点があります。

それでも話がまとまらなかった場合は、審判という解決方法があります。調停と違い、自分の意見を認めてもらうために、裁判所に様々な証拠資料を提出する必要があります。

これらの証拠を元に判断した上で、裁判所が遺産の分け方を決めてくれます。

ケース3~クーリングオフ編~

どのようなものがあるか

キャッチセールスや催眠商法、公的機関の職員を装って特定の商品を売りつけるなど、様々な悪徳商法で高額な商品を買わされてしまうケースが多くを占めています。

また、形のあるものだけでなく、ゴルフ場の会員権やエステティックサロンのチケットなど、サービスを商品化したものでの被害もあります。

主な対処法

まず、購入させられてしまった商品がクーリングオフ対象のものかを調べましょう。

クーリングオフできる期間は、契約書にサインをした日付から8日間と決められています。マルチ商法などの場合は20日間です。

ただし、悪徳商法の場合は「不実告知」といって商品に関する説明に虚偽がある場合が多く、その場合は嘘に気づいてから6ヶ月以内であれば契約を取り消すことができます。

クーリングオフは口頭や電話での契約解除では適用されません。必ず書面で契約解除通知を行いましょう。

この書面は、上で説明した内容証明配達証明を利用して送付し、記録として残るようにしましょう。

契約解除通知が相手側に受け入れられれば問題はありませんが、クーリングオフしたにも関わらず返金されない場合には、少額訴訟支払督促などを利用して、裁判所に訴え出る必要があります。

状況に応じて利用する制度が違いますので、どれが最適な対応かを調べてから行動しましょう。

おわりに

訴訟は日常生活には関わりのないことのように思えますが、日常生活の中にこそ訴訟を行うキッカケになるトラブルが潜んでいるのです。

できるだけそのようなトラブルは避けたいものですが、もし起こってしまったときに悔しい思いをしないで済むように予備知識は持っていたいものです。

皆さんの「困った!」を解決する1つの手段として、参考にしていただければ幸いです。

(image by amanaimages 1 2 3 4)
(image by 足成)

このライフレシピを書いた人
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