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登山用シュラフ(寝袋)の選び方

登山では快適な睡眠はとても大切な要素です。

山で睡眠不足になると歩行が不安定になり登山行為自体が危険になるだけでなく、2千メートル程度の山でも高山病などの高度障害を招く可能性もあります。

そうなると行動計画の変更だけでなく、最悪登山を中止して下山を判断する可能性も高くなります。

登山用シュラフとは

登山用シュラフとは山で快適に睡眠をとるために必須の寝具です。通常シュラフだけでは使用せず、テントマット(テント泊の場合)、個人マット(エアマットなど)とシュラフカバーと合わせて使用します。

登山用シュラフのスペックには

  • 快眠温度
  • 最低使用温度(耐寒温度)

のどちらかの数値が書かれています。これが書かれていないシュラフは山用ではありません。

快眠温度はまさしく快適に睡眠できる温度で、耐寒温度はそのシュラフで睡眠できる限界の温度です。耐寒温度を過信すると快眠は約束されません。

さらに、これに暑がりとか寒がりなどの個人差が加わるのがシュラフ選びの悩みどころとなります。一般的に女性のほうが寒がりと言われていますが、著者の経験上男性のほうが寒がりが多いようです。

登山用シュラフの種類と特徴

登山用シュラフはほとんどがマミー型と呼ばれる足元が細くなっているタイプです。キャンプ場などで使われる封筒型と呼ばれる縦長のシュラフもありますが、なにしろかさばるのとほとんどの封筒型に耐寒温度の記載はありませんので山に持っていく人を知りません。

登山用シュラフには使っている素材によって、化繊ダウンの2種類があります。

化繊シュラフ

基本的に冬を除く3シーズン用のものがほとんどです。保温力がダウンより劣るため冬用を作ると大きくなりすぎるからです。

化繊のシュラフのメリットは濡れに強いということです。少々湿気っていても保温力はそれ程変わりません。

ダウンシュラフ

素材に羽毛布団と同じ羽毛を使っています。羽毛にも様々な種類がありますが、その目安となるのがフィルパワーです。フィルパワーはダウンを一定条件で圧縮してその復元力を示した数値です。数値が高いほど優れています。

安価なダウンシュラフでも600フィルパワー程度のダウンが使われています。高価なものでは800フィルパワー以上のダウンを使用しているものもあります。

ダウンシュラフのメリットは同性能の化繊シュラフより圧縮できるので、はるかにコンパクトになることです。

反面最大の欠点としては濡れると一気に耐寒温度が下がることと、とても乾きにくいことです。

シュラフを使用する際の注意点

シュラフが濡れる条件は2つあります。1つは外側からの結露や水もれ、そしてもう1つは自分の汗です。テント内が0度からマイナス4度くらいになると自分の呼吸だけでテント内が簡単に結露します。

逆に低山に過度に高性能なシュラフを持っていくと暑くて寝れないばかりか、汗でシュラフを湿らせてしまいます。

ダウンシュラフはとにかく水濡れに注意が必要です。

登山用シュラフを選ぶポイント

寝る場所の温度

写真は登山専門店のニッピンの「ユーコン」というシュラフと、イスカのウェザーテックという素材の「ウェザーサック シュラフカバー」です。ただし、購入したのがすでに10数年前なので今は性能も向上して、同時に当時より価格も上がってしまいました。

シュラフを選ぶ時は、睡眠を取る場所の温度が何度になるのかが一番大きな選択肢となります。3シーズンでは冬山には持って行けませんし、逆に夏山には冬山用は暑すぎて持って行けません。

通常シュラフには服を着たまま寝ますので、暑ければ脱げばいいですし、寒いようならさらにダウンインナーやオーバーパンツ、または雨具などのウェアを着込んで調整することができます。また、シュラフカバーを使うとプラス2度くらい耐寒温度が上昇します。

シュラフカバーを併用する

マイナス6度のテント泊でマイナス15度対応のシュラフはオーバースペックで、暑くてとても寝れたものではありません。逆に、耐寒温度がマイナス4度対応のシュラフにシュラフカバーを組み合わせるだけで意外と快適に睡眠できたりします。

シュラフカバーはとても便利で、夏場の600メートル級の低山だとシュラフカバーだけで済ませる場合がほとんどです。

価格と重量とコンパクトさのバランス

シュラフは様々なメーカーから様々な種類が発売されていますので、中には外側の生地が完全防水でシュラフカバーが不要なマウンテンハードウェアの「バンシー」のようなモデルもあります。

ただし、その分価格はかなり高価でコンパクト性と重量もそれなりに犠牲となります。一体式なのでシュラフカバーのように外して軽量化することもできません。

どれくらい犠牲になるかは実際にショップに行って、複数のメーカーの同程度の温度帯のシュラフと持ち比べる実感できます。

あなたのおすすめ登山用シュラフ

筆者が主に愛用しているテントはイスカ社の「エア180x」です。これに使われているダウンは800フィルパワーもあるので、温かいだけでなく、とても小さくなります。

これの最低使用温度(耐寒温度)はプラス8度なので、ほとんどの夏山ではこれとシュラフカバーがあればほぼ対応出来ます。また、シュラフを頭まですっぽりと被ってドローコードを引けば体温が逃げることもありませんし、暑ければZipを開けて調整もできます。

また、このシュラフはとてもコンパクトになるので上記のマイナス5度対応のシュラフのインナーシュラフとして組み合わせるとマイナス10度くらいまでは対応できます。もちろん、上記の個人差を別にしての話です。

実際にそのシュラフを使用した感想(体験談)

夏の南アルプスの縦走で使用しました。標高が千メートルくらいまではこれだけでも暑いくらいですが、標高かが2千メートル近くになると流石に夏でも外気温は4度程度になります。しかし、シュラフカバーとウェアの組み合わせで温度調整をすることで快適に過ごせました。

失敗は冬のスキーの車中泊で、車の中だからそれほど寒くないだろうと鷹を括って、シュラフカバーを持って行かなかったところ、車の暖房を切った途端にとても寒くなりまったく眠られませんでした。

幸い高速道路の広いサービスエリアでしたので、車を端に寄せてエンジンをかけたまま寝ました。それからは必ずシュラフカバーは持っていくようにしています。

さいごに

ダウンシュラフは基本的にどのメーカーも高価なので、山岳ショップに通って納得がいくまで質問するのが勉強になります。

(image by amanaimages)
(image by 筆者)

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