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    俳句の技法「体言止め」の意味と使い方

    俳句は、五・七・五のリズムを持つ十七音の定型詩で、その中に季語や切れ字を含みます。

    室町時代に流行した連歌が始まりとされ、17世紀に松尾芭蕉がその芸術性を高めて、現在の俳句の源流が出来上がりました。

    俳句における「体言止め」の意味

    ポイント1:下五音を体言にする

    俳句の下五音を名詞や代名詞の体言で締め括ることを「体言止め」と言います。俳句は、17文字という限られた文字数での表現となるため、不用な言葉の省略が必要となり、「体言止め」によって動詞や助詞が省略されます。

    ポイント2:「体言止め」の識別

    江戸時代の俳人で、松尾芭蕉の高弟であった「宝井其角」の俳句でご紹介します。

    まずは、動詞や形容詞などの用言で締め括る場合です。

    あまがへる芭蕉にのりてそよぎけり    宝井其角

    『そよぎけり』は、『そよぐ』(自動詞ガ行四段活用) の連用形に、『けり』(助動詞ラ変型) の終止形が接続したもので、それまで気付かなかったことに初めて気付いた詠嘆を表します。

    次は「体言止め」の場合です。

    体言とは、活用がなくて主語となることができる自立した単語のことであり、名詞・代名詞が該当します。

    越後屋に布裂く音や衣更    宝井其角

    『衣更』が名詞です。

    俳句における「体言止め」の効果

    ポイント1:情趣のある表現

    体言が俳句の最後にあることで、それ以降の動詞や形容詞などの用言が省略されています。そのため、省略された部分を想像することになり、情趣を生み出します。

    ポイント2:印象が強まる

    俳句の下五音を体言で止めることで、単刀直入な表現となり、作品の印象が強まります。

    「体言止め」の俳句例

    「体言止め」の俳句例として「宝井其角」の作品をご紹介いたします。

    有明の面おこすやほとゝぎす  宝井其角

    『ほとゝぎす』で「体言止め」されます。

    六尺も力おとしや五月あめ  宝井其角

    『五月あめ』で「体言止め」されます。

    七種や跡にうかるゝ朝がらす  宝井其角

    『朝がらす』で「体言止め」されます。

    小坊主や松にかくれて山ざくら  宝井其角

    『山ざくら』で「体言止め」されます。

    「体言止め」を使うときのポイント

    ポイント:「切れ字」との組合せ方法

    「切れ字」とは、句中または句末に「かな」「けり」「や」などを用いて、俳句表現の切れを良くする言葉を指します。「切れ字」を用いることで、その言葉の意味に奥行きを与えます。

    上五句に「切れ字」の「や」を含む場合、「体言止め」を組合せると、句がまとまりやすく効果的です。

    「体言止め」の使い方で注意する点

    「体言止め」された語句は、その印象が強まってしまうために、俳句が詠まれた、そもそもの動機である上五音の印象が薄まることがあります。

    「体言止め」の気軽な使用は避け、「ここぞ」という場合に使用して、俳句を締まらせる効果を狙います。

    おわりに

    明治時代に入り、正岡子規は、俳句を近代的な文芸にまで高めようとして文学運動を行ないました。松尾芭蕉が再評価されます。

    先人たちの俳句への情熱が感じられる気がしますね。

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