目上の立場の人やお客様と接するときに、きちんとした言葉遣いができると気持ちがいいですよね。とはいえ、丁寧な言葉を使おうとすればするほど、不自然な言い回しになってしまうことも。
ここでは、そんな違和感を覚える言葉のひとつ「よろしかったでしょうか?」という言葉が正しいかどうかを調べてみました。
「よろしかったでしょうか?」はよく使われている
コンビニやファーストフードなどで「よろしかったですか?」と言われ、違和感を持ったことはありませんか?なかにはモヤモヤしたり不快に感じたりする人もいるかもしれません。
実際のところ「よろしかったでしょうか?」という言葉は日本語として正しいのでしょうか?
「よろしかったでしょうか?」は正しい日本語?
最近ではすっかり浸透し、おかしいと感じなくなっている人もいるかもしれませんが、「よろしかったでしょうか?」という言葉は間違った日本語です。
「よろしかった」という言葉は過去形です。したがって、直後の行為や現在進行形である内容に対して過去のように聞くのは不適切。相手に確認をとりたい場合は「よろしかったでしょうか?」ではなく「よろしいですか?」と聞くのが正しい表現です。
「よろしかったでしょうか?」を使うようになったわけ
なぜ間違っているのに「よろしかった」と過去形で尋ねられるようになったのでしょうか?
これは「よろしいでしょうか?」や「いいですか?」と聞くと選択権が質問側にあり、強要させているように感じさせてしまうから、というのが理由のようです。
「よろしかったでしょうか?」と聞くことで質問がやわらかくなり、相手に選択権があるように感じさせる効果があることから、「よろしかったでしょうか?」という言葉が使われるようになったといわれています。
ほかにも…違和感のある間違った日本語
「とんでもございません」
「とんでもない」という言葉でひとつの単語。これを無理やりふたつにわけて、「ない」の部分のみを「ございません」に変えることはできません。丁寧に使いたいときは「とんでもないです」と答えるのがベター。
「しばらくぶりです」
同僚や部下に対して「しばらくです」と使うのが正しい表現。したがって「しばらくぶりです」は日本語として適切でないうえに、敬語になりません。「お久しぶりです」や「ご無沙汰しております」を使うように心がけましょう。
「お世話様です」
「お世話様です」と「ご苦労様です」は同等の使い方であり、立場が上の人に対して使うのは控えたほうがいい言い回しです。挨拶として用いるなら「いつもお世話になっております」を使うようにしましょう。
これで言葉の使い方は「よろしいですか?」
もしかしたら、知らず知らずのうちに「よろしかったでしょうか?」と使っていた人もいるかもしれません。
なんとなく丁寧に聞こえるうえに、現代ではいたるところで常用されている言葉ですが、ここぞというときにきちんとした言葉遣いができると素敵ですね。
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