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    成し遂げるためのビジネスハック!GTDタスク管理入門

    いざタスク管理をしようとしても、スケジュールを詰め込み過ぎたり、優先順位の付け方を間違えてしまったり…なんて人も多いのではないでしょうか。

    そこで今回、ブロガーで東京ライフハック研究会主宰の北真也さんに、やり方を知れば誰でもできるタスク管理の方法を教えてもらいました!

    本記事は、2015年1月の取材情報をもとに執筆されたものです。

    タスク管理術として注目されている「GTD」とは

    この記事では「GTD」と呼ばれるタスク管理方法をご紹介します。

    GTDとは「Getting Things Done」の略で、デビッド・アレンさんが以下の著書で紹介している、タスクの優先順位やスケジュールなどをわかりやすく整理するためのワークフローです。

    タスク管理を効率的に行えるということで、近年注目を集めている手法でもあります。

    GTDは下記の流れで実践します。

    • 1:収集
    • 2:処理
    • 3:整理
    • 4:レビュー
    • 5:実行

    GTDを実践するメリットは2つあります。

    • 脳内の情報を整理し、次にすべきタスクを明確にできる
    • 頭の中にある「やるべきこと」「やりたいこと」を覚えておこうとする脳の負担を取り除き、作業に集中できる状態を整えられること

    このように、GTDは「いまやるべき作業に集中する」仕組みであるため、生産性の向上につながります

    【事前準備】2種類のリストを作成しよう

    まずは、以下2種類のリストを作成しましょう。

    1:マスタータスクリスト

    マスタータスクリストは全ての「やること」「やりたいこと」を書き出すリストです。

    目先のことだけでなく、将来的にやりたいと思っていることもすべて書き出されているという安心感で、脳のストレスがない状態を保つことができます。

    2:デイリータスクリスト

    デイリータスクリストは、マスタータスクリストから「今日やること」のみを書き出したリストです。

    これにより、今意識すべきタスクに集中することができます。

    1:情報を集める場所(inbox)を決める

    タスクのみならず、ちょっとしたメモや突発的に発生した予定などをそれぞれ違ったメモやツールに書き留めていませんか。まずはそういった情報を集める場所=「inbox(インボックス)」を決めましょう。

    各情報を書き留めるツールなどを決めておくことで、タスクの洗い出しなどがスムーズになります。たとえば、次のようにまとめてみましょう。

    • アナログでとるメモはいつも使っている大学ノートに統一する
    • デジタルでとるメモはEvernoteに統一する

    2:タスク化されていない情報を書き出す(収集)

    現在、頭の中にある「これからやるべきこと」「やりたいこと」など、まだタスク化されていないものをすべてマスタータスクリストに書き出しましょう。こうすることで、頭の中に溜まったタスクを洗い出し、脳をストレスフリーな状態にします。

    以下、具体的なやり方です。

    STEP1:inboxからタスクをピックアップする

    前述の「inbox」内から、まだタスク化されていない情報を洗い出します。タスク化できそうなものは、その場でマスターリストに書き出していきましょう。

    STEP2:トリガーリストでタスクをピックアップする

    トリガーリストとは「自分への質問リスト」のことです。このリストに回答していくことで、inboxだけではピックアップできなかった「これからやるべきこと」「やりたいこと」などを発見できます。

    トリガーリストは仕事やプライベート、健康やお金という項目に分けて、それぞれの問いを用意しておくのがおすすめです。インターネットで「トリガーリスト」と検索するとブログをはじめ、各種メディアで紹介されています。これらを参考に、自分への質問リストを作ってみましょう。

    <トリガーリスト例>

    【 仕事のこと 】

    • 現在上司と約束(依頼)していることは何ですか?約束(依頼)したいことは何ですか?
    • 現在部下と約束(依頼)していることは何ですか?約束(依頼)したいことは何ですか?
    • 行わなくてはいけない会議はありますか?
    • 仕事上の直近のイベントにはどんなものがありますか?
    • 現在抱えているプロジェクトにはどんなものがありますか?

    【 プライベートのこと 】

    • プライベートの直近のイベントにはどんなものがありますか?
    • 次の休みはどのように過ごしたいですか?
    • 行ってみたい場所、会いたい人、やりたいことは?

    【 健康のこと 】

    • 最近の食生活で反省すべき点はありませんか?
    • こまめに運動していますか?

    3:タスクの実行タイミングを図る(処理)

    次に、マスタータスクリストに書きだしたタスクを細かく砕き、実行するタイミングを考えていきます。

    STEP1:なにを・いつまでに・どうするか・という問いかけをする

    マスタータスクリストそれぞれの優先順位をつけます。次の3つのポイントを明確にし、順位を決めましょう。

    • なにを
    • いつまでに
    • どうするか

    STEP2:細かく噛み砕き、実行可能のタスクにする

    優先順位をつけたタスクのなかには、容易に取りかかれないものがあるはずです。このタイミングで大きなタスクは細かく砕き、実行可能なタスクにします。

    いまいちタスクをうまく噛み砕けないときは、ゴールにたどり着くための作業に動詞をつけて整理してみるという方法もあります。

    <NG例>

    • 明日までにプレゼン資料を用意!

    <OK例>

    • プレゼンを通じて伝えたいことを考える
    • プレゼンの枠組みを書き出す
    • 必要な情報を整理し、追記する
    • プレゼンのリハーサルをする

    4:タスクを適切な場所に配置する(整理)

    「なにを・いつまでに・どうするか」が明確になったタスクを適切な場所に配置します。適切な場所とは、マスター及びデイリータスクリストや、資料フォルダやゴミ箱です。

    マスター及びデイリータスクリストに振り分ける

    今日やることはデイリータスクリスト、明日以降やることはマスタータスクリストに振り分けましょう。その際に、優先順位と締切日を設けておくのがポイントです。

    2分以内でできるタスクは?

    処理の段階で2分以内に実行できるものは、タスクリストに振り分ける必要はありません。その場で実行してしまいましょう。

    タスクではない情報は?

    処理の段階でタスクの精査をすると、タスクではないものを見極めることができます。マスタータスクリストに書きだしたタスクではない情報は「資料フォルダ」、タスクでもなく必要のない情報は「ゴミ箱」に整理しましょう。

    5:タスクを常に最新の状態にする(レビュー)

    レビューの段階で収集~整理までを改めて行い、マスター及びデイリータスクリストを最新化しましょう。

    タスクや計画に変動はつきものです。一度完成したタスクも常に見直し、最新の状態にしておく必要があります。

    タスクを最新化するタイミング

    タスク内容を見直し、最新化するタイミングは以下です。

    • 1日の初めにデイリータスクリストを作成する(日次計画)
    • 1日の終わりにマスタータスクリストを最新化する(日次レビュー)
    • 週の初めに週の目標と時間の使い方を計画する(週次計画)
    • 週の終わりにマスタータスクリストの内容を棚卸しする(週次レビュー)
    レビューという言葉の響きから反省や評価と捉えがちですが、上記はあくまでも実行前のデイリータスクリストの作成が目的としたものです。
    北真也さん(以下、北さん)「大事なのは各タスクの最新化について『どのタイミングで』『何をやるのか』を決めておくことです。予めルールを決めておくことで、効率的な動き方ができるようになります」

    計画をスケジュールに落とし込む

    このタイミングで、計画したタスクをスケジュールに落とし込みます。これがうまくできないとタスクを詰めすぎてしまい、結果的に締切日を守れなくなってしまいます。

    • 朝イチ・午前・午後・・・と時間を区切って予定を立てる

    そこでおすすめしたいのが、「朝イチ・午前・午後」と時間帯ごとに区切ってスケジュールを立てることです。これによりスケジュールに落とし込む=タスクを実行するタイミングを決定できます。

    <例1>

    • 朝イチ(8~10時)・・・プレゼンを通じて伝えたいことを考える
    • 午前(10~12時)・・・プレゼンの枠組みを書き出す
    • 午後(13~19時)・・・必要な情報を整理し、追記する。プレゼンのリハーサルをする

    上記ではプレゼン資料作成のタスクを例にしています。

    仮に、以下のように午前を2時間枠とすると、1時間で終わると見積もったタスクを2つ入れられます。時間毎に区切ることで、タスク実行の見積りに誤りがあるかどうかもチェックできます。

    <例2>

    • 朝イチ(8~10時)・・・ブログ執筆/1.5h・朝の情報収集/0.5h
    • 午前(10~12時)・・・メールチェック/0.5h・記事の編集・公開作業/1.5h
    • 午後(13~19時)・・・取材/3h・記事執筆/3h
    自分の生産量を過信せず、自分が想定しているタスク完了時間✕2で見積もるようにしましょう。
    北さん「人は集中するまでに15分ほど時間がかかると言われています。作業に集中しだした所へ別の仕事が割り込むと、割り込み作業に時間が取られるだけでなく、集中力が途切れるので作業効率が下がってしまいます。特に新人の頃は作業の見積もりの精度も低く、電話取りや雑用を頼まれるなど、割り込みも起こりやすいです。自分の生産性を過信せず、作業できる時間は思っているよりも少ないことを考慮して計画を立てましょう」

    6:計画通りにタスクを実行する(実行)

    収集〜レビューまでの手順をくり返しながらタスクを実行します。

    7:記録をとる

    実際に、タスク完了にかかった時間の記録をとりましょう。記録することで予想と現実の差をなくし、より正確なタスク計画を作成できます。

    ツールとして、タイムトラッキングツール「Toggl」というものがあります。Google Chromeの拡張機能もあり、拡張ボタンをワンタッチするとタイムを計測できます。

    チームのタスク管理をする方法

    続いて、チームのタスク管理をする方法をご紹介します。タスクの進捗を管理するチームまたはプロジェクトのリーダーの視点で見ていきましょう。

    前提

    チームでのタスク管理では、以下の項目を明確にして管理します。

    • 誰が
    • いつ
    • 何をやるか

    1:課題に対するタスクを細分化する

    ゴールを設定し、それに対するタスクを細かく噛み砕きます。

    2:細分化したタスクに各担当をアサインする

    細分化したタスクの担当者を指名します。その際、誰が・どのタスクを担当しているのかを明確にしましょう。

    たとえば、共有しているタスク管理アプリなどで「お願いしています!」欄などを設けておけば、担当者の認識違いなどを未然に防ぐことができます。

    3:各担当がタスクを管理し、実行する

    タスクを振り分けて担当者を明確にしたら、次は期限や優先順位などを設定しましょう。各担当者は〆切などを確認し、実行に移ります。

    チームのタスク管理運用のコツ

    チームでタスク管理をする場合、いくつかコツがあります。

    タスク一覧を共有する

    進捗状況を見える化しておくと、管理コストの低下につながります。以下の項目を明確にし、ほかの担当者とタスク内容を共有しましょう。

    • 誰が
    • どのタスクを
    • どうやって解決する

    チームリーダーの管理項目が多すぎる場合は?

    チームの個人が担当するタスクの詳細まで管理をすると、管理項目が多すぎてリーダーへの負担が非常に大きくなります。もちろん確認の間にタスクの進捗はストップするため、作業効率も低下します。

    その対策として、あえて抽象度を上げて”課題”でタスクを管理するのもテクニックです。管理する項目を大枠にとどめることによって、作業効率の低下を防ぐことができます。

    北さん「危ないと早めに気づいて手当できることが大切です。100個タスクがあるリストから1、2個の問題になりそうなタスクを発見するのは大変ですが、20個あるなかから見つけるのは比較的簡単ですよね。だからチームのタスクなんかは、わざと粒度を荒くしておくこともテクニックの一つなんです」

    課題とは、容易に実行可能なレベルまでタスクを細分化する前の状態のものを言います。課題でタスク管理をする例がこちらです。

    <NG例>

    • プレゼンを通じて伝えたいことを考える
    • プレゼンの枠組みを書き出す
    • 必要な情報を整理し、追記する
    • プレゼンのリハーサルをする

    <OK例>

    • ◯日までにプレゼン資料を用意!

    進捗状況を共有できるシステムを導入する

    担当者間で各タスクの進捗状況を共有できるシステムを導入しましょう。たとえば次の2つのようなものがあります。

    • ガントチャートの稲妻線をチェック

    ガントチャートとは縦軸にタスクや人員、横軸に時間を配置して、タスクの進行状況を見やすくした図表です。稲妻線とは、ガントチャートのタスク進捗を表している縦線をいいます。

    チームメンバーごとの進捗状況を細かく確認するのは、タスクの進捗を管理するリーダーと各担当者の負担になります。ガントチャートの稲妻線は各タスクの進捗状況がわかるので、スケジュール管理兼タスク管理ツールとしてとても便利です。

    • バトンを明確にするチケット管理システム

    チケット管理システムは、タスクを「チケット」として各メンバーに割り振りタスク管理をします。チケットを持つメンバーは、自分のチケットのなかで優先順位をつけてタスクを実行していきます。

    チームでタスク管理をやる場合、前述したように「担当しているタスクの認識間違い」が起こりやすいです。また、細かいタスクの管理をリーダーがやるとどうしても管理コストが増大します。チケットを各担当者に引き継いでいけるチケット管理システムであれば、常に誰がチケットを持っているか把握でき、チケットをワークフローに従って流していけるため管理コストを下げることができます。

    タスク管理がうまくいかないときは?

    タスク管理をしよう!と実践してみても、なかなかうまくいかないこともあるものです。そんなとき、どうしたらいいのでしょうか?

    気持ちを切り替える

    タスクが終わらない・・・となったら、まずは「終わらない事実」だけを受け止めましょう。気持ちをしっかり切り替えた上で、進捗が遅れてしまったタスクや、計画からあぶれてしまったタスクはきちんと計画を立て直しましょう。

    大問題に陥る前に手を打つ

    タスクの進捗が遅れている=無理なスケジュールになっている可能性があります。そこであらためて収集〜レビューまでを実践し、問題になる前に対処しましょう。

    • 1:自分の持ち時間を把握する
    • 2:生産性を意識した計画(見積もり)を立てる
    • 3:相談する

    タスク管理をきちんと実践すれば自分の持ち時間を把握でき、無理のない計画を立てられます。そのため「できる」「できない」の正しいジャッジをくだせるようになります。

    計画をスケジュールに落とし込んだ段階で、タスクを締切日までに終えることができないとわかった場合は、「質を落とす」「費用を上げる」「締切を延ばす」かどうかについて上司(またはチームのメンバー)に相談しましょう。持ち時間を把握した上で相談すれば、自分の身を守るだけではなく、自分がボトルネックになってチームに迷惑をかけることを防げます。

    <例>

    この仕事をやるとなると、◯時間かかると考えています。◯月◯日までに仕上げることができません。

    • もし可能であれば、担当は〇〇さん(あるいは他のチーム)にお願いすることはできないでしょうか?
    • もし可能であれば、この仕事を8割程度まで完成させる仕上がりで進めさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?その後、引き継いでもらえますと助かります。

    進捗が遅れているときやミスをしたとき、伝えることが大事

    チームでやるタスク管理は、共有(シェア)することが重要です。もし自分のタスクの進捗が遅れだしたりミスをしてしまったときは、問題になる前になるべく早く交渉しましょう。「できない」と伝えられることも才能です。上司やチームに相談し、解決方法を探りましょう。

    北さん「チームで動くときには、率直に『遅れています』と言うことが大切です。早めにアラームを挙げれば周りがリカバリーするなど、早めに対処することが可能となりますので」

    お話を伺った人

    北真也さん

    ブログ「Hacks for Creative Life!」を運営。アシタノレシピ東京ライフハック研究会を主宰。『シゴタノ!手帳術』『新時代のワークスタイル クラウド「超」活用術』など著書多数。「物事を進めるとき、次に何をしようかといちいち考えていると作業効率が凄く悪いですよね。ライフハックというのは、この考える余地を潰していく工夫・改良を重ねることで、物事の流れを良くすることなんですよ」と北さん。

    (写真提供:北真也)
    (ライター:小松崎拓郎)

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