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もしかして詐欺?弁護士が教えるネットオークションのトラブル対処法

ヤフオク、楽天オークションなどのネットオークションは利用しますか?

スマートフォン等を利用したオークションアプリ等の普及に伴って、現在は多数の方がネットオークションを利用するようになりました。

しかしながら、ネットオークションの利用によるトラブルは後を絶ちません。国民生活センターによると、ネットオークショントラブルに関する相談件数は年間7000件以上にのぼるとのことです。この相談件数は、いわば被害の氷山の一角ですから、ネットオークション取引で被害を受けた方はまだまだたくさんいると予想されます。

今回はネットオークションを利用して、トラブルに遭遇したときにどのような対応ができるのかご紹介します。

本記事は、2015年7月の情報をもとに執筆されたものです。

商品が届かない!商品が欠陥品!【落札者のトラブル】

「ネットオークションでほしい商品が落札できた!しかしいつまで経っても商品が到着しない!」という場合や、「届いた商品が壊れてる!違うものが届いた!」という落札者が受けるオークショントラブルの場合、どのような対応をすることができるのでしょうか。

まずは出品者に連絡

商品が届かない場合であっても、必ずしも詐欺とは限りません。なので、まずは出品者に連絡を試みましょう。商品の内容や郵送方法によっては到着まで時間がかかることが考えられます。まずは、落札した商品がどうなっているのか確認しましょう。

また、明らかな欠陥品や違う商品が届いた場合は、間違って送ってしまったことも考えられます。場合によっては取り消すことも視野に入りますので、出品者に確認をしてみましょう。

「内容証明郵便」を送る準備をしよう

出品者に連絡がとれない、しっかり対応してくれないといった場合は詐欺の可能性が高いです。相手方が特定できるのであれば、正当な商品を送ってもらうか、代金を返還してもらうよう要求しましょう。

住所が特定できるのであれば、まずは、その住所宛てに履行を求める「内容証明郵便」を送ることが視野に入ります。

「内容証明郵便」とは、どんな内容の郵便文書が誰から誰宛てに差し出されたかということを日本郵便が記録してくれる郵便のことです。内容証明は、今どこに郵便物があるのかを追跡できる「追跡サービス」もありますので、「実際に相手が受け取ったかどうか」などもこれによって知ることができます。

ネットオークションのトラブルの場合は、出品者に対して「書面到着後1週間以内に商品を配送するよう請求いたします。」などと履行を請求したり、「注文した商品と内容が異なりますので、契約を解除します。代金相当額を返金してください。」などと請求する「内容証明郵便」を発送することとなります。

「内容証明郵便」については、書き方も難しいと思いますので、弁護士などの法的トラブルの専門家に内容証明郵便の書き方のアドバイスを求めたり、実際に書いてもらうことも視野に入ります。

一方、こういった詐欺トラブルの場合は、「相手方の住所がわからない」「地図アプリで検索したら実在しない住所だった」という場合も多いと思います。そのような場合は内容証明自体を送ることが難しいので、法的トラブルの専門家に相談することをおすすめします。

詐欺かな?と思ったら法律の専門家に相談したうえで、「内容証明郵便」を書こう!

「内容証明郵便」は、形式に細かな定めがあります。以下の点に注意が必要です。

  • 受取人(相手)の住所、氏名
  • 差出人(自分)の住所、氏名、押印
  • 発信日
  • 請求内容等を記載した本文

を記載します。

用紙の大きさ、筆記用具にとくに決まりはありませんので、市販の内容証明用紙以外の用紙でもワープロ打ちでもかまいません。しかし、字数と行数に制限があり、一文字でもオーバーしてしまうと受け取ってもらえませんので注意が必要です。

内容証明郵便はワープロ打ちでも大丈夫。
字数と行数に制限があり、一文字でもオーバーしてしまうと受け取ってもらえない。

郵便局に持参するのは、「内容証明郵便」の文書1通と、同じ様式の謄本2通の合計3通の書面です。手書きで記載した場合は、そのコピーを2部とって押印することとなりますが、ワープロ打ちで作成した場合は同じ様式を3通持参することとなります。

差出人及び受取人の住所氏名を記載した封筒も持参しましょう。内容証明は、加算料金が430円(2枚目以降は260円)と一般書留代金、配達証明をつける場合や速達にする場合はその分の郵便料金が必要となります。

内容証明郵便の決まりについては、こちらのページが参考になります。
内容証明の謄本の作成方法等を教えてください/郵便局

被害届けを出そう!

「内容証明郵便」を送ることと同時に、警察に被害届けを出すことも考えましょう。

このようなトラブルでは、相手方を特定することが難しい場合があります。そのため、「内容証明郵便」を送付してもそのまま戻ってきてしまう場合や、なんら反応がないという場合も多いと思われます。そのような場合は警察に被害届けを出し、相手が仮に詐欺の常習犯であったような場合は警察が捜査に乗り出しば突破口が開かれることもありえます。

具体的にはこのような情報をまとめて、お近くの警察署に被害届を出すことができます。

  • 対象となった自分のオークションID
  • 相手方のYahoo! JAPAN ID、楽天オークションIDなど
  • 送金先の銀行名、口座番号、あて先(商品送付の場合には送付先住所、あて名)
  • 送金(または商品の送付)を証明する書類の写し
  • 相手とのメールの交換記録(メールの記録は、ヘッダー情報を全部表示して印刷する)
  • 具体的な状況を説明するメモ
連絡なし!内容証明の反応なし!などの事実を集め、早めに警察に被害届を出そう!

入金がない!ネットオークショントラブル【出品者のトラブル】

「落札者の都合を考えて入金期限を発送後にしたが、いつまでたっても入金がない!」「一部入金があったので落札者に発送したが、全額入金がされない」といった出品者が受けるオークショントラブルに対して出品者はどのような対応をすればよいのでしょうか。

まずは、落札者に連絡を取る

落札者に対して連絡を試みましょう。十分な入金がされていないことを相手方に伝え、期限を定めて入金をするように連絡しましょう。うっかり入金し忘れたというケースも少なくないでしょうから、「訴えますよ」という体裁よりは、「お支払いが遅れているようですが」という連絡の仕方がまずはよいでしょう。

「内容証明郵便」を送ろう

落札者に連絡をとっても反応がなかったり、まともな対応をしてもらえない場合は、「もらい逃げ」をするつもりであったり、詐欺の可能性もありえます。相手に代金を請求する「内容証明郵便」を送りましょう。

出品者側の場合でも「内容証明郵便」を送ることで、落札者に「法的な書面が届いた」というインパクトを与えることができますので、任意の履行が望めるかもしれません。

落札者から入金がない場合も内容証明郵便を送ることが有効であることを覚えておこう!

少額訴訟を起こす準備をしよう

商品を送ったのにもかかわらず、落札者からいつまでも入金がない場合は「少額訴訟」を起こすことが視野に入ります。「内容証明郵便」を送ったにもかかわらず、入金する様子がなかった場合などに訴訟提起を起こすことが効果的であると思われます。

少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払いを求める裁判の場合に、原則として一回だけの裁判の審理で判決が出し、短期間で解決をすることができる裁判のことです。通常の裁判のように、半年~1年と時間がかからないメリットがあります。訴額10万円までの印紙代も1000円と、費用も安くて済みます。

少額訴訟を提起するためには簡易裁判所での審理が妥当という判断がなければなりません。簡易裁判所とは地方裁判所や高等裁判所とは異なり、日常生活で発生する比較的軽微な民事訴訟を扱う裁判所のことです。簡易裁判所で、少額訴訟を起こすことが認められれば半月ほどで裁判の期日が開かれます。期日当日に、話し合いによる和解が成立しない場合は、原則としてその当日に判決を下してもらえます。

少額訴訟は安価でスピード解決!被害額が少なくても裁判所が対応してくれる便利な制度です。

少額訴訟の注意点を知ろう

少額訴訟を提起する際、以下の注意点があります。

  • 相手方の住所がわからなくては提起できない

通常の訴訟では、相手の住所が不明な場合に「公示送達」という方法によって裁判を起こすことができます。少額訴訟は相手方と協力し簡易な裁判を行うため「公示通達」が使えず、相手の住所が分からないと裁判を起こすことができません。

  • 他の裁判所に控訴することができない

判決に納得が行かなくても高等裁判所等の他の裁判所に控訴することはできません。あくまで、少額訴訟を申し立てた簡易裁判所に不服を申し立てることしかできません。しかし「異議申し立て」という手続きで通常裁判に移ることはできます。

  • 金銭を請求する裁判でなくてはならない

落札者にお金を請求するものでなくてはいけません。相手方に商品を引き渡すことを求める裁判ではこの少額訴訟を利用することができません。

  • 場合によっては長引くことも

相手方の異議があった場合や裁判所が通常裁判で扱うべき事件だと判断した場合は、少額訴訟をとりやめ、通常訴訟に移行し、相当長い審理となることもあります。

被害届を出そう

いつまでも入金がない場合、詐欺の可能性があるので警察に被害届を出すことも考えましょう。とくに相手方の住所や連絡先がわからなかったり、変更されてしまったりした場合には、「内容証明郵便」の送付、少額訴訟の提起ができないため、被害届を出すことが頼みの綱になります。

オークショントラブルに気をつけよう

ネットオークションはほしい商品を手軽に安く買うことができたり、もう手に入らない絶版の商品を手に入れられたりする魅力的なサービスです。しかし、常に取引相手が善意あるいい人とは限りませんし、これだけ大きな市場となったからこそ、詐欺師は常にターゲットを狙っています。なにかトラブルが起きたときを想定して情報や知識を収集しておくよう、日頃から気をつけるようにしておきたいです。

また、一番現実的な被害回復方法としては、オークション運営会社によっては設けられている場合がある「保険制度」が挙げられます。「詐欺被害にあった」「入金がなされなかった」等のトラブルに対して、オークション会社が被害金をポイントに替えて補償してくれるなどというサービスです。ただ、様々な要件があり、少なくとも「内容証明を送ったのに音沙汰がない」というように、自身で手段を講じても被害が回復されないことが前提となりうるので、オークショントラブルに対する対応策はしっかり知っておきたいです。

また、オークション運営会社のHPでは、トラブル護身術の紹介や、トラブルが起きた出品者へのお見舞ポイント制度の解説ページも設けています。このような情報にも目を向けておくことが大切ですね。

記事監修

アディーレ法律事務所・篠田恵里香先生:東京弁護士会所属。東京を拠点に活動。債務整理をはじめ、男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。離婚等に関する豊富な知識を持つことを証明する夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。多数のメディア番組に出演中。

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