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一瞬の出会いを次に繋げる、ホストの最強顧客管理術

今年も本格的な夏が到来しました!お祭り、花火大会、野外フェス、夏休み…押し寄せるイベントの数々に新たな出会いを期待している人も多いはず。

ただ、出会った勢いで連絡先を交換したものの、その後なかなか関係を発展させることができない。次に会う約束をうまくとりつけることができず、気づいたらフェードアウト…。なんてことはありませんか?

せっかくの出会いをそのまま無駄に終わらせてしまってはもったいない!その中には、もしかしたら運命の出会いが紛れ込んでいるかもしれません。できることなら、夏が終わっても続くような関係を作りたいですよね。では、どのようにすれば一つの出会いを継続的な関係にまで発展させることができるのでしょうか。

そんな時は、コミュニケーションのプロに聞くのが一番!今回は、歌舞伎町のホストクラブ「APiTS」のプロデューサーを務める人気ベテランホスト・大和さんに、初めて来店されたお客様とどのようにして関係性を築いていくのか、ホストの顧客管理術についてお話をうかがってきました。

最近では、ホスト一人一人のみならず、企業としてこの「顧客管理」について力を入れているという大和さん。個人対個人の人間関係はもちろん、接客業を中心としたビジネスシーンでも使えるテクニックが満載です。

本記事は、2015年8月の取材情報をもとに執筆されたものです。

STEP1:モードを見極める

何事も初めが肝心とよくいいますが、出会いという経験が楽しくなければ次のステップに進むことはできません。そう、出会ったときから既に勝負は始まっているのです。

勝負は出会いから始まっている!まずは相手を観察する

初めて会った相手と会話をする際には最低限相手の情報を手に入れたいもの。「名前は?」「いくつ?」「仕事は何やってるの?」立て続けに質問したい気持ちはわかりますが、ちょっと待って!

大和さん曰く、名前・年齢・職業といった肩書き情報にはあまり意味はないのだそうです。逆にその肩書きに縛られて、自分の中で勝手にイメージ像を貼り付けてしまうと、大事な情報を逃してしまうことにもなりかねないので注意が必要です。

大和さん「初めてのお客様に年齢職業を聞くのは禁止にしています。初対面で大事なのは、今その人がどんなモードなのかを見極めること。『お酒は何になさいますか?』などの何気ない質問から、ムシャクシャしててパーッと飲みたいのかな、彼氏と別れて寂しいのかな、など相手のモードを探って、今日の会話の雰囲気を決めていきます

なるほど。相手に合ったアプローチをするためにも、まずはその人の今日の気分を確かめるということなんですね。

大和さん「どんな内容の会話をするかというよりも、まずは心地よさを感じてもらうことが大事ですね。その後につなげるためには、モードにあった雰囲気を作れるかどうかが最初のポイントです。その為には少ない会話から読み取る声色や、表情を良く観察しなければいけません」

観察するというと聞こえは悪いかもしれませんが、言い換えるとそれは「相手に興味を持つ」ということです。そうすると自然に、この人はどういう人なんだろう・今の気分はどうなんだろう・何を望んでるんだろう…など、相手をもっと知りたくなりますよね。それが何より大切。

相手のモード=その日の気分を探るべし

相手のモードを見極める

自分がどれだけ相手に興味を持ったとしても、相手が自分に興味を持つとは限りません。観察で得た情報から相手のモードを見極め、相手がどんな会話を求めているのかを探っていきましょう。

大和さん「いくら自分が話し上手だとアピールしても、静かに話を聞いてもらいたい気分の子には意味がないですよね。相手がどんなモードで何を望んでいるのかを考えることが必要です」
自分をアピールする前に、それが相手のモードに沿っているのかどうかを見極めよ!

次の約束につながる糸口を探す

スムーズな会話ができるようになったら、情報収集のターンです。相手がどこに住んでいるか、何の職業か、どういう食べ物やお酒が好きか、いつ時間があるのかなど、次の約束を取り付けるための鍵を探します。

大和さん「直接的な質問をしないで、どれだけ情報収集が出来るかがポイントです。そして先入観を持たないことも大事。初対面で相手がどんな価値観の人なのか決めつけてしまうことは、とても危険です」

ここで、どれだけ糸口を作っておけるかによって、この後のやり取りに大きな差が出てきます。どんな小さなことでもよいので相手に関することは全てチェックしておく意識をもちましょう。

ここでの情報収集が後に大きな武器になると心得よ!

STEP2:価値観を見極める

相手の連絡先をGETしたら、その日の第一段階はクリア。相手と別れたら、まずは得られた情報を整理してアプローチ方法を見直し、その日のうちに必ずアフターフォローを入れましょう。

相手の情報はすぐにメモして整理する

「お客様をお見送りした後は、なるべく早くその日の会話で得た情報をケータイの画面メモに残します」と大和さん。

内容を忘れないためというのはもちろんですが、メールを送る前に文字にして情報を整理しておくことで、メールの文面にも深みが出るんだそうです。具体的にはどのような項目を記録しているのでしょうか。

大和さん「相手の外見の特徴や印象に残っている会話内容、それと次に会ったときに、違う服装・違う雰囲気でいたいっていうのもあって自分の服装も一応入れていますね。あとは小さな約束を忘れずに入れておくというのはポイントかもしれません」

例えば、会話のなかで相手の好きなTV番組の話がでてきたときに「じゃあ今度見てみるね」といった約束をしておきます。そして、後から「あの番組見たよ!」などと話題に出す。そうすることで、相手にとっては「自分の話をちゃんと聞いててくれた、自分に興味をもってくれていた」と些細なことが好印象につながるのだそうです。

大和さん「こういった些細なキーワードをちりばめておくことが、次の連絡につながったり、相手との話を広げていくきっかけにもなります」

そして、その後連絡を重ねるごとに増えた情報は、随時この画面メモに追加していきます。これを習慣にしておくと、街中で偶然見つけたものなども「あっそういえばコレ好きって言ってたな」などと反応できるくらい、自然と相手の情報が自分の中に落とし込めるようになるんだとか。

相手の情報は、些細なことでもメモする習慣をつけることが大切!

得られた情報から相手を分析する

大和さんの在籍するお店では、初めて来店されたお客様には、2時間でのべ8人のホストが入れ替わりで接客していくそうです。そして退店する際には、その中から一番気に入ったホストを指名して、店の外までお見送りしてもらえる「送り指名」というシステムがあります。

基本的には送り指名されたホストがお客様とやり取りすることになりますが、まずはお店のスタッフと共に、接客中に得られた情報や、指名されたホストのタイプなどからお客様のモードと価値観を分析して、30種類程度のセグメント(属性区分)に分類するのだそうです。そして、そのセグメントに合わせた方向でアプローチをかけていくんだとか。

大和さん「接客中にはワイワイ盛り上がって楽しそうにしていたお客様が、意外にも落ち着いた大人なホストを送り指名にすることもある。そうした時に初めて、今日のモードと本質的価値観の違いに気づくこともありますね」

会話している最中には気が付かなくても、情報を整理して改めて客観的に分析することにより、最初に感じてた印象と全然違った一面が見えてくることがあります。

出会った時のモードやテンションで、その後LINEやメールでアプローチをかけたくなる気持ちもわかります。ですが、一旦冷静になっていま一度、相手の本質を知ろうとする努力を怠ってはいけません。

大和さん「セグメントするというと、なんだかシステマチックに聞こえてしまうかもしれませんが…中には「俺って○○なので!」と相手のモードや価値観に関係なく、とにかく自分をアピールばかりしてしまう若手のホストもいるんです。その時には大まかな方向性の指示はするようにしています」
一度冷静になってはじめて見えてくるものがあるはず!

その日のうちに必ず1通メールを送る

相手の情報をある程度整理して分析できたら、その日のうちに必ずメールを送りましょう。まだ相手の中に自分がいるうちに印象付けておくことが大切です。

気を付けたいのは、決してここでがっついてはいけないということ。その日得られた情報を織り交ぜつつ、「今日は楽しかった、ありがとう」という気持ちをさらっと1通送っておくくらいのイメージがちょうどよいのです。

相手の熱が冷めやらないうちに軽くアピール。ただし、あまりがっついてはいけません!

STEP3:価値観×モードの重要性

相手のモードと価値観を分析して、アプローチの方向性も決めた。じゃあ次はいよいよアタックかと思いきや、初対面で得たモードと価値観で確定するのはまだまだ早い!出会いから次に会うまでの期間は、自分をアピールするための期間ではなく、あくまで相手を徹底的にリサーチするための期間なのです。

連絡は基本的に毎日送る

連絡先を交換したはいいものの、難しいのは連絡の頻度。多すぎるとウザがられそうだし、少なすぎても不安…どれくらいのペースで連絡を取り合うのがよいのでしょうか。

大和さん「基本的には、軽い内容のメールを日々送るようにしています。そして相手のペースをみながら、だんだんとそれに合わせていく感じですね」
はじめのうちは毎日連絡。ただし、重いのはNG!

アピールではなく、あくまでリサーチ

出会ってから次に会うまでの期間=相手をリサーチするための期間だと考えましょう。そのため、メールの内容も、相手がどういう生活をしていて何を求めているのか、それを探るのがメインになってくるそうです。

基本的に得られる情報は全部得るにこしたことはありませんが、まずは起きる時間・寝る時間・仕事の時間とか基本的な生活サイクルはおさえておきたいと大和さんは言います。ただし、あからさまにリサーチしてる空気を出さずに、さりげなく会話の中で探るのがポイント。

大和さん「相手から返信があったタイミングで、『あっ今仕事終わったんだ?』といった感じで自然に投げかけて話を広げていくのがコツですね。あと、相手の生活サイクルをリサーチする裏ワザとしては、海外旅行事情について尋ねてみるのも効果的です」

どれくらいの頻度や期間で、どんな国に旅行しているのかを聞けば、相手の仕事と休みのサイクル、趣味嗜好が自然と見えてくるんだそうです。そこから会話を広げていけたら、さらにGOOD。

大和さん「あとは、定番ですけど、趣味も覚えておきたいですね。映画とか食事とか自分が共有できるような趣味だったりすると、次に会うきっかけを作れたりもしますし。次に会ったときにどう楽しませようかっていう武器にもなります」

自分をアピールして、気に入られたい気持ちもよくわかります。ですが、まだ相手の情報を探りきれていない段階では、ただの無駄打ちになってしまう可能性が大!昔から言いますよね「聞き上手はモテる」。ここではぐっとこらえて我慢が必要です。

次に会うまでは、相手のリサーチ期間だと考える。モード×価値観が捉えられたら、ピンポイントでアプローチもあり!

とはいえ、時には潔く諦めることも必要

いくら自分が相手に興味を持っていたとしても、これ以上全く発展する見込みがない場合は潔く諦めて、次の出会いを探しましょう。また会える見込みがないのにダラダラと連絡を取り続けていくのは、自分にとっても相手にとっても時間と労力の無駄になってしまいます。

大和さん「また会いたいと思ってくれているかどうかは、会話の中からなんとなくわかりますよね。可能性がない人の場合は、様子を見ながら徐々に連絡も減らしていきます」

また、「一ヵ月以内に会おうとする流れにならなかったら諦める」など、はじめから自分の中で目安となるピリオドを決めておくのも一つの手です。

STEP4:継続的な関係を作るためには

相手のこともだんだんとわかってきて、次に会う約束も取り付けた。次は、いかにして継続的な関係になるまで高めていけるかが問題になってきます。

偶然の出会いを運命の出会いに

せっかくの出会いをそこで終わらせず継続的な関係を築くためには、相手に「また会いたい」と思ってもらうことが必要。とはいえ、これが難しい…。大和さんによると、「偶然の出会い」から「運命の出会い」へと昇華させることが一つのポイントなんだそうです。

大和さん「徹底的に同じ趣味や共通の話題を探り、そこから話を拡げていきます。モードを読んで、初対面である程度好印象を与えておいて、同じ趣味を共有できる相手だとわかっていけば、自然と偶然の出会いから楽しい出会いに変わるはずです」

また、「初対面で大きく印象を残せなくとも、出会いの意味は後から書き換えていくことも可能」だと大和さんは言います。連絡の中で未来への想像が拡がれば、ワクワクする出会いに昇華して、のちに運命の出会いと位置づけられる可能性は高くなるんだとか。

大和さん「あとは、初めて会った何気ない日が自分にとって特別な日だったというストーリーを後付けすることも可能です。例えば僕にとって○○っていう大事な日だったんだとか・・・基本ホストは、なんでもない日に彩りを付ける仕事なんです。サラダ記念日的な感じですね」
ポイントは、+αのスパイスで偶然の出会いを運命的な出会いに昇華させること!

時々は情報の棚卸が必要

相手のモード×価値観を探るためには、まずはきちんと相手のことを知って理解することが大前提。一番避けたいのは、気づいたら相手のことを理解している「つもり」になっていただけだった…ということです。

大和さん「実はホストの中にも、こういった勘違いに陥ってしまう子もいるんです。そのようなことを防ぐために、僕らはお客さまカルテといったツールを使用しています」

この「お客様カルテ」とは、出身地、性格、好きなものといった基本情報から、ズバリ相手が求めているものまで30項目以上のお客様情報を書き込む欄や、そこからわかる本質的価値観、モードの浮き沈みなどがわかるシートのこと。ここに、自分のなかにある情報をアウトプットして埋めていくことで、自分が今どれだけ相手のことを知っているのかがわかるという仕組みになっているそうです。

付き合いが長くなればなるほど、相手のことをわかったつもりになってしまいがちです。時々、相手の情報の棚卸しをすることによって、いままで見えなかった新たな発見があるかもしれません。

知っているつもりにならないためにも、時々情報の棚卸しが必要!

長く関係を続けていくために

相手と長く関係を継続させるためには、お互い対等な関係であること''が重要です。2人の間に温度差がある場合、相手を無理矢理つなぎとめようとしたり、どちらかが相手に依存するような形では、いつか息切れを起こしてしまいます。あくまで自然にそのような関係になれるのが理想的。

「信頼関係ができているお客様とホストは鏡のようなものなんです」と大和さん。

自分がしっかりしてれば、相手もしっかりしてきたり。逆に相手がしっかりしているから自分もしっかりしないとって思ったり。互いに刺激しあえる関係性が生まれてくると、自然と相手と対等な関係になることができるんだそうです。

大和さん「サービスする側とされる側といったものではなくて、あくまで人と人の対等な関係になれるかどうか。そしてお互い成長できるかどうかというのが一番理想的な形なんではないかと思います」
最終的には、お互いに対等で刺激しあえるような関係まで持っていけるのが理想

一つ一つの出会いを大切に!

ホストクラブ・ホストに対して「お客様に疑似恋愛をさせてつなぎとめているんでしょ?」といったイメージを持っていた方も少なくないと思います。

しかし、実際にホストが行っている顧客管理術のベースは、真摯に相手と向き合って相手のことを知ろうとし、相手のニーズに応え、最終的にはお互い対等な関係性を作る、といったすごくシンプルなもの。これって実は、恋愛・ビジネス問わず、どのような人間関係を形成するうえでも共通するものなのではないでしょうか。

人間が一生に出逢える人の数というのは限られています。一つ一つの出逢いを無駄にしないためにも、是非これらのメソッドを参考にしてみてくださいね。

お話を聞いたのはこの人!

大和さん

Smappa!Group club APiTS プロデューサー。

富山県出身。人の悪口を言わず、芯を持った兄貴的存在で、仲間からの信頼も厚い。ホスト歴10年で現在は顧客管理術、若手の教育に力を注いでいる。

(image by nanapi編集部)
(ライター:野口飛鳥)

このライフレシピを書いた人
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