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独女必読!お金のプロに聞いた、30代からの女のマネープラン

「この先、ひとりで生きていくかもなぁ…」そう考えたことはありませんか?

「仕事のほうが大事」「ずっと彼氏もいないし」「結婚できても、離婚することだってあるよね」きっかけは様々ですが、結婚しないという選択肢をとるのは、今や珍しいことではありません。

そこで今回は、株式会社FPバンク代表・ファイナンシャルプランナーの久保田正広先生(以下、久保田先生)に、30代独女のマネープランについて、お話を伺ってきました!

プロの視点ならではの、知っておいて損はないマネープランの考えかたをお届けします!

本レシピは2015年に執筆されたものです。現在の状況と差異がある可能性があります。最新の情報をお知りになりたい場合は厚生労働省など、関係のサイトをご覧ください。

結婚してもしなくても、住まいと老後は必要

「人生の三大資金」という言葉を聞いたことがありますか?人生のうちに起こりうる出来事の中で、かかるお金の額が大きい「住宅資金」・「教育資金」・「老後資金」を「人生の三大資金」と呼びます。

このうち、結婚と未婚のどちらにも共通している資金は住宅資金と老後資金。まずはこの二つにスポットをあてて、考えてみましょう。

住宅資金

住宅というと、「賃貸か購入か」が大きな問題としてありますよね。不動産業者はもちろん、購入を勧めてきますが、本当のところはどうなのでしょう?

久保田先生「購入の場合、ローンを払い終われば自分のものになりますよね。しかし、その後のリフォームや固定資産税などの維持費を考えると、結果的に出ていくお金は賃貸とあまり差がないことになる、というのがこれまでの共通認識でした」

住まいもメンテナンスが必要です。家賃をずっと払い続ける代わりに、修繕費や税金などを払わなくてはなりません。

しかし、最近ではこの認識は崩れ始めているのだそう。その理由とは…。

久保田先生「異常ともいえる低金利と、地価の低下が影響しています。金利も土地の値段も低いなら、思い切って購入されたほうがよいでしょう」

住宅ローンには、金利に応じて返済額が変わる「変動金利型」と、払い終わるまで金利が変わらない「固定金利型」の二つのタイプがあります。

変動金利型では、景気が良くなって金利が上がれば返済額にも影響します。1%上がるだけで、総返済額は百万円単位で変わります。一方、固定金利型で組むのであれば、金利の低いときがねらい目。

地価や不動産の値段は東京都心に限って言えば、アベノミクスや東京オリンピックに関わる開発の影響などで、少しずつ上向き傾向にあるようです。しかし、全国的に見ればまだ高い値ではありません。久保田先生によれば、40年前の土地の値段とだいたい同じくらいなのだそう。

今のうちに、住宅購入を検討してみてはいかがでしょうか。

また、すぐに結婚の予定がなくても、いつご縁があるかはわかりません。結婚が決まって二人で賃貸に住むことになっても、損をしない物件とはどのようなものなのでしょう。

久保田先生「結婚すると、持っていた一人用の住宅を売却や賃貸に出すこともあります。そのような状況に備えて、売っても値下がりしない、貸せば家賃がちゃんと入るような物件を選んでおくといいですよ」

少しでも売却・賃貸に出す心づもりがあるなら、新築物件は避けましょう。久保田先生いわく「新築は、買った瞬間に価格が2割下落する」のだとか…。

老後

続いて、避けて通れないのが老後のお金の話です。2014年に発表された調査結果では、女性の平均寿命は86.61歳。このままのペースでいくと、30代のあなたからすれば、単純に計算して残り50年以上の人生が待っています。

では、老後に必要な資金はどのように考えていけばよいのでしょうか。

まずは夫婦二人暮らしの家庭を見てみましょう。夫・妻ともに35歳で、65歳の定年まで働くこととします。ここでは夫が定年を迎えた65歳から、男性の平均寿命である80歳になるまでの15年間を対象とします。

平成25年度に発表された、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によれば、ゆとりある老後を過ごすには平均で月に35.4万円が必要という結果が出ています。世帯年収によっても額は変わりますが、いったんこの35.4万円を月々の生活費として計算します。

35.4万円×12か月(1年)×15年=63,720,000円

なんと6,372万円という数字に。しかし、その金額ぴったりを自力で貯める必要はありません。ここから年金のぶんを引き算すると、だいたい3,000万円前後になる家庭が多いです。

久保田先生「正社員・自営業や年収、持ち家かそうでないかなどによって金額は増減しますが、夫婦二人なら貯蓄額は3,000万円を目指すのがよいでしょう」

なお一人暮らしの場合に必要な貯蓄額は、2,000万円程度。3,000万円の半額にならないのは、おひとりさまでもある程度の必要経費がかかるから。例えば、冷蔵庫を半分こにはできませんし、スーパーに行っても食材はまとめ買いしたほうが安上がり、といった状況があります。

さて、今の貯蓄額と定年退職の年齢を考えれば、あとどれくらい貯金を頑張ればいいのかが自ずと見えてきますね。収支がマイナスになっている人は、まずは黒字化を目指しましょう。収支がプラスの人は、その中からどれだけ貯金に回せるか計画を立ててみましょう。

「収支」とは、収入から支出を差し引いたぶんのお金のこと。言い換えれば、1年間にできる貯蓄可能額です。

「最低限度の金額」と「ゆとりある金額」は違います。ただ生活をするだけならもっと低い貯蓄額でもやっていけますが…リタイア後の長い年月、趣味を楽しんだり、ゆっくり旅行に行ったりしたいなら、万全の備えが不可欠です。月々の積み立てでも、ボーナスで一気に貯めても、自分に合っている方法がベストです。

退職金には、会社の規模・景気の先行き・急な異動や制度の変更など、不確定な要素が多いことをお忘れなく。「もらえたらラッキー」ぐらいの気持ちでいたほうがリスクは低くて済みます。

ちなみに、教育資金は?

結婚して子どもを授かった場合、教育資金が必要になりますよね。そのぶんのお金は、独身時代からあらかじめ貯金しなくてよいのでしょうか?

久保田先生「教育資金は世帯収入をみながら決めていきましょう。ちなみに、子ども一人当たりの養育費は1,500万円ほどと言われています」

住宅や老後のお金ほど根気よく貯める必要はなさそうです。考えてみれば、子どもを育てるのは世帯収入があるうちですし、一度に1,500万円を払うわけではありません。

しかし決して安い金額ではないので、「大家族が憧れだったから」という安易な理由で子だくさんになると生活を圧迫する、ということは肝に銘じておきましょう。

「ためる・ふやす」をどう考える?

久保田先生によれば、銀行・運用(証券会社)・保険の3つに分けて「ためる・ふやす」を計画するのがよいのだそう。

それぞれの機関のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
銀行 お金の出し入れが自由にできる 金利が低いので、預けていても増えない
運用 うまくいけば額が増える、インフレ対策になる リスクがある
保険 金利が高く、知らず知らずのうちに貯められる 保障のぶんのコストがかかる、金利のぶんが100%入ってくるわけではない

それぞれについて細かく見ていきましょう。

銀行

銀行のメリットは、何といっても好きなときに好きな額を出し入れできること。レジャーや大きな買い物、または急な病気や事故があっても、銀行にある程度の額があればひとまずは安心です。

デメリットは、ほぼゼロともいえる金利。預金額や利用するサービスによっても変動しますが、どこの銀行を見ても「預けるだけでお金が増える」なんて夢のような時期があったとは思えないほどです。

運用(証券会社)

利点は、うまくすれば金額が増える可能性があるところ。また、インフレ対策にも一役買ってくれるのです。財産を現金ではなく、不動産や株式などで保有することによって、お金の価値が下がるインフレ状態になっても持ちこたえることができるというわけですね。

久保田先生「このご時世、財産のすべてを銀行だけに預けるのはあまりおすすめできません。まずは少額から、運用を始めてみてもいいと思います」

その反面、商品によっては元本割れする可能性も。リスクとうまく付き合うことが求められます。

保険

「保険でお金を貯めるの?」とびっくりされる方もいるかもしれませんが、学資保険や養老保険というワードなら耳にしたことがあるはず。一定期間、保険料を払えば保険期間が終了したときにまとまったお金をもらえるんです。

このような貯蓄型保険は比較的金利が高く、放っておけばお金が少しずつ貯まっていくシステムになっているのです。

久保田先生「銀行と違っていつでもおろせるわけではありませんから、『手元にあるとつい使ってしまう』という方には特におすすめです」

ただ、保障がついているのでその分のコストは保険料としてかかります。貯蓄型は掛け捨てよりも保険料が高めに設定されています。また、金利が高くてもプラスになった分をまるまるもらえるわけではないので、保険料や満期時にもらえる金額には注意が必要です。

独女がハマりがちな「医療保険」の落とし穴

独身女性がいちばん手にしがちな保険をご存知ですか?正解は「医療保険」。しかし、久保田先生によればこの医療保険こそ、もっとも損をしがちなのだそう。

治療費100万円…でも実際に払うのは?

例として、次のようなケースを考えてみましょう。

  • A子さん(35歳)
  • 65歳まで・掛け捨てで月4,000円の保険料を払う医療保険に加入
  • 年収は400万円
  • 初期のがんと診断され、1か月入院。
  • 治療費の総額は100万円になった。

「治療費100万円!そんな額ポンと出せないよ…」と焦る必要はありません。A子さんは70歳未満なので、自己負担額は3割、つまり30万円になります。

さらに、ここで「高額療養費制度」の登場です。簡単に説明すると、月のはじめから終わりまでに治療に関わる自己負担額が21,000円を超える場合、オーバーしたぶんの金額を支給する制度です。A子さんの負担額は21,000円を超えていますので、適用されますね。

ただし、無尽蔵にお金を支給してくれるはずもなく、上限額があります。A子さんの場合、「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」が上限額となります。

区分や制度の基礎知識など、詳しくはこちらをチェック!
高額療養費制度を利用される皆さまへ(厚生労働省)

果たしてA子さんが実際に払うお金はいくらになるのでしょうか?こちらの図をどうぞ。

赤い部分の87,430円が、A子さんが最終的に払う金額となります。100万円は無理でも、87,430円なら払えるかも…という方は多いのでは?

ほんとうは役に立たない医療保険の特徴

ここで視点を変えて、A子さんの加入している医療保険の保険料についても考えてみましょう。

月4,000円の保険料なら、特に生活の負担になることもなく、払い続けられそうですよね。保険期間は65歳までなのに対し、A子さんは現在35歳なので、残り30年支払う必要があります。

A子さんがこの保険に払うお金の総額は、次の通り。

月4,000円×12か月(1年)×30年=4,000×12×30=1,440,000円

144万円という数字が出ました。さきほどの87,430円と天秤にかけてみてください。払えなくもない額にここまでガードを手厚くする必要が、本当にあるのでしょうか。

一番いいのは健康でいることですが、その場合は単純に144万円を失うことになります。保険料の月額ばかりに目がいって、かえって損をしていませんか?

また、「入院1泊につき1万円」などとうたった商品もよく目にしますが、久保田先生いわく入院日数はどんどん短くなっている傾向にあるので、もしもの際もあまりお金をもらえないのだそうです。

久保田先生「もちろん症状にもよりますが、乳がんの手術で『入院は2泊3日、あとは通院で治療をする』なんていうケースも珍しくありません。1泊1万円が払われる保険でも、日数が短ければほとんど役に立たないと言えますね」

仮に2泊3日だとしたら、もらえるお金は3万円。特約の状況などでも変わりますが、長い治療を考えるとあまりに心もとない金額です。

おすすめの保険のタイプ

とはいえ、がんにかかる人数は2人に1人とも言われている昨今。全く備えがない状態というのも不安です。保険に入るなら、どのようなものがいいのでしょう?

久保田先生「一番困るのは、働けなくなって収入が途絶えることです。30代女性なら、病気と診断されたら、その時点でまとまったお金がもらえる一時金タイプの保険。もしくは、掛け捨てではなくお金が戻ってくる貯蓄型の保険が良いでしょう」

ちなみに、保障内容は乳がん・子宮がんを手厚くカバーしてくれるものがベストとのこと。

高額療養費制度では、給付までに少なくとも3ヵ月はかかります。ただでさえ健康や仕事の不安があるときに、お金の心配までしたくないですよね。まずは、「なんとなく不安だから」と入っていた保険がないか、一度確認してみましょう。

目標を立てるには、まず正確な現状把握から

漠然と「貯金をしよう!」と思っても、なかなか続きません。まずは住宅・老後に必要な資金を算出した上で、自分の現状と目標金額までどれほどの差があるのかを計算してみましょう。運用や保険の見直しも検討しつつ、視野の広いプランを練っていくことです。

長生きするのはいいことですが、なんの蓄えもなく生活するのでは、人生の余暇を楽しめるはずがありません。この先高収入の男性とご縁があっても、「確実」「絶対」なんて保証はどこにもありません。

備えあれば憂いなし!マネープランを考えるなら、興味を持った今このときがベストタイミングなのです。

今回お話を伺ったのはこちら!

久保田 正広先生

ファイナンシャルプランナー。株式会社FPバンク代表。高校生・大学生の男の子を持つパパでもある。「お金と住まいの話は密接な関係にあるので、マネープランを考える上ではぜひ絡めて考えていきたいですね」と久保田先生。

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(image by nanapi編集部)

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