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弁護士に聞いてきた、「リベンジポルノ防止法」の基礎知識

動画や写真が簡単に撮影できる昨今、インターネット上に性交時の動画や裸の写真を流出して元交際相手にいやがらせをするリベンジポルノという行為があります。許せませんよね。それによってあたえられる精神的苦痛ははかりしれません。

このような事態を重く受け止めた国は、2014年11月に「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」、いわゆるリベンジポルノ防止法を成立させました。

元交際相手などからのこういった被害を防ぐ目的で成立したリベンジポルノ防止法。しかし、リベンジポルノ被害を受けているにもかかわらず、この法律を利用できず、相手を処罰することができないまま泣き寝入りする他なくなることもあるようです。

今回は、そんなリベンジポルノ防止法についてご紹介します。

本記事は、2015年8月の情報をもとに執筆されたものです。

まず知っておきたい!リベンジポルノ防止法の目的

リベンジポルノ防止法の目的は「私人の性的な画像、動画」の提供を防止することがその目的です。

これは被害者が特定されてしまう形で「性的な画像」「性的な動画」を勝手に配信するなど、撮影対象者の私生活の平穏を害する行為をやめさせようというものです。実際には、LINEで女性の性的な画像を拡散した男性が逮捕されました。

また、相手を判別することができる画像や動画であれば適用される可能性があるため、たとえ撮影対象者の顔が隠れていたり、モザイクがかかっていたとしても、撮影対象者本人を判別できるタトゥーや背景があれば適用される余地があり、非常に定義が広いといわれます。

被害者が特定できる情報がある画像や動画にはリベンジポルノ防止法が適用される。

どんな人を処罰するの?

リベンジポルノ防止法の処罰対象は2種類あります。

  • 1 公表罪:「私事性的画像記録」「私事性的画像記録物」を不特定多数の者に提供した人
  • 2 公表目的提供罪:「1」の行為をさせるために、「私事性的画像記録」「私事性的画像記録物」を提供した人

「1」の「私事性的画像記録」「私事性的画像記録物」を不特定多数の者に提供した人とは、元交際相手など性的な画像(裸の写真など)、動画を配信した人です。

また、「2」の「1」の行為をさせるために、「私事性的画像記録」「私事性的画像記録物」を提供した人とは、元交際相手などの「性的な画像、動画」を嫌がらせ目的などで公開したいと思っている人や、SNS等で拡散・公表させる目的で性的な画像や動画を提供した人をいい、特定の少数者に対する提供も含みます。

リベンジポルノ防止法の処罰対象は2種類、「私人の性的な画像、動画を配信した人」と「それを実現させるために協力した人や拡散・公表目的で提供した人」

処罰は?

処罰対象によって2種類あります。

  • 1「私事性的画像記録」「私事性的画像記録物」を不特定多数の者に提供した人:3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
  • 2 「1」の行為をさせるために性的な情報物を提供した人:1年以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。

また、これらは被害者が警察に刑事告訴しない限りは処罰されません。そのため、被害を受けた場合は検察官か司法警察員警察に書面か口頭で告訴することが必要です。告訴状の提出を求められることが多いため、警察に告訴状を出して告訴するのが一般的でしょう

処罰は最高で懲役3年!

【注意】こんなときは守られない!?リベンジポルノ防止法の適用除外

リベンジポルノ防止法が成立しましたが、どんなときも法律が自分を守ってくれるというわけではありません。リベンジポルノ防止法には未だ問題もあり、他の犯罪の成立も難しいケースだと、処罰できないこともあります。

配信された後でなくては適用されない

私人の性的な画像、動画を「提供したもの」を処罰する法律であるため、配信される前にはこの法律を利用することはできません。たとえ元交際相手が性的な画像や動画を削除せず持っていたとしても、それらをネットなどに配信して初めて効果を発揮する法律であることを知っておきましょう。

撮影に同意すると適用されないかも

撮影時に、撮影者や撮影対象者が画像を提供した者以外の第三者が見ることに同意していた場合、リベンジポルノ防止法は適用されません。一度同意をしてしまうと取り返しがつかなくなることもありえます。

画像や動画以外は適用されない

リベンジポルノ防止法は「画像、動画」の提供者を処罰する法律なので、性交時の音声や性交時の内容を文書化したものなどには適用されません。

「画像、動画」以外の方法でリベンジポルノを行われた場合には利用できないことが問題です。

安易に撮影するのはやめよう!

元交際相手などへの嫌がらせ目的で行われる卑劣なリベンジポルノ行為。防止するためにあらゆる手段を考えなくてはならない問題ですが、決して他人事ではありません。まずは、画像や映像などを安易にとらせないことが何より大切です。万一撮影、録音されてしまったときは、データの複製や拡散を防止するため、すぐに削除させましょう。

また、リベンジポルノ加害者を処罰するためには被害者側が告訴状を出さなくてはいけません。告訴状を受理してもらうためには、犯罪事実を特定・立証するため、出来るだけの証拠を集めたり、適切に記載することが必要です。

でも、被害者が自身の性的な画像を集めて警察に持っていかなくてはならないことはあまりにも酷でしょう。精神的負担を減らし告訴状を円滑に受理してもらうために、弁護士や司法書士(検察官への告訴のみ)、行政書士(司法警察員への告訴のみ)を利用することができます。

被害にあったときは、リベンジポルノ防止法違反の犯罪になったり、削除依頼、損害賠償請求など他の対処法がある場合もありますので、早急に法律トラブルの専門家に相談することが大切です。

記事監修

アディーレ法律事務所・正木裕美先生:愛知県出身・愛知県弁護士会所属。男女トラブルをはじめ、ストーカー被害や薬物問題、ネット犯罪などの刑事事件、労働トラブルなどを得意分野として多く扱う。身内の医療過誤から弁護士の道へと進む。

(image by amanaimages 1 2 3)

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