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老舗味噌会社に聞く!名古屋めしを支える「八丁味噌」の基礎知識

名古屋の名物グルメといえば、味噌煮込みうどん、味噌カツなど、普通のお味噌よりも色の濃い、赤みそを使った料理が有名です。そんな赤味噌ですが、使われているものの多くは「八丁味噌」と呼ばれるもので、実はおとなりの岡崎市にルーツがあったんです!そこで、名古屋めしを支える八丁味噌の秘密について、老舗味噌メーカー・カクキューさんにお話を聞いてみました!八丁味噌を使ったアイディアレシピも要チェックです!

名古屋の名物グルメといえば、味噌煮込みうどん、味噌カツ、味噌おでんなど、とにかく味噌を使った料理のオンパレード!このような味噌グルメには、普通の合わせ味噌よりも色の濃い、赤味噌の銘柄である「八丁味噌」が使われていることが多いですが、じつはこの八丁味噌、名古屋市ではなくおとなり「岡崎市」にルーツがあったんです!

全国的に人気な「名古屋めし」を陰で支える八丁味噌とは、いったいどんな味噌なのでしょうか?岡崎市の老舗味噌会社「カクキュー」の早川昌吾さんに、「名古屋グルメに欠かせない、八丁味噌の基礎知識」について教えていただきました!

日本の主な味噌の種類

八丁味噌の話をする前に、まずは味噌の基本的な知識についてご紹介します。

味噌は、大きく「色別」と「材料別」に分類することができます。

色別

赤味噌と白味噌の違いは、製造過程にあります。白味噌は大豆を煮て作り、赤味噌は大豆を蒸して作ります。高圧で蒸すことで、大豆に含まれるアミノ酸と糖が「メイラード反応」とよばれる反応を起こし、赤褐色になるのです。

作り方
赤味噌 大豆を蒸す 辛口が多い
白味噌 大豆を煮る 甘口が多い

原料別

色の違い以外では、原料別に、

  • 豆味噌
  • 米味噌
  • 麦味噌

があり、さらにこれらを合わせて作ったものが「調合味噌」と呼ばれています。

いわゆる「合わせ味噌」として売られているものが、こちらの調合味噌になります。

愛知県民と八丁味噌の関係

八丁味噌とは?

八丁味噌は、大豆と塩だけで作られている豆味噌の銘柄で、ご覧の通り、赤褐色の赤味噌でもあります。

古くは江戸時代、愛知県岡崎市にある徳川家康生誕の岡崎城から西へ八丁(約870m)の距離にある八帖町(旧八丁村)で生産されることから、この「八丁味噌」という名前がついたといわれています。

八帖町は、良質な伏流水を持つ矢作川のそばに位置していたため、味噌づくりに好条件の立地でした。また、湿気の強い気候に合わせて、保存がきくように水分を減らした味噌づくりをした結果、独特の味や香りをそなえた「八丁味噌」が生まれることとなったのです。

早川さん「江戸初期から現在に至るまで、『カクキュー』と『まるや』の2社が、この地で製造方法を守って八丁味噌を生産しております」
カクキューでは、早川家の始祖・久右ヱ門勝久から数えること19代にわたって、伝統の味噌づくり文化が守られてきたのだといいます。

なぜ名古屋には味噌料理が多いの?

名物の名古屋グルメには味噌を使ったものがとっても多いですが、ここまで味噌推しなのは全国でも屈指の存在ですよね。なぜ、名古屋ではこれほどまでに味噌料理が定番化することとなったのでしょうか?

その謎を解くためには、ふたたび遡ること江戸の世……。八丁味噌は、長期保存ができて携行にも便利なことから、三河武士の兵糧として古くから使用されていたのだそうです。

早川さん「八丁味噌は濃厚な旨味と少しの酸味、渋みのある独特の風味が特徴で、味に慣れるまでは敬遠されることもあるのですが、いったん慣れるとクセになるおいしさがあります。伊勢参りなどで東海道を行き交う人々を通じて広まり、食文化として定着していったのだと思われます」

もともとはお侍さんの携帯食だった八丁味噌ですが、このようにしてじわじわと全国に浸透し、愛知県を代表する名産品となったのです。名古屋めしは、およそ400年もの歴史の上に成り立っていたんですね、なんだかロマンを感じます。

風味が飛ばない八丁味噌料理のポイントは?

火入れ・煮込みをしても風味が飛ばない!

八丁味噌は、天然醸造で「二夏二冬(ふたなつふたふゆ)」、2年以上熟成させて作るそうです。こうして長期間熟成させることで、濃厚な旨味と少々の酸味、渋みといった特徴的な味わいが生まれるのだとか!

早川さん「八丁味噌の特徴のある味わいは、煮込みや火入れをしても損なわれることなく料理に活かしていただけます」

普通の合わせ味噌などでお味噌汁を作る場合、レシピを見るとだいたい「風味が飛んでしまわないよう、お味噌をといた後は煮立たせない」と書いてありますよね。でも、八丁味噌なら、うっかり火を止めるのを忘れてお鍋がグツグツ煮立ってしまっても大丈夫!むしろ、よく煮込むことで食材に味が染みていっそうおいしくなるんです。

名古屋で「味噌煮込みうどん」「どて煮」といった煮込み料理が名物なのも、八丁味噌の特性が由来していたんですね!

甘み成分をプラス!

八丁味噌は、もともと少ない水分量で仕込んでいるだけでなく、長期間熟成させることによって、少し固めに仕上がっています。旨味やコクは凝縮されていますが、味噌自体には「甘み」がないので、調理の際には甘み成分をプラスしてあげるといいでしょう。

  • お味噌汁などの汁物料理:ダシをしっかりととる
  • 味噌タレ:みりんや砂糖をまぜる
八丁味噌は、そのまま使えば辛口、みりんや砂糖をプラスすれば甘口としても使えるため、料理に幅広く使うことができます。

八丁味噌を使ったおすすめレシピ

人気の味噌つけ麺

八丁味噌を使った麺料理といえば「味噌煮込みうどん」のイメージが強いですが、そこをあえて変化球で勝負!豚バラ肉と中華スープでしっかりとダシをとれば、簡単に絶品味噌つけ麺を作ることができます。

人気のつけ麺を少ない材料で簡単に自作できるなんて、とってもうれしいですよね。卵黄をプラスして、より濃厚な味を楽しみましょう。

材料とレシピはこちら

コクうまのフュージョン!味噌風味カナッペ

さらに趣向を凝らしたアイディアレシピが、こちらの「味噌風味カナッペ」!

早川さん「八丁味噌は油や乳製品(チーズ)との相性もいいので、中華やイタリアンなどにアクセントとして使用していただく機会も増えています」

イタリアンに味噌?!と一瞬びっくりしますが、よくよく考えるとチーズも味噌も同じ発酵食品ですよね。和洋の発酵食品が織りなすコクうまのフュージョンを、ぜひ一度お試しあれ!

材料とレシピはこちらから!

番外編:ハイテク商品「八丁味噌のパウダー」はアイスにも!

八丁味噌レシピの幅を広げるのに早川さんがおすすめする商品は、なんと、八丁味噌のパウダー!

早川さん「バニラアイスにふりかける、焼き肉のタレに混ぜる、米味噌の味噌汁に混ぜて赤だし風に、など、様々な料理に使用していただけます」

こちらの商品は、フリーズドライ製法によって、八丁味噌をパウダー化させているのだそうです。バニラアイスに八丁味噌をかけたらいったいどんな味がするんでしょうか…。アイディアレシピの幅が広がりそうです!

八丁味噌の歴史はこれからも続く!

全国的にブームの名古屋グルメですが、その背景には、じつに江戸時代から400年にわたって伝統の文化が紡がれていたんですね…。そんなロマンいっぱいの八丁味噌料理、既存の料理だけでなく、アイディアレシピにもぜひぜひ活かしてみてください。そして、名古屋めしを食べるときには、ぜひおとなり岡崎市のことも思い出してくださいね!

取材協力

(image by photo AC1 2)

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