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今年のクリスマスはドイツ式で!独逸専門店が教える「クリスマスの過ごし方」

街は色とりどりのイルミネーションで彩られ、カップルや行き交う人々で通りもにぎわうクリスマス。でも、「今年のクリスマスはお家でゆっくり過ごそうかな」と考えている方は、キリスト教のお祭りであるクリスマスの歴史を知って、本場ヨーロッパのクリスマス習慣をちょっぴり取り入れてみてはいかがでしょうか。

そこで、「クリスマスマーケット発祥の地・ドイツでのクリスマスの過ごし方」をご紹介します。今回は、赤坂にドイツパン・ウィーン菓子専門店の「Neues」を構える野澤孝彦シェフにお話を聞いてみました!

ドイツのクリスマスシーズン

ドイツはクリスマスシーズンがすごく長い!

ドイツではクリスマスシーズンがとっても長く、11月25日頃〜1月6日までがクリスマスシーズンとされています。日本の場合は、クリスマスが終わった12月26日からはすぐさまお正月ムードに入ってしまいますが、ドイツでは、年明け後もしばらく間はツリーや飾り付けを残したままにしておくのだそうです。

ドイツをはじめとしたヨーロッパの国々では、クリスマスの準備期間である「アドベント(待降節)」があります。アドベントとは、「到来」を意味するラテン語で、12月25日のキリスト到来を待つというような意味合いがあります。

クリスマス当日から一番近い日曜日から、4週間前の日曜日を1週目のアドベントとして、クリスマスまでの約1ヶ月間をアドベントとしています。

アドベントといえば、12月1日から毎日ひとつずつカレンダーの窓をめくっていく「アドベントカレンダー」が有名ですが、このアドベントカレンダーもドイツ発祥だといわれています。

アドベントには何をするの?

クリスマスマーケット発祥の地であるドイツでは、アドベント期間には毎週末クリスマスマーケットに足を運んで、ツリーを飾り付けるためのオーナメントを買うなどして、クリスマス当日の準備をするのだそうです。

野澤シェフ「ドイツだけでなくヨーロッパ全体的にですが、ツリーのほかにも、聖書のワンシーンを模したジオラマを作ったりもします」

クリスマスのジオラマは、日本でいう「ひな祭りに飾るひな壇」のような役割をする年中行事用品です。聖書の一節や、クリスマスのワンシーンを模したミニチュアのジオラマを、アドベント中に1ヶ月かけてゆっくり作っていくのだそうです。

ちなみに、お子さんのいる家庭では、子どもの成長に合わせて毎年少しずつジオラマのサイズを大きくしていくのだそうです。なので、子どもが15歳くらいになる頃のクリスマスは、かなり巨大なジオラマが自宅を占拠することになるのだとか…!

ドイツのクリスマス菓子

日本でも大人気!「シュトーレン」

ドイツのクリスマス菓子といえば、やっぱりシュトーレン!日本でも、12月に入るとパン屋さんに並ぶシュトーレンを目にすることが多いですよね。日本の場合はクリスマス当日にシュトーレンを食べる方がほとんどだと思いますが、ドイツでは、アドベント中の1ヶ月間、毎日少しずつシュトーレンを食べるのが伝統なのだそうです。

野澤シェフ「ドイツでは、お父さん・お母さんが子どもにイエスの話をきかせながら、一緒にツリーやジオラマを作ってシュトーレンを食べる、というようにアドベントを過ごしています」

決め手はたっぷりのスパイス!「クリスマスクッキー」

ドイツでシュトーレン以外のクリスマス菓子といえば、みんな大好きな「クッキー」です!ドイツのクリスマスクッキーは、ジンジャーやシナモンなどのスパイスが入っているのが特徴で、表面に「アイシング」と呼ばれるデコレーションがほどこされているものもあります。

野澤シェフ「クッキーの形はハートや星などで、子どもたちも一緒に作れるようなそんなにむずかしくないものが多いです。ですが、このような月の形のクッキーは日本ではあまり見かけないのではないでしょうか」

たしかに、日本では月の形のクッキーはそれほど一般的ではないですよね。スパイスたっぷりの月の形のクッキーを作れば、クリスマス気分が盛り上がることまちがいなし!

ドイツ版鏡餅?!「レープクーヘン」

日本人にはあまり馴染みがないドイツのクリスマス菓子に、「レープクーヘン」というものがあります。レープは命・魂という意味で、クーヘンはお菓子という意味です。

写真のように派手にデコレーションされたレープクーヘン、とてもかわいいですしインパクトも大ですが、気になるお味はあまり良くないのだとか…。

野澤シェフ「基本的には、食べるものというより飾りに近いものなんです。表面にクリスマスメッセージなどを書いた大きなレープクーヘンを、レースの代わりに軒先や店先につるして飾ったりするんです」

クリスマスシーズン中はずっと飾ったままにしておき、シーズンが終わったらそれを割って食べるんだそうです。お正月が終わったら割って食べる、日本の鏡餅にそっくりですね!

日持ちを第一に作られているため、味はそこまで期待できないものの、ドイツではクリスマスの象徴する代表的なお菓子となっています。

番外編:クーヘンといえば「バウムクーヘン」

「レープクーヘン」という単語を聞いて連想するのは、「バウムクーヘン」ではないでしょうか。日本人も大好きな、穴のあいた年輪型のバウムクーヘンも、ドイツ・ベルリンが発祥なのだそうです。

野澤シェフ「バウムクーヘンという名前の由来には諸説ありますが、バウムとはドイツ語で木という意味。クリスマスが終わったあと、ツリーに使ったモミの木を薪にすることで、焼いたケーキにモミの木の香りがうつってバウムクーヘンと名付けられた、という説もあります」

また、スイスにもバウムクーヘンと同じようなお菓子がありますが、「木」ではなく「鳥の羽」という意味の「ブリューゲルクーヘン」と名付けられているそうです。

ドイツのクリスマスディナー

奇跡の象徴?!「うさぎ肉」

クリスマスディナーといえば、ローストチキンや七面鳥の丸焼きというイメージですが、ドイツではなんと「うさぎの肉」を食べるのだそうです!

野澤シェフ「イエスが一度死んで、復活したときに、うさぎが卵を産み落としたといわれています。うさぎが卵を産むなんて普通はありえない、これは奇跡だということで、クリスマスにはうさぎが食べられるようになったといわれています」

とくに南ドイツではジビエが盛んなこともあって、クリスマスにはうさぎのフィレ肉を使ったステーキやシチューが食べられているのだそうです。気になるうさぎ肉のお味は……?

野澤シェフ「牛肉と豚肉の中間みたいな感じです。とくにクセはないですよ」

ジビエの中でも比較的食べやすいようなので、興味がわいた方は、ぜひうさぎ肉にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

スパイス香る!ホッコリあったか「グリューワイン」

クリスマスの夜には、スパイスを入れたワインをあたためて作った「グリューワイン」が定番です。あたためるだけの市販品もありますが、グリューワインスパイスがあれば好きな銘柄のワインでグリューワインを作ることもできます。

今年はドイツ流クリスマスを取り入れてみよう!

日本人が考える海外のクリスマスと、本場ドイツでのクリスマスの過ごし方、意外とイメージに違いがあったのではないでしょうか?ドイツの習慣にならって、今年はいつもとちょっぴり違ったクリスマスの夜を過ごしてみてくださいね。

取材協力

  • ドイツパン・ウィーン菓子の専門店「Neues(ノイエス)」:野澤孝彦シェフ

オーストリア・ウィーンにて有名カフェハウス「オーバーラー」、皇室御用達「コンディトライ・L・ハイナー」にて主要ポストを歴任。その後、南ドイツへ向かい「ヴァンディンガー」にて製パン技術を習得、製菓チーフも務める。帰国後、1999年に横浜市に最初の店舗「コンディトライ・ノイエス」をオープン。現在は、赤坂7丁目ドイツ文化会館内にカフェレストラン「ノイエス」を構え、ウィーンおよびドイツの食文化の探求に情熱を注いでいる。

(image by photo AC)
(image by 筆者)

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