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プロも怖がる「冬の運転」タクシー乗務員に対処法を聞いてみた!

雪道の運転には注意が必要であり、極力避けるべき。ただ、分かっていても家庭や仕事上の都合により、乗らざるを得ない場面も。そんなときのために、運転のプロであるタクシードライバーの方々に、冬の運転での注意点と対処法を教わりましょう。道路が凍ったときは危険度が増すばかりか、いくら気をつけていても事故に巻き込まれる可能性もあります。起こり得るトラブルを事前に学べば対策を用意したり、心の準備もできます。
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  • 大前提

    雪が降ったら乗らない!過剰なくらいに危険意識を持つ

  • 乗るしかない時

    周囲のためにもスノータイヤやチェーンをはいて雪道用装備を!

  • 便利アイテム

    冷たい雪や水が染みてこないゴム手袋

車は私たちの移動の足として主要な役割を果たしています。通勤や家族旅行、ちょっとしたドライブに「車がない生活なんて考えられない!」なんて人も多いのではないでしょうか。

しかし、気をつけておきたいのが冬の運転。何が起こっても不思議ではない、何でも起こり得る危険な道のりです。冬だというだけで、周囲の車や歩く人など、あらゆるものの危険度が上がってしまいます。

そんな冬の運転でのトラブルと対処法を、大手タクシー会社・日本交通株式会社の乗務員の皆さんにお伺いしてきました。トラブルを起こしてパニックに陥る前に、心の準備をしておきましょう!

本記事は、2015年12月の取材情報をもとに執筆されたものです。

大前提:「雪が降ったら乗らない」

トラブルがどうしても増えてしまう冬の運転。タクシーの乗務員さんでもヒヤッとすることは多々あるようで……。

太田さん「雪が降ったら乗らない!っていう決断が必要ですね。普通のドライブより危険が倍以上になる、という自覚を持たないといけません。
冬場は道路が凍るので、雪が降れば特に危険は増します。過剰なくらいに危険意識を持っておいてください。正直、テクニックがいくらあっても、事故に巻き込まれることは少なくありません」

雪が降って道が凍ると自分も滑るし、当然、他の人も滑ります。どんなに運転がうまい人であろうと、もらい事故は避けようがないですよね。

また、東京は車も多いので、一度事故が起きたら交通がマヒしてしまう危険もあります。パトカーや救急車が間にあわないなど、本当に急を要する方に迷惑をかけてしまう可能性も。

というわけで、乗務員さんたちは「雪が降ったら、誰も乗らない方がいい」と何度も繰り返していました。何年も冬の東京で運転してきた人たちの言葉は重いですね。

恐怖!雪の日のスリップトラブル

橋、カーブなどの継ぎ目が凍っていてスリップ

意外と多いのが、橋やカーブなどの継ぎ目を踏むことにより起こるスリップ。寒いとその部分だけ凍っているケースが多いそうです。

橋には下からも冷たい空気が流れていて冷えやすく、継ぎ目だけが凍っている場合も。凍っていない路面をスムーズに走行できたとしても、油断をした瞬間に継ぎ目でスピンしてしまうこともあるのでご注意を。

浅賀さん「継ぎ目のところやカーブで慌ててブレーキを踏みがちなんですけど…踏んじゃうと、トンネルの中でもスピンしちゃうことがあります。スピードを早めに落としておくという意識を徹底して持っていないといけません」

坂道でのスリップ

スリップの中でも恐ろしいのが、坂道でのスリップ。上り坂だと前の車がスリップして落ちてくるなんてゾッとするようなことも…。逆に下り坂だと自分が止まれず、前の車に突っ込んでしまうという場合もあります。

乗務員さんなら誰しも少なからず経験があるようで「都内各所には急な坂が多く、われわれプロでも危険を感じるときがあります」とのこと。雪の降った日の坂は避けましょう!

隣の車がスリップして巻き込まれる

自分では万全な準備をしていても、隣の車が準備していないというケースも。

実は、道路は水はけのために左側に向かって少し傾斜がかかっているそうです。道路が凍ったとき、何の準備もしないで走れば横滑りするのは当然。

工藤さん「とある道路で僕が左車線にいるとき、右車線の車がずるずると落ちてきたことがありました。反対車線から車がスピンしてきたこともありますし」

ここでも「雪の日は走らないほうがいい」との言葉がありました。しかし、どうしても車を出さなければいけないときは自分、そして周囲のためにもスノータイヤに変えたり、チェーンをはくなど雪道用の装備をしておきましょう。

車に関するトラブル

バッテリーが上がってしまう

冬に多いのがバッテリーが上がって、エンジンがかからなくなってしまうトラブル。バッテリーは寒ければ寒いほど性能は落ちます。スキー場などの寒い駐車場で立ち往生している人も多いそう。

バッテリーが上がらないようにするには、基本的には弱ってくる前に取り替えること。古いバッテリーのまま、寒いところでエンジンを掛けると「一発で上がってセルモーターが回らなくなる」そうです。要注意ですね!

エンジンを掛けるときに、セルモーターの「キュルキュル」という音がします。このモーター音の間隔が長いときはバッテリーが弱ってきているサイン。弱り始めたままで冬を迎えると「だいたいアウト」になるそうです。
工藤さん「まして週1回しか乗らないようなドライバーだと、バッテリーの液が足らなくなってたり、足してもダメな状態になっていることが多い。基本は、冬になる前にバッテリーは新品に取り替えたほうがいいですよ。そしてバッテリーは高いものに越したことはない」

車内が濡れて変なニオイがする

雪が靴についたまま車に乗り込むと、床のマットがビシャビシャになりますよね。ちゃんと乾かしておかないと変なニオイが出てきてしまうそうです。

変なニオイを回避するためには、とにかく湿り気をシートまで持ち込まないこと。

田口さん「濡れちゃったらどうにもならない。エアコン全開にして、ドライヤーで早く乾かすだけ。カッパなんか着てたら、シートが濡れないように畳んでから床に置きますね」

それでも濡れてしまったという場合は、すぐに拭き取りましょう。

浅賀さん「ティッシュペーパーもいいですし、トイレットペーパーの方がもっと吸水性がいいですけど、ものによってはボロボロになる。キッチンペーパーがオススメですね」

凍結した道を走るときの注意

雪の状態によって運転を変えよう

降ったばかりの雪(新雪)だと滑る危険は低そうに思いますが、実は油断できないのだとか。水分を含んだ重い雪だと、簡単にハンドルを取られてしまうこともあります。

田口さん「新雪はつっこまない。轍(わだち:車が通ったあとに残る車輪の跡)に乗って走るのが原則ですね」

また、雪がやんだ翌日の道路は凍結して、道路がスケートリンク化。運転のプロでもかなり怖いそうです。

路面の状況はライトで照らして確認しましょう。凍っている道路は、ガラスを砕いたようにキラキラと乱反射して光ります。雨や雪が降っていなくても凍っており、気付かずスピンする人も多いのだとか。

田口さん「AT車でもエンジンブレーキがあるので減速したほうがいいですよ。ブレーキには頼らないほうがいい」

凍った場所を脱出する方法

いくらアクセルを踏んでも空回りして、凍った道から出られなくなってしまうケースもあります。そんなときも慌てず、冷静に行動しましょう。

AT車を運転している場合は、2(セカンド)発進のほうがゆっくり走れるので安全です。他にも毛布や鎖をかませるやり方もありますが「車に慣れていない人は事故のもとなので、下手にやらない方がいい」そうです。外に出て押す方が堅実。

車を押すときは軍手ではなくゴム手袋

また、押すなどの作業をする際に軍手を使う人が多いと思いますが、冬の場合は軍手はNG。繊維に水が染み込んでしまうため、雪や雨で濡れると手が、かじかんでしまいます。

波止さん「台所のゴム手袋がいいですよ。あまり薄い素材だと、ゴムが破れて水が入ってきたときに気持ち悪いです。あまり分厚いやつだと細かい作業ができないんですが、チェーンを巻くくらいなら大丈夫です」

自分の手と用途に合った手袋を準備しておきましょう。

できなかったら人に頼ろう

どうしても「困った!できない!」というときは人に頼りましょう。自分でなんとかしようとするよりも、その方が確実です。

田口さん「特に女性の方などは、チェーンを巻くにはコツとある程度の力が必要です。自分で無理してチェーンを巻いて、裏っかえしでつけちゃってることに気づかないよりは、できる人にやってもらった方が安全です」

寒い中、時間をかけて作業するよりも、できる人に助けてもらったほうがよさそうです。通りかかった男性などに頼めば、助けてもらえることもあるかも?

冬の運転は油断大敵!

他の季節よりも段違いに危険度が上がる冬の運転。だけど、どうしても車を運転しないといけないときもあると思います。

急に雪が降った日などに備えて、寒くなったら雪道用の準備をしておきたいものですね。トラブルに見舞われた場合には、まず冷静になって行動しましょう。

取材協力

今回お話を聞いたのは、日本交通株式会社、乗務員のみなさん。左上から、

氏名 勤続年数
田口和徳さん(59歳) 16年
波止一宏さん(48歳) 9年9ヶ月
嶋村頼弘さん(48歳) 2年7ヶ月
太田晃さん(64歳) 6年11ヶ月
浅賀喜之さん(40歳) 2年9ヶ月
工藤真裕さん(44歳) 10年6ヶ月
吉本明広さん(45歳) 2年10ヶ月
乗務員の方々の年齢と勤続年数は取材時の情報になります。

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