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    危機回避の基礎!ブラジリアン柔術に学ぶ護身術

    街灯もない夜道で、「襲われたらどうしよう…」と考えたことはありませんか?相手の武器がわからない以上、戦うのは危険。逃げきるくらいはできるかな?足遅いし無理。掴まれてしまったら?非力なので無理。「離して!!!」と叫べばいいかな?キレられるから無理。こ、これは詰んだ…。

    だったら護身術を覚えよう!とはいっても、空手やキックボクシングは練習がキツそう。痛い思いをしたくなから学ぶのに、練習で痛いって無理。ウェイトトレーニングで筋力をつけたとしても、格闘の心得がないから無理。だからやっぱり武器を携帯した方が手軽だけど、いざという時に取り出せないかもしれないから無理。や、やっぱり詰んだ…。

    でも待って!あなたにはまだ、ブラジリアン柔術の護身術が残されています。「最も安全な格闘技」と言われるブラジリアン柔術を活かせば、相手と戦うことなく自分の身を守ることができるはずですよ。ということで、ブラジリアン柔術のジム「トライフォース五反田」を訪問。インストラクターの中山さんと秋川さんから、訓練しておいて損はない護身術の基本について、実演していただきました。

    まずは護身の基本「受身」を知ろう!

    護身術とは文字どおり、「身を護る術」。いざという時に自分の安全を守れたらそれで良く、必ずしも相手を制圧する必要はありません。突き飛ばされた時、怪我をせず、すぐに逃げの体勢に移れるよう「受身」の動作をとることも立派な護身術というわけです。

    そんな「受身」の基本は、頭部や体幹にダメージを負わせないこと。襲われた際に頭を打ったり、背中を強く打ちつけてしまうと、抵抗どころか立つこともままなりません。体勢を崩した時、体が地面にぶつかる際のダメージを受身によっていかに減らせるかが護身の肝といえるでしょう。

    後ろ受身

    まず、一般的な受身のイメージといえばこれ。投げられたり突き飛ばされた時に使えます。

    1:腰を落とす
    2:へそに目線をやりながら背中を丸め、尻もちをつかないよう着地
    3:両手の肩から指先までを使い地面を叩き衝撃を逃がす
    4:足に反動をつけて起き上がる

    ポイントは初期動作でかがみ始めておくこと。地面と体の距離が近いほど、衝撃が減らせるからです。

    横受身

    1:倒れる方の腕を振り上げる
    2:倒れる方の足を逆に振り腰を落とす
    3:手を振って体の側面が地面につくよう体勢を整える
    4:片腕全体を使って地面を叩き、衝撃を逃がす

    片手で地面をついたら骨折した…なんてエピソード、身近で聞いたことありませんか?この横受身ができていれば、そういう事故が回避できます。普段歩くときは荷物を持って、片手がふさがっているケースがほとんど。なので、これが最も実用的な受身かもしれませんね。

    前回り受身

    1:右足と左手を前に出す
    2:地面を蹴り、右肩が内側にくるよう体を丸めながら回転
    3:丸まった背でゴロンと転がる
    4:左足がつくと同時に、左腕全体で地面を叩く
    5:その勢いを借りて起き上がる

    ポイントは、正面から転がらないこと。中心線をズラすことで、失敗した時に首にダメージを負う危険を回避できます。

    肩抜き後転

    1:あらかじめ首を左に傾けておく
    2:右肩と右腕を使って、勢いをつけた足を後ろにやる
    3:右腕で支えたまま勢いで後転
    4:上体を起こす

    前回り受身と同じく、首を傾けて中心をズラすのがコツ。後頭部を打ったり、首を痛めないためです。

    前受身

    1:手のひらで三角を作る
    2:正面から倒れる
    3:肘から先を地面に叩きつける

    両腕で体重を支えることで、顔面を地面に打ち付けずに済みます。また、衝撃を両腕に分散させることで片腕を骨折させる危険もありません

    「受身」を取った後、間合いをとる方法

    「受身」の良さは、身体ダメージを回避できることだけではありません。体勢を立て直しやすいため、すぐさま逃げの体勢に転じることもできます。その一例を紹介します。

    1:突き飛ばされた時、膝を使って腰を落とし始める
    2:後ろ受身をとる
    3:右足と左手で自重を支え、左足で相手の膝を狙う
    4:相手が後ずさったスキに、蹴った反動を利用し左足を奥に
    5:左足を軸に自分も後ずさる

    このように無駄のない動きができれば、1アクションで3歩ぶんは間合いを確保できます。相手が反撃してくる可能性もあるため、右手は防御に専念させておきましょう。

    相手につかまった時の脱出方法

    「受身」は体勢を崩した時の対処法でしたが、こちらは、つかまってしまった場合の対処法です。中でもハグと首締めは簡単で安全ですので、ぜひ友達と実践してみてください。

    ヘッドロックからの脱出

    1:相手の肩と肘をつかみます
    2:お辞儀をするように後ろに抜け出します
    3:抜け出ると自然に腕をねじ上げる形になっているので隙を見て脱出

    筋肉のある相手に対しても、関節技は有効です。どうひねると効果的なのかを把握しておきましょう。

    ヘッドロックからの脱出、と見せかけた背負い投げ!

    1:相手の肩と肘をつかみます
    2:腰を落とし相手を背中に乗せます
    3:背中全体を使って持ち上げた相手を放り投げます
    4:相手が落下したら、逃げるチャンス

    相手の服をしっかりつかんで腰を落とせば、相手の重量に左右されることなく投げることができます。

    ハグからの脱出

    1:両腕をダラリと下げておく
    2:体を垂直に下ろすと同時に、両腕を上げて束縛を解く

    垂直でないと抜けづらいので、2で瞬時に足を広げ、体を安定させましょう。

    ハグからの脱出からの急所攻撃

    1:脱出と同時に右足を後ろにやる
    2:その足を相手の足の真後ろに入れる
    3:体重をかけて後方に転ばせる
    4:相手が起き上がる前に股間を肘鉄

    相手のバランスを崩したあと、いかに素早く肘鉄を打ち込めるかがカギとなります。

    首締めからの脱出

    1:締められたらすばやく対応
    2:一歩下がって腰を引き、相手の懐に向かって頭を下げます
    3:下がった位置で体勢を立て直します

    ポイントは、親指を崩して抜けるということ。後方の4本指に対し、前方は親指1本なので、逃げるなら力の弱い​方から、ということ。仮に腕を掴まれた場合でも、親指の方向であれば、比較的振りほどくのが容易だそうです。

    頭の片隅に、ブラジリアン柔術を

    本当の護身術は「そもそも危険な状況下に身を置かないこと」。ですが、万が一危険な目に遭ってしまった時、このブラジリアン柔術直伝の護身術を思い出してもらえたら幸いです。

    取材協力 中山徹さん(左) 秋川かずよさん(右)

    中山徹さん、2008年に黒帯を授与。2011年に東京国際大会で体重別・無差別級で優勝。格闘技だけでなく、フィリカルトレーニングや栄養管理にも造詣が深い。現在はトライフォース五反田道場で女子クラス以外を担当。

    秋川かずよさん、2006年に紫帯を授与。2006年のIBJJ主催アジア大会にて女子青帯プルーマの部で優勝。運動医療などを学んだ背景を持つ。トライフォース五反田道場では初心者への細かい指導で多くの女性にブラジリアン柔術の魅力を伝えている。

    (image by nanapi編集部)

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