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ブラック企業はエグい…見極めるための指標とは?

面接をクリアして、いざ入社してみると“ブラック企業”だった…。厚生労働省の調査ではブラック企業の可能性が高い会社や事業所は8割以上にも及び、そのほとんどが労働法を違反しているそうです。悪質なブラック企業で働くと、場合によっては肉体的な問題だけでなく精神的に大きなストレスを抱えてしまうケースもあり、うつ病や“引きこもり”になる人も増えているとのこと。入社する前にブラック企業であることを見抜ければ未然に防げるのですが、実際なかなか見極めるのは困難です。そこで今回は入社してから後悔しないために、ブラック企業の可能性が高い会社を見極めるポイントをご紹介したいと思います。
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  • 情報が身を守る

    労働基準法では1日8時間、週40時間を超える労働はNG!法律の基礎知識を知っておくと、気づくことが増える。

  • こんなときに

    バイトや就職&転職の求人情報はここをチェック!ブラックそうな企業をできるだけ見分ける。

いまやあたり前のように耳にするようになった言葉、ブラック企業。そもそも、ブラック企業とはなんでしょうか。一言で表すなら、「労働環境が著しく悪く、従業員や社員に過酷な労働を強要する会社」です。

たとえば、

  • サービス残業が多い
  • 平均的に労働時間が長い
  • 過剰なノルマを強要される
  • 労働法を違反した就業規則や労働条件
  • セクハラやパワハラなどハラスメントが常習的
  • 従業員が退職を申し出ても拒否する
  • 労働に見合わない低賃金
  • 社員や従業員の育成を怠っている
  • 社員や従業員の健康管理が行き届いていない
  • 社会保険の加入を拒否される
  • 本来の業務とは関係ない理不尽な要件を押し付けられる

つまり、会社の利益を優先し、従業員の労働環境を無視する会社や企業。そうしたブラック企業は従業員の勤続年数が平均的に短く、離職率が高いという傾向にあります。

従業員を働かせるだけ働かせて酷使したあと、会社の都合でクビにしたり、嫌がらせして自主退職に追いやったりして「使い捨てる」会社が典型的なパターンです。

退職が決まっても離職票をもらえずに失業保険の手続ができないケースも。これらは一部の例ですが、いずれにしてもブラック企業と関わると何かしらの苦痛を味わうことになります。

ブラック企業への警告

ブラック企業という言葉は2000年の終わり頃にインターネット上で広まり、非人道的な企業や過酷なノルマや労働を強いる営業会社に使われていたのが発端でした。

しかし、その範囲は拡大し、製造業やIT関連、飲食店や販売業などサービス業においてもブラック企業が存在するようになり、社会的な問題となっているのです。

このような深刻な事態を解決すべく厚生労働省は、2013年から全国の中小企業を対象に「若者応援企業宣言事業」を開始しました。

各都道府県の労働局と連携し、35才未満の採用実績や離職率、月間平均の残業時間などを情報開示することでブラック企業への就職を回避しやすくなります。

労働局のホームページに情報が掲載されている企業はブラックの可能性が低い1つの目安となり、就職活動中の人にとって安心できる要素というわけですね。

労働基準法に違反する事例

ブラック企業に多い問題点が、残業時間に関する労働法の違反です。残業が月150時間や200時間を超えているなど、明らかな違法行為を常習化している企業は危険。

もっと悪質になれば「残業させても残業代を支払わない」というパターン。働かせるけど金は払わない、もはや法律違反を超えて人間性を疑ってしまいます。

そのほかにも様々なケースのブラック企業があり、労働基準監督署への相談も増えています。なかでも、よくある事例として次のような相談が多いようです。

  • 面接時に聞いていた労働条件と実際の賃金や労働時間などが違う
  • 勝手にタイムカードを修正されたり書き換えられたりする
  • 休憩時間と業務の区切りが曖昧で職場の雰囲気が休憩しにくい
  • 特別な事情がない限り有給休暇を消化させてくれない
  • 退職を申し出ているにも関わらず返答を先延ばしにされ働かされる
  • 縦社会という理由で業務以外の雑務を強要され、勤務時間外の場合もある
  • 毎日のように長時間の残業があり、月平均の勤務時間が80時間を超える

など、労働時間に関するトラブルが多いですが、ブラック企業を見抜くためには労働基準法の基礎的な知識も備えていたほうが良いでしょう。

たとえば「残業は何時間までが上限か?」「残業代の正しい計算方法は?」くらいの基礎知識は知っておきたいところ。もし労働法を違反しているようならブラック確定です。

残業について

残業時間の上限

労働基準法では1日8時間、週40時間を超える労働はNGです。1日8時間の労働なら1週間の勤務日数は合計5日の計算ですよね。

しかし、労働基準監督署に「サブロク協定(労働基準法36条)」を申請している会社は、1ヶ月45時間、1年の合計で360時間までの時間外労働(残業)が上限として認められます。

いずれにしても残業が発生する会社は就業規則を定める必要があるため、残業時間が多いなと感じたら勤務先の就業規則を確認し、残業時間の範囲が労働基準法に違反していないかチェックしましょう。

残業代の計算方法

給料形態が時給制と月給制では、残業代(時間外手当)の計算方法が異なります。1日8時間の勤務を超えた場合の残業代は次のように計算するので覚えておくと便利です。

給料が時給制

  • 1日8時間を超える通常の残業・・・時給の25%増しで計算
  • 22:00~AM5:00に残業した場合・・・時給の50%増しで計算
  • 休日に労働した場合の賃金・・・時給の35%増しで計算
つまり、休日出勤の時給は労働時間の全てが残業と同じ扱いになるイメージです。

例)時給900円の場合

  • 1日8時間を超える通常の残業代・・・1時間あたり1,125円を加算
  • 22:00~AM5:00に残業した場合の残業代・・・1時間あたり1,350円を加算
  • 休日に労働した場合の賃金・・・1時間あたり1,215円の時給計算

給料が月給制

  • まずは各種手当金を省き、1時間あたりの時給を算出します
  • その時給を目安にして、時給制の割増金額と同じ要領で計算します
  • 休日出勤も同じように時給制の割増金額を目安に計算します

そのほかにも覚えておくと便利な労働基準法

  • 有給休暇の計算方法や給料計算
  • サブロク協定や労使協定について
  • ハラスメントの範囲や対処法
  • 退職の手続きに関する取り決め・ルール
  • 離職する際の失業保険に関すること
  • 不当解雇や休業補償に関すること
  • 懲戒処分や解雇に該当する禁止事項
  • 育休・産休・介護休暇など各種休暇に関する就業規則
  • 健康診断と労災に関すること
  • みなし残業と通常の残業の違い

勤務先がブラック企業の可能性が高いと感じたら、労働基準法を参考にして現状の労働環境を比較すると不当であるか正常であるか確かめることができます。

「求人情報」でブラック企業を見分ける

就職中は求人情報やインターネットなどで検索し、アルバイトや就職先を探すのが一般的ですが、求人情報でブラック企業を見分けることは可能でしょうか。

厚生労働省の調査によると、2015年にハローワークに寄せられた相談は1万1000件。このうち約4割は「求人の内容と実際の労働条件が違っていた」という苦情とのこと。

このような求人情報と実際の労働条件が異なる「求人詐欺」は離職率が高い業界に多い傾向ですが、雇う企業側も良い条件を掲載して人集めしたいのが目的。

そして採用した途端に求人情報とは異なるシビアな労働条件を提示し、給料が安い、サービス残業が多い、ノルマが厳しいなどブラックな本性を現すわけです。

全ての企業に当てはまるとは限りませんが、求人情報を見ることでブラックの可能性を予測する目安になる場合もあります。たとえば次のようなケース。

いつも求人の広告を掲載している企業は怪しい

いつ見ても求人が載っている企業は従業員の定着率が悪い可能性大。つまり、離職率が高い理由が何かしらあるはずですし、冷静に考えると

求人情報に書かれている給料が高い

やる気次第で月収50万円も可能!など、高い給料を提示している会社はブラックの可能性大。「やる気=過剰なノルマや過酷な残業」が典型的なパターン。

やる気を引き出すような精神論的なフレーズが多い

雇用に関する説明が必要なのに、情熱・夢・やりがい・すぐ管理職に昇格できるなど、やる気を引き出すような精神論的なフレーズが目立つ求人内容はブラックの可能性大。

有給休暇や時間外労働(残業)に関する内容が書いていない

採用するまで伏せておきたい理由、それは有給休暇をとりにくかったりサービス残業が多かったりするから。もしくは、残業代を払っても月平均の残業時間が平気で80時間を超えるブラック企業だったりする可能性大。

「説明会」でブラック企業を見分ける

ほとんどの企業が説明会を自社の宣伝やアピールの場だと勘違いしている傾向があり、肝心な仕事内容や労働条件などの説明が少ないケースが多く見受けられます。

ブラック企業の場合、意図的に仕事内容や労働条件を詳しく説明しなかったり、不明確な言い回しではぐらかしたりするので要注意。

その代わり、やたら「やる気」とか「情熱」とか「夢をもって」や「やりがいがある」など精神論を強調してムードを高めようとする企業は用心したほうがいいでしょう。

たとえば説明会の情報をもとに、口コミサイトや転職サイトで評判をリサーチするのも一つの手段。軽い情報なら説明会のOB訪問(OG訪問)で収集できますが、給料や残業など聞きたくても聞けないタブーな質問が多いのも現実。

「みん就」「Vorkers」「キャリコネ」などの口コミサイトでは、実際にその企業で働いている社員の人たちが給料や残業、労働条件に関する情報を書き込みしているので参考になります。

そのほかにも、「就職四季報」などの就活情報誌を参考にすれば企業の詳しいデータをチェックすることができるので、優良かブラックかを見分けやすくなるでしょう。

チェックしたいポイント

  • 入社3年後の離職率…3割を超えていると注意
  • 勤続年数の平均…定着率が悪い企業は何か理由がある証拠
  • 社員の平均年齢…社員全体の平均年齢が低い企業は定着率が悪い
  • 月間の残業時間の平均…25~30時間までがボーダーライン
  • サービス残業の有無…時間外労働手当(残業代)はつくのか?
  • 有給休暇の消化…優良企業で働く従業員は年10日の有休消化が平均

「面接」でブラック企業を見分ける

質問力や説明力に優れた社員が面接を担当する場合、次のような内容を入社希望者から聞き出そうとします。つまり、面接で欲しい人材を見極めているのです。

  • 1:基本的なコミュニケーション能力は備わっているか?
  • 2:向上心があり、育成する価値がある人材か?
  • 3:自社の職種・業務に適正している人材か?
  • 4:ストレスへの耐性は一般的なレベルであるか?

そうした情報を聞き出すために趣味や学歴、過去の職歴や志望動機など深堀して人間性や能力を探っています。そのうえで、労働条件や福利厚生といった実務に関する説明をするのが面接のセオリーです。

ところがブラック企業の面接は、とにかく余計な話題が多くて実務的な労働条件や待遇について詳しく説明しないのが特徴。こちらが質問しても曖昧にする場合は要注意です。

ブラック企業を見極めるためには、自分から質問してブラックの度合いを見抜くしかありません。答えられない、はぐらかすなど返答が不明確なら怪しいですね。

質問例

  • 質問1:「実務の詳細な内容を聞かせてください

「働くうちに分かってくるよ」「誰でもできる簡単な仕事」「担当者が不在で詳しい説明ができない」など、しっかり説明できない企業の面接はNG。

  • 質問2:「時間外勤務に関する労働条件を聞かせてください

「残業時間の上限」「休日出勤」「時間外手当の有無」など、時間外勤務における疑問は解決しておきたい点。明確に返答しない企業は「サービス残業」の可能性大。

  • 質問3:「社員の平均勤続年数と入社3年以内の離職率を聞かせてください

「平均勤続年数が短い」「離職率が高い」など、雇用の定着率が悪い企業は要注意。労働環境が整っていれば、社員の勤続年数も長くなり離職する人も少なくなります。

  • 質問4:「正社員雇用という認識で間違いないでしょうか

求人には「正社員募集」と書いておきながら実際は「契約社員」や「研修スタート」などから始まる企業もあるため、見落とさずしっかりと確認しておきたいポイント。

「内定」でブラック企業を見分ける

面接をクリアして内定が決まっても、その後に内定を断ることは可能です。また、面接後に内定を受けるまでの期間や対応でもブラック企業を見分ける要素になります。

内定が決まるまでの期間が早かったり内定の承諾を急かされたりする場合は、考えさせる余裕を与えないようにしている可能性が高いので注意が必要です。

何度も電話で催促されたり決断を迫られたりして、「今、決めないと内定を取り消す」などと強引な対応をするような企業はブラックかもしれませんね。

面接を終えて選定期間中に「どのような対応を示してくるか」もブラック企業を見分けるポイントですから、冷静に落ち着いて判断することをオススメします。

さて今回は、ブラック企業の実態や労働基準法に関する基本、就職活動や転職で失敗しないためのブラック企業の見分け方についてご紹介しましたが、入社したあとでも役立つ知識なので覚えておくと便利です。

仕事が理由で健康や精神を傷めてしまわぬように、くれぐれもブラック企業には気をつけましょう。少しでも「怪しいな」と思ったら、正しい基準で見極めることが大切ですよ。

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