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    ○○年に一度はウソホント?「ボジョレーヌーボーコピペ問題」を整理してみた!

    11月の第三週木曜日は、フランスワインの「ボジョレー・ヌーボー」の解禁日です。ボジョレーヌーボーはフランスのワイン産地である「ボージョレ地区」の新酒です。

    今年の解禁日は11月17日(木)。特に日本は日付変更線の兼ね合いで、最も早く新酒が解禁される国の1つとなっています。このボジョレーヌーボーは日本では1980年代にブームに火が付いたとも言われており、秋の風物詩ともなっています

    日本ではボジョレーヌーボー解禁時期がワインの販売ピークであり、その輸入量は世界トップクラス。グーグルなどの検索エンジンでも11月~12月には「ワイン」という単語の検索がピークを迎えるようです。

    さて、そのような盛り上がりのなか、ニュースでも取り上げられることが多いボジョレーヌーボー。毎年の「出来栄え」を表現するボジョレーヌーボーのキャッチコピーに疑問を感じたことはないでしょうか。

    ボジョレーヌーボー「50年に一度」「100年に一度」が多すぎる問題

    特に近年、WEBを中心にボジョレーヌーボーのキャッチコピーが話題となりました。これは”ボジョレーコピペ”などとも揶揄されています。

    ここで、一般的に「ボジョレーコピペ」と言われる、年ごとのキャッチフレーズを引用しましょう。

    • 95年「ここ数年で一番出来が良い」
    • 96年「10年に1度の逸品」
    • 97年「1976年以来の品質」
    • 98年「10年に1度の当たり年」
    • 99年「品質は昨年より良い」
    • 00年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」
    • 01年「ここ10年で最高」
    • 02年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
    • 03年「100年に1度の出来」「近年にない良い出来」
    • 04年「香りが強く中々の出来栄え」
    • 05年「ここ数年で最高」
    • 06年「昨年同様良い出来栄え」
    • 07年「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
    • 08年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
    • 09年 「過去50年でも素晴らしい出来」
    • 10年 「1950年以降最高の出来といわれた2009年と同等の出来」
    • 11年「近年の当たり年である2009年に匹敵する出来」
    • 12年「ボジョレー史上最悪の不作」
    • 13年「小粒だが味の濃いブドウが収穫できた」
    • 14年「近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ」

    羅列される「○○年に一度の出来」という言葉。

    特に注目すべきは2003年の「100年に一度の出来」、そして、09年と10年に立て続けに「過去50年でも素晴らしい出来」などというインフレ具合でしょう。

    これは売りたい為の”戦略”なのでは??という気持ちにもなってきますね。そこで、このボジョレーの評価を掘り下げて調べてみることにしました。

    キャッチコピーの「出来がいい」とは何か

    そもそも、「出来がいい」とはどういうことを指すのでしょうか

    これは一般的なワインの話ではありますが、

    • 日照時間が多い(ブドウが完熟する)
    • 収穫時期周辺に雨が降らないこと(水っぽくならず、凝縮する)

    が出来のいいワインの条件ということになります。

    つまり、天候の良しあしに左右される、といえます。それであれば天気が良かった年を調べればいいのでしょうか?いえ、それよりももっと分かりやすく表現したものがあるのです。

    年ごとの出来栄えを「点数化」したものが存在する

    当然、日本だけがお祭り騒ぎをしているわけではありません。ワインには世界的な評価専門誌が存在します。

    これらの評価専門誌では「ワインの生産地区」「年度ごと」にワイン原料であるブドウの出来栄えを点数化しています。

    つまり、ボジョレーヌーヴォーが生産されるボージョレ地区を点数化した一覧(=ヴィンテージチャート)と「ボジョレーのキャッチコピー」を照らし合わせれば、より正確なものが出来るのでは、と言うことです。

    ここでは2つのワイン評価誌(英文)を参考に見てみましょう。

    ワイン・エンスージアスト誌

    米国の権威あるワイン評価誌で、ワイン評価誌としては世界3位の位置に君臨。Wine Enthusiastのスペルの頭文字から通称「WE」と表記されます。

    このワイン評価誌では産地ごとに点数化されています(元のヴィンテージチャートはこちら)。ボジョレーヌーボーの産地であるフランス・ボージョレ地区のみを、まとめるとこうなります。

    90点以上を赤字、また、93点以上を太字にしてみました。もう1種類、別のワイン評価誌を引用しましょう。

    ワイン・アドヴォケイド誌

    世界一の権威を誇るワイン評価誌。監修者であるロバート・パーカー氏は”ワインの帝王”とも呼ばれ、彼が個々のワインに評価をつけた点数は「パーカーポイント」と呼ばれ絶対的な権威を持っています。

    パーカーポイントによるワイン銘柄の評価は、ワインの値段の高騰に結びつくものとなっているそう(元のヴィンテージチャートはこちら)。

    同じように、ボージョレ地区のみを引用したのが以下です。

    2014年が未評価ですが、おおむね傾向は似たものが感じ取れると思います。ともに100点満点方式ですので、この2つの評価誌の評価を足して2で割ったものを「平均値」として、キャッチコピーと照らし合わせましょう。

    ズバリこれが本当の「ボジョレーヌーボーのコピー」だ!!

    本当に素晴らしい出来のベスト5はこれ!!

    • 4位タイ:2011年 2誌平均91.5点「近年の当たり年である2009年に匹敵する出来」
    • 4位タイ:2003年 2誌平均91.5点「100年に1度の出来」
    • 3位:2010年 2誌平均93点「1950年以降最高の出来と言われた2009年と同等の出来」
    • 2位:2005年 2誌平均93.5点「ここ数年で最高」
    • 1位:2009年 2誌平均96点「過去50年でも素晴らしい出来」

    つまり概略としてはこうだ

    1995年~2003年まではイマイチの作柄が続いた

    2003年は「近年まれに見る出来」の年となった(100年に一度)

    2005年にまさかのそれを上回る出来の年になった(ここ数年で最高)

    2009年にまさかの05年を上回る出来の年になった(ここ50年でも素晴らしい出来)

    2010年は素晴らしい年だったが、2009年ほどではなく、「2005年並み」が正解(1950年以降~)

    ボジョレーのコピーは半分くらいは当たっている!

    ボジョレーヌーボーの評価はニュースで言うところの「速報」であります。実際は、数年たって、やっぱりあの年は良い出来だったねと評価されるものだということを知っておくべきです。

    ボジョレーのキャッチコピーはウソ!ではないことがご理解いただけたでしょうか。特に、2003年~2010年までの8年間は、奇跡的な作柄が3年も出てきているため、2、3年に1回の「奇跡的な出来!」に懐疑的になることは無理もないでしょう。

    ぜひボジョレーヌーボーを読んでみよう!

    さて、このようにまとめたものを読んでいると、2016年のボジョレーヌーボーを試してみたくなりませんか?

    ボジョレーヌーボーはそのフレッシュな味わいで、ワイン初心者にも飲みやすく、イチゴキャンディのようなフルーティーな味わいが魅力のワインです。

    ぜひとも、普段ワインを飲まない方もチャレンジしてみてはいかでしょうか。

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