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靴のプロが語る、勝負靴をダメにしないお手入れ術

誰しも1足は持っている「勝負靴」。よそ行き用の靴として大事に保管していたつもりなのに、久々に使おうとすると「ヒビ割れしていた」「カビが生えていた」なんて経験はありませんか?

そんな失敗を未然に防ぐために、靴屋「銀座ワシントン」銀座本店のショップマスター・小根山裕人さんに、靴をダメにしないお手入れ方法についてうかがってきました。

本記事は、2017年6月の取材情報をもとに執筆されたものです。

靴を劣化させる3大原因は「水分」「ホコリ」「汚れ」

靴を劣化させる原因は何なのでしょうか。

小根山さん「一番の大敵は湿気、というか水分ですね。それとホコリから保護することです。あとは泥などの汚れをそのままにしないことです」

靴の手入れというと、クリーナーやブラシ使った靴磨きなどを想像しがち。しかし、アイテムをそろえるのも、時間をかけて手入れするのも大変です。そこまでしなくても、靴を劣化させる原因をとり除くだけで、靴のダメージは大幅に防げるのです。

靴の劣化をもたらす1番の敵は湿気と水分

水は蒸発するときに靴の表面の水分を奪います。そのため、靴を濡れたまま放置すると革が乾燥してひび割れの原因になります。

また、雨の日だけでなく足からも汗を出るため、ケアをしないまま風通しの悪い場所に収納するとカビが発生する原因にもなります。

湿気対策は1年中必要なのです。

雨の日は手早く水気を拭き取ろう!

革靴の敵は水分ですが、雨の日はどうしても水に濡れずにはすみません。

小根山さん「靴が濡れてしまった場合、力を入れてゴシゴシ拭き取らないこと。次にできるだけ早めに水分を取り除くことですね。水以外の汚れに対しても同様で、早めに対応することが大事です」

拭く布は「ポリッシングクロス」という専用の柔らかいコットン製の布も販売されていますが、家庭にあるものだと、古いハンカチやTシャツでも代用が効きます。

出先などで汚れた場合、ティッシュペーパーで拭き取るだけでも違ってきます。

湿気対策に用意したいシューキーパー

シューキーパーは、靴の形を新品状態のまま、できるだけキープするための道具のこと。木製のもの(「シューツリー」とも呼ばれます)を使うと吸湿効果も期待できます。

シューキーパーは靴の専門店のほかに、ホームセンターや、安いものだと100円ショップでも手に入ります。安いもので試してみて、効果が実感できたらより高いものにステップアップするのもいいでしょう。

ちなみに、お店で靴を買うと、中に紙を丸めたものが入っていることがありますが、一定の効果はあるものの十分ではないとのこと。

やはりシューキーパーなどで、形を整えながら保管する方がよさそうです。

手軽に始められる除湿対策は「除湿剤」

除湿剤は「靴用」とうたっている除湿剤を使いましょう。

インターネット上などでは、お菓子や乾物に同梱されてくる乾燥剤を靴の中に入れて転用するといったアイデアが見られますが、食べ物の臭いがつく恐れがあるためおすすめできません。

シューツリーより安く手に入るものが多いので、手始めに除湿剤から試してみてもよいですね。

新品の状態で使いたい水対策・防水スプレー

水対策で有効なのは防水スプレーです。

小根山さん「あらかじめ防水スプレーをかけておくことをおすすめします。特にスエードなど起毛素材に有効です。いろいろな種類があるので、素材に合ったものをお使いください」

スプレーはかけるだけでなく、スムースレザー(なめらかな皮)なら拭き取ったり、スエードのような起毛皮革ならブラシをかけたりと、なじませるものもあります。製品によって違いがありますので、靴の素材を確認し、スプレーの説明書をよく読んでから使いましょう。

小根山さん「防水スプレーは約2週間程度しか効果が持続しません。たとえ履かなくても一定の期間が経過したら、忘れずにかけ直してあげてください

手に入りやすい防水スプレーとして「COLUMBUS 防水スプレー アメダス」があります。

袋か箱に入れてホコリ対策を!

細かいホコリは取り除きづらく、靴をくすんだ、みすぼらしい感じにしてしまいます。

ホコリ対策は、袋や箱など、ホコリが立たない狭い空間に1足ずつ入れて保管すればOKです。

小根山さん「靴屋さんで保管するときは箱が多いですが、特に箱がいいということではありません。箱の中でも通気が悪ければ、カビが生えることもあります

袋は靴屋さんのほか、スポーツ用品店などで手に入りますが、通気性のいい布の袋であればエコバッグのようなものでも使えます。

「箱を積み重ねて収納したいが、箱を捨ててしまった」という人は、靴のサイズに合った段ボール箱や、パルプ製のロッカーなどを使うといいでしょう。その場合も、持っているようならシューツリーを忘れずに入れてください。

シーズンの区切りは「革靴の丸洗い」サービスで汚れを落とそう

「革靴は水に弱い」とされていますが、意外にも最近増えているのが「革靴の丸洗い」サービスです。

小根山さん「洗い方を間違えなければ、丸洗いは靴の寿命を延ばすうえでも非常に効果的な方法です。秋冬ものなど、シーズン終了後に利用するのがよいと思います」

お金(約3500円〜)や日数もかかるので、「革靴の丸洗い」サービスは頻繁には利用しづらいかもしれません。しかし、高価なブランドの靴や、お気に入りの靴を長く履きたいという人にとっては使ってみる価値は十分にあります。

革靴の丸洗いは自分でやるのはおすすめできません。専門業者に依頼しましょう。

定期的に靴の状態をチェック・ケアしよう

しまいっ放しだと靴の状態がわからないため、素材によって年に1、2回、場合によっては数回点検するのがおすすめです。

小根山さん「エナメルやゴム製の靴など、温度や湿度の影響を受けやすい素材は、季節の変わり目にチェックするのがよいですね。お盆や年末の大掃除のときなど、イベント化してまとめて行うとストレスなくできますよ」

エナメル素材のヒビ割れ対策は専用ローションを使おう

光沢の美しいエナメル素材は、革の表面に塗った塗料が温度や湿度によって変化するため、ヒビ割れを起こすこともあります。光沢を曇らせることなく使える専用のローションがあるので、定期的に使い、塗料と革のなじみをよくして長持ちさせましょう。

デリケートな素材なので、ケア用品を買おうとした場合、できれば専門店に現物を持って行って、相談することをおすすめします。

小まめな手入れが靴の寿命を伸ばす

定期的に防水スプレーを使ったり、デリケートな素材のものはケアしたりと、小まめに気にかけるのが1番大事です。

これから本格的な雨のシーズンに入ってきますが、まず防水、そして濡れたら早めに水分を拭き取るなど、小まめに気にかけてお気に入りの靴の寿命をできるかぎり伸ばしてあげてくださいね。

取材協力

小根山裕人さん
銀座ワシントン銀座本店シューリペアショップのショップマスター。一般社団法人東靴協会が認定する「シューフィッター」の資格保持者。

銀座ワシントン銀座本店シューリペアショップ

1933年の創業から80年を超え、今も同じ場所に店舗を構える「銀座ワシントン」銀座本店。

(image by 筆者)

このライフレシピを書いた人
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