\ フォローしてね /

外国産でも安心!レモンについた農薬の洗い落とし方

編集部からのポイント

  • ベタベタの原因

    自然に分泌されたものと人工的につけたベタベタがある

  • 落とすべきは防かび剤

    防かび剤は皮に染み込んでいるので表面を洗うだけでは落ちない

  • 取り除く方法

    皮に染み込んだ防かび剤は茹でて溶け出させる

  • 料理で使おうとレモンを買ってきたけど、なんだか表面がベトベトしていたりテカテカしていたりすることってありますよね。

    洗い流したいけど、どうやって洗えばいいの?そもそもこれって安全なの?という疑問が出てくると思います。

    そこで、レモンの表面についているものは何なのか、どのように洗えばいいのかをご紹介します。

    防かび剤は浸透性で一般的な洗い方では落とせない
    一般に知られている『塩で皮の表面を洗う』やり方では、皮に染み込んでいる防かび剤を落とせません。塩で落ちるのは何なのか、どういう場合に別のやり方で落とせるのか、しっかり解説します。

    表面についているものはなに?

    レモンの表面のベタベタの原因として考えられるのは、「ワックスブルーム」「鮮度保存被膜剤」「防かび剤」「農薬」の4つです。

    ワックスブルーム

    ワックスブルームとは果物や野菜が乾燥などから身を守るために自ら分泌している天然の物質です。わかりやすいものだと、ブドウの実についている白い粉のようなものがワックスブルームです。

    ワックスブルームは天然の物質で無害。

    鮮度保存被膜剤

    鮮度保存被膜剤はフルーツワックスとも呼ばれ、乾燥を防ぎ、鮮度を保つための食品添加物です。チョコレートやキャンディなどお菓子にも使われていて、食べても問題ありません。

    鮮度保存被膜剤はお菓子にも使われている添加物で口にしても問題ない。

    防かび剤

    防かび剤は外国から輸入される際にカビが生えたり腐ったりするのを防ぐために使われる薬剤です。「防ばい剤」と表示されている場合もあります。防かび剤は国産のものには使われていません。

    防かび剤は外国産のものにだけ使われている薬剤。

    農薬

    農薬は、ここでは栽培の工程で虫よけや病気予防のために使われたものを指します。外国産でも国産でも「無農薬」と書かれているもの以外は基本的に使用されています。

    農薬は虫よけや病気予防のため栽培中に使われている。

    見分ける方法は?

    原因として考えられる4つのうち、表示義務があるのは防かび剤だけです。

    防かび剤はどのように表示されるの?
    防かび剤が使われている場合は、売り場や包装の袋に何という種類の防かび剤を使用しているのか書かれています。反対に、使っていない場合は「防かび剤不使用」などと書かれていることが多いです。売り場に書かれている場合は買ったあとには確認できないので、買う際にしっかり見ておきましょう。

    つまり防かび剤以外は何を使っているのか判別できませんが、農薬を使っていないものには「無農薬」と書かれています。また、どのレモンにも産地は書かれているので、そこから3つのパターンに分けることができます。

    • 国産で無農薬:ワックスブルームか鮮度保存被膜剤
    • 国産だけど「無農薬」表記がない、外国産で防かび剤不使用:防かび剤以外のどれか
    • 外国産で防かび剤を使っている:防かび剤+農薬

    それぞれの洗い方

    1国産で無農薬の場合

    ワックスブルームと鮮度保存被膜剤はどちらも食べたとしても害のないものです。ただし、ベトベトを取りたい場合は、塩で皮をこすって洗う、野菜・果物にも使える食器用洗剤で洗うなどしましょう。

    また、袋などに入らずバラで売られていた場合は、いろいろな人が触っている可能性があるので必ず洗うようにしましょう。

    塩を使った洗い方

    • 塩を表面にかけます。
    • 手で表面全体をこすります。
    • 流水でしっかり洗い流します。

    食器用洗剤での洗い方

    • スポンジに洗剤をつけて泡立てます。
    • スポンジで表面全体をこすります。
    • 流水でしっかり洗い流します。
    食器用の洗剤で洗っていいの?
    食器用の洗剤の多くは用途として野菜や果物の洗浄も含まれています。製品の表示に書かれているか確認してみてください。洗ったあとはしっかり洗い流すようにしましょう。

    2国産だけど「無農薬」表記がない、外国産で防かび剤不使用の場合

    この場合は農薬が使われている可能性があるので、しっかり洗っておきたいところです。

    洗い方としては、無農薬のときと同じように塩で皮をこすって水で洗う、野菜・果物にも使える食器用洗剤で洗う方法や、食用の重曹を少量とかした水に浸けてこすり、水で洗い流す方法があります。

    外国産のものは農薬が多いのでは?
    外国産のものも輸入してくる段階で検査されているので、国産と比べて残留農薬が極端に多いということはありません。

    3防かび剤が使われている場合

    防かび剤は栽培中に使われる農薬とは違って皮に染み込んでいて、普通に表面を洗うだけではあまり取り除くことはできません。

    ただし、果肉の部分まではほとんど染み込んでいないので、果肉や果汁だけを使う場合には皮をむいて使えば問題ありません。

    果汁だけを使う場合でも皮をむかなきゃいけないの?
    果汁だけを使う場合でも、皮と一緒に絞ると皮から出た汁も入ってしまう場合があります。皮をむいてから絞るか、皮を曲げずに絞れるレモン絞り器を使うようにしましょう。

    皮の防かび剤を落とす方法

    防かび剤は完璧には洗い落とせない
    防かび剤は皮に染み込んでいるので完璧に落とすことはできません。しかし、大幅に減らすことはできます。少しでも入っているなら使いたくないという方は、皮を取り除いて果汁や果肉だけを使いましょう。

    防かび剤はお湯に溶け出しやすいので、茹でこぼすことで多くの防かび剤を取り除けます。特に皮だけの状態にして長い時間茹でることで、皮に染み込んだ防かび剤のほとんどを除去できます。

    「茹でこぼす」ってどういうこと?
    「茹でこぼす」とは、一定時間茹でてその茹で汁を捨てること。防かび剤の成分はお湯に溶けやすいので、茹でることで溶け出していきます。

    地方自治体が過去におこなった実験では、レモンやオレンジの皮を茹でこぼす方法で防かび剤の成分の8割から9割を除去できています。

    実験では茹でこぼす方法で8割〜9割を除去
    埼玉県(2003年)と福岡市(2013年)が行った実験では、この方法で防かび剤の成分の8割から9割を除去できています。
    企画テスト『輸入かんきつ類の防かび剤』|埼玉県消費生活支援センター
    [PDF]実験:洗浄・調理でオレンジの防かび剤は減る?|福岡市食品衛生検査所
     
    他の方法では効果が薄い
    福岡市食品衛生検査所の実験では、茹でこぼす以外にも「ただの水で洗う」「食器用洗剤で洗う」「塩もみをする」という方法も試されていますが、いずれもあまり効果がありませんでした。

    茹でこぼしのやり方

    茹でるのは皮だけなので、レモンを皮だけの状態にします。包丁でむいてもいいですし、絞り器などで果汁を絞り、果汁と果肉を使い切った状態でもOKです。

    • レモンを皮だけの状態にします。
    • 鍋に水を入れて沸騰させます。
    • 皮を入れて15分茹でます。
    • 皮をザルなどにあげてお湯を捨てます。
    • もう一度鍋に水を入れて沸騰させます。
    • 皮を入れてふたたび15分茹でます。
    • ザルに上げて流水で30秒ほど洗います。
    レモンをそのまま茹でちゃダメなの?
    編集部でも試しにレモンまるごとこの方法で茹でてみましたが、水がレモンに染み込んでしまい、とても料理に使える状態ではなくなったのでやめたほうがいいです。

    レモンをまるごと使うには?

    レモンをスライスして使うなど、皮も果肉も食べたいという場合も多いと思います。そのようなときは、茹でこぼしほどの効果はありませんが、熱湯に1分間浸けるという方法がおすすめです。

    同じく埼玉県消費生活支援センターの実験では、スライスしたレモンを熱湯に1分間浸けることで、防かび剤が40〜60%も溶け出ていました。これは、洗わずにレモンティーに使うのは良くないよ、という趣旨で書かれていますが、レモンを丸ごと熱湯に入れれば約半分の防かび剤を取り除けると考えることもできます。

    1分間であればレモンに水が染み込んでしまうこともありません。一度熱湯に入れてから流水で洗い流し、ふたたび新しい熱湯に1分入れるという方法ならさらに効果があるかもしれません。具体的な手順は下記のとおりです。

    • 鍋などで熱湯を沸かしてレモンを入れる。
    • 1分間、全体に熱湯が触れるように菜箸などで転がす。
    • ザルなどにあげて流水で洗い流す。
    • もう一度水を入れ替えて鍋でお湯を沸かす。
    • レモンを入れて1分間転がしながら熱湯に浸ける。
    • 最後に流水で洗い流す。
    2回沸かすの面倒だから水は入れ替えなくてもいい?
    鍋の水には防かび剤が溶け出しているので、そのままでは効果が薄まってしまいます。必ず入れ替えてください。
    他の国産のかんきつ類を使うという手も
    防かび剤が少しでも残っていたら嫌だという方は、味が変わってしまいますが、すだちやかぼす、ゆずなど他の国産のかんきつ類を使ってみるという手もあります。レモンとは違った風味や魅力が楽しめますよ。

    防かび剤の安全性は?

    安全基準内のものだけが市場に出てきている

    防かび剤を完全に取り除けない限り、外国産のレモンは食べるべきではないのでしょうか。

    日本の法律では、収穫後に使う防かび剤は「食品添加物」に分類されます。そのため、輸入した外国産の果物も食品衛生法によって国内のものと同じ基準で規制されることになります。

    つまり、外国産だからといって防かび剤など農薬の残留量が極端に多かったり、健康への悪影響が大きいということはないのです。

    外国産でも国産でも基準は同じ
    日本で流通する食品に使われる添加物は、食品安全委員会によって「一日摂取許容量」が設定され、これを超えないように食品ごとの使用量の基準が決められています。つまり、外国産か国産かによって規制基準が変わることはありません。
    どうして農薬が食品添加物なの?
    食品衛生法では、食品の加工や保存を目的に使用されたものを食品添加物としていて、防かび剤は保存のために使われているので食品添加物に分類されています。詳しくはこちらをご覧ください。食品添加物|厚生労働省

    防かび剤が禁止されない理由

    外国産のレモンやオレンジなどのかんきつ類は危険だ、という情報はネット上などでもよく見かけます。これは外国産に使われている防かび剤が国内では使用禁止になっていることや、防かび剤に発がん性のあるものが含まれていることが理由です。

    しかし現在、輸入レモンの9割以上をアメリカとチリから輸入していて、船で長時間かけて運ばれてきます。船の中は非常にカビの生えやすい環境になっているため、カビの発生を防ぐ必要があります。カビの中には強い発がん性物質を含め、有害な化学物質を発生させる種類もいるので、防かび剤は不可欠なものなのです。

    カビが作る毒「カビ毒」について
    カビの中には人体に有害な化学物質を発生させる種類もいます。カビの出す有害物質は「カビ毒」と呼ばれ、食中毒を起こさせたりや強い発がん性を持つものもあります。(参考:カビが作る毒の話|神奈川県衛生研究所リンク

    こうした理由で特別に許可されているため、防かび剤には表示義務があり、売り場や包装に表示されています。

    防かび剤にはどんなものがあるの?
    2018年8月現在、厚生労働省が認可している防かび剤は「オルトフェニルフェノール(OPP)」「オルトフェニルフェノールナトリウム」「イマザリル」「ジフェニル」「チアベンダゾール(TBZ)」「フルジオキソニル」「アゾキシストロビン」「ピリメタニル」の8種類です。(参考:輸入食品監視業務FAQ|厚生労働省リンク
    防かび剤についてより詳しく知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。
    Q3.ポストハーベストの規制はどうなっている?|厚生労働省
    防かび剤検査結果|東京都市場衛生検査所

    買うときから意識できると◎

    国内で流通しているレモンのうち約9割が輸入されたものなので、国産のレモンが欲しくても近所のスーパーでは売ってないということがよくあります。

    外国産のレモンを使う場合はどうやって洗えばいいのか、法律ではどのように扱われているのかを知っておくことで、もし使うときに安心できますよね。

    スライスレモンを使いたいから外国産は避けよう、果汁を使うだけだから外国産でもいいか、など、買うときにも用途に合ったものを選べるといいですね。

    このライフレシピを書いた人
    Banner line

    編集部にリクエスト!

    「こんなライフレシピがほしい」や「ここがわかりにくかった」などをお送りください。