1. 暮らし
    2. コレ知ってた?土鍋のおいしい活用術と正しいお手入れ方法

    暮らしの情報サイトnanapi 更新停止のお知らせ

    2019年6月30日(日)をもって更新を停止致します。詳しくはこちらをご確認ください。

    コレ知ってた?土鍋のおいしい活用術と正しいお手入れ方法

    nanapi
    nanapi
    nanapi
    nanapi
    nanapinanapinanapinanapi
    ここがおすすめ

    編集部からのポイント

    • 米ふっくら

      遠赤外線とじんわり加熱でごはんも料理も美味しくなる

    • メーカー直伝

      土鍋についての先入観や誤った知識をリセット

    • 暮らし格上げ

      美味しい煮物はもちろんもカレーもプリンも土鍋で作れちゃう

    • ごはんがふっくら美味しく炊けると評判の土鍋。気にはなるけど、扱いが難しそう…と尻込みしていませんか?

      「土鍋ってデリケートに思われがちですが結構大丈夫です!ごはんや鍋料理のイメージが強いけど、それだけじゃもったいない!揚げ物だけはできないけど、それ以外はほぼできます」

      そう語るのは、炊飯土鍋「かまどさん」で人気の、伊賀焼窯元「長谷園」東京店イガモノ店長 長谷 伊佐子さん。今回は、土鍋のお手入れと活用方法を、長谷さんに詳しくうかがいました。知れば知るほど土鍋がもっと好きになります!

      土鍋ってこんなに魅力的!

      遠赤外線効果と余熱力

      土鍋は煮物やごはん炊きが得意です。遠赤外線効果でじんわり熱が伝わり、火を止めた後も蓄熱したままゆっくりと温度が下がるので、余熱でもよく火が通ります。おかげで煮物もよく味が染み込んで、グツグツ煮込む必要がないので煮崩れしらずです。

      オーブンでも使える

      土鍋はそのままオーブンにも入れられるので、蒸し器がなくてもプリンケーキ が作れます。

      長谷さん「土鍋はオーブンに入れられます。余熱でじっくり蒸らせるので、例えばプリンも、キメが細かいトゥルトゥルの舌触りが楽しめます」

      電子レンジでも使える

      土鍋は電子レンジにも入れられるので、野菜の下ごしらえや蒸し料理なども作れます。

      電子レンジは、重量のあるものの温めには加熱時間がかかってしまうため、小さめの土鍋を使うのがおすすめです。大きな土鍋のレンジ加熱は、ガス火よりも時間がかかってしまいます。

      長谷さん「土鍋の粗土の吸水性を利用して、水を吸わせた小さい土鍋や、専用の陶製おひつでごはんを温めると、冷めたごはんも炊きたてのように美味しく温めなおせます」
      金属の装飾がついたものはレンジ加熱しない
      電子レンジで金属を加熱すると火花が散る可能性があります。美しい装飾も劣化してしまうので気をつけて。。
      IH対応土鍋は電子レンジで使えるの?
      取扱説明書を確認するか、メーカーに確認してから使用してください。対応のものであれば使用できます。

      「空焚き対応土鍋」だとさらにこんなこともできる!

      「炒める・焼く」調理ができる

      土鍋は「油で炒めてはいけない」と言われますが、空焚き対応の土鍋なら油で炒めたり焼いたりができます。

      長谷さん「炒めたり焼いたりできる土鍋なのか、できない土鍋なのかは、土の配合によって違うため見た目だけではわかりません。取り扱い説明書やメーカーに確認してみてください」

      「空焚き」調理ができる

      空焚きに対応した土鍋であれば、焼き芋や焼き枝豆、燻製などがつくれます。燻製は煙が外に出ない構造の土鍋もあり、色々な料理に挑戦したい人は、料理の幅が一気に広がりますね。

      空焚きでの調理ってなに?
      空焚きは、水や食材を入れずに火にかけることをいいます。焼き芋などの水分が出ない食材を、土鍋に入れて火にかけるのが空焚きでの調理です。
       
      【空焚きと無水調理は何が違うの?】
      空焚きは食材から水分が出ないのに対し、無水調理は食材から出る水分を利用して調理をします。水を加えなくても水分が出るため、空焚きとは違う調理方法です。
      空焚き対応の土鍋だと料理の幅が広がる。

      土鍋でごはんが美味しく炊ける理由

      土鍋といえば、「ごはんが美味しく炊ける」というのはよく知られていることですが、しっかりとした理由があります。

      金属の鍋と土鍋の大きな違いは、熱の伝わり方と水の対流です。土鍋だとじっくり熱を伝え、お米が芯からふっくら炊き上がります。

      長谷さん「ごはん炊きに向いている土鍋の形状は、丸みがあって深さがあること。深さがあると水が対流しやすく、吹きこぼれしにくいです。吹きこぼれをすると美味しい『おねば(お米のうま味成分)』がこぼれ出てしまいます」

      吹きこぼれを防ぐコツ

      • お米と水を入れた時に鍋の7分目以下になる量で炊く
      • 火をつけたら目を離さない
      • 沸騰したらすぐに弱火にする

      吹きこぼれにくい構造のごはん炊き専用土鍋

      長谷園の「かまどさん」は、便利な内ぶたが吹きこぼれを防いでくれます。火加減が苦手でも安心。一見かわいらしいデザインの中に、機能を突き詰めた工夫がつまっています。

      ごはん炊きにはIHヒーターよりガス火が向いている

      一般的なIH対応の土鍋は、土鍋の底に熱を伝えるための金属が仕込んであります。この金属がIHヒーターによって温まることにより、加熱調理ができます。

      鍋料理はできますが、IHヒーターでの加熱は、土鍋側面が温まるまで時間がかかるため、美味しくごはんを炊くには構造的に向いていません。

      長谷さん「IH対応土鍋でもごはんは炊けますが、直火のように美味しく炊けるかというとそうではないんです。直火のように土鍋全体を包み込む火で全体から加熱できず、熱ムラができてしまいます」
      IH対応土鍋はどんな料理に向いているの?
      基本的に鍋物全般に向いています。IHヒーターを止めても冷めにくいので温かいまま食べられます。
      IHヒーターは底面からしか熱が来ないので、ごはんを炊くのには向かない。

      ここに気をつけて!「よくない使い方」

      普通の土鍋か、空焚きなどの対応土鍋であるかどうかに関わらず、すべての土鍋でダメージがある「やってはいけないこと」をまとめました。

      以下の3つは土鍋の寿命を縮めるのでやらないように!

      揚げ物の調理

      長谷さん「大量の油での揚げ物は避けてください」

      土鍋は吸水性があり、油も染み込んでいってしまうので、油をたくさん使う調理はやめましょう。

      鍋底に水滴がついたまま火にかける

      長谷さん「土鍋を火にかけるときは水気を拭いてください。鍋底に水滴がついた状態で火にかけると、ヒビが入ることがあります。ただし、カラカラに乾かないと火にかけてはいけないわけではありません。拭けば大丈夫です。」

      土鍋を火にかけるときに底が濡れている場合は、布巾などで水分をふき取っておきましょう。急激な温度差でもヒビがはいることがあるため、熱い土鍋を急に水につけたりしないようにしましょう。

      つけ置き洗い

      長谷さん「使ったあと水につけてそのまま朝まで…など、長時間のつけ置きは、あまりよくないのでしないほうがいいですね」

      土鍋は吸水性があるので、つけ置きをすると水を吸ったり目詰まりを起こしたりします。使ったらその日に洗い、乾燥させましょう。

      ごはんを炊く前の浸水は別の容器でやるの?
      放置時間が60分程度なら土鍋でやっても大丈夫ですが、一晩置くような長時間の浸水を習慣にするのはおすすめできません。土鍋自体に吸水性もあるので、水が吸われて水加減も変わってしまいます。日常的に一晩浸水させたい場合は別の容器でやりましょう。

      ずっと長持ちさせるための「お手入れ方法」

      土鍋はお手入れすればかなり長持ちします。子供の頃から実家で使っているような土鍋は、まだまだ現役というイメージがありますよね。

      長谷さん「土鍋は割れなければいつまででもお使いいただけます。ちょっとしたヒビでもおかゆを炊けば埋まります。そういうメンテナンスをすると、長い方だと30年くらい使っている方もいますね。うちの土鍋も15年くらいになります」

      使い始めは「目止め」をする(おかゆを炊く)

      どんな土鍋でも、購入したら一番最初に「目止め」というおかゆ炊きが必要です。土鍋には目に見えない小さな穴が空いており、これをおかゆの粘り気がコーティングしてくれます。

      これをしないと、煮えが悪かったり漏れたりするので、必ず行うようにしましょう。

      目止めのやり方

      • 1:土鍋に茶碗1杯程度の残りごはんを入れる
      • 2:水かお湯を土鍋の8分目まで入れる
      • 3:ごはんをほぐすように混ぜ弱火で炊き込む
      • 4:おかゆが炊けたら火を止めて1時間〜一晩置く
      • 5:おかゆを取り除く(おかゆは食べられます)
      • 6:水洗いして完了

      おかゆを炊いたあと、可能であれば一晩置いておくと、しっかりコーティングできるのでおすすめです。目止め後のおかゆは食べられます。

      空焚き対応の土鍋も目止めは必要?
      空焚き対応でも、汁物を調理する場合は必ず目止めをしましょう。土鍋によって違うので、取扱説明書を確認してください。

      洗うときは食器用洗剤で

      一般的に土鍋の使い方について「洗剤を使ってはダメ」と思われがちですが、土鍋は中性洗剤で洗っても大丈夫です。

      つけ置きはダメだけど、洗剤で洗うのはOK

      焦げは「ふやかして」落とす

      土鍋を使っていれば、焦げてしまうこともあります。焦げはそのままにしておくと、焦げぐせができてしまい、同じところが焦げるようになります。

      たいていの汚れはふやかしておけばとれますが、それでも落ちない場合はこちらの手順で対処しましょう。

      • 1:ふやかして洗う
      • 2:落ちなければ部分的に金だわし
      • 3:それでも落ちなければ重曹(目止めが必要)

      金たわしでの焦げ落としの方法

      ふやかしても焦げが落ちない場合、金たわしやスチールたわしを使います。土鍋全体ではなく、「焦げている部分だけ」をたわしで細かく擦ります。全体を擦らないように注意しましょう。

      全体を擦ると傷がつく
      金たわしを使うときは、必ず焦げのところだけを擦りましょう。全体をゴシゴシと擦ると、表面に傷がついてしまいます

      重曹での焦げ落としの方法

      金たわしで擦っても落ちない場合は、重曹を使います。土鍋の8分目まで水を入れ、重曹(小さじ1杯)を加えて約10分煮立てます。冷めたらよく洗い、「目止め」をおこなってください。

      重曹を使うのは最後の手段。まずはふやかしてとる。

      収納するときは乾燥させてから

      土鍋をしまうときは、洗ったら必ず水分をふき取り、ひっくり返して鍋底を上にして、しっかり乾燥させるのが基本です。

      長期間しまう場合は、十分乾燥させないとカビの原因になるため、2日ほど乾燥させるといいでしょう。

      乾燥させてから収納しないとカビが生える。

      レンジで乾燥させる方法

      土鍋はレンジで水分を飛ばして乾燥させることもできます。電子レンジに土鍋を入れて、ふたと鍋を別々に、500W~600Wで3分ほど加熱します。加熱後は、ふたをせずに冷めるまで待ちましょう。温かいうちにふたを閉めるとカビの原因になるので、十分に乾かします。レンジ加熱後は、熱くなっているので、火傷に気をつけて取り出してください。

      金属の装飾がついたものはレンジ加熱しない
      電子レンジで金属を加熱すると火花が散る可能性があります。美しい装飾も劣化してしまうので気をつけて。

      困ったときの対処方法

      ヒビが入ってしまったら?

      土鍋は火にかけて温めると膨張し、冷めるときに収縮するため、ヒビが入ることがあります。

      ヒビが入ったときの処置方法

      少しでもヒビが入ったら、「目止め」をするようにしましょう。

      長谷さん「水を入れたときにお水が出ちゃうような、大きなヒビだったら買い換えたほうがいいです。最初はちょっとしたヒビでも、放っておくと段々大きくなってしまうので、ヒビに気づいたら早めにおかゆを炊いてください」
      ヒビに気づいたらすぐに目止めで対処。

      カビてしまったら?

      しまっておいた土鍋が、いつの間にかカビだらけになっていた、ということはありませんか?土鍋は乾燥が十分でないとカビの原因になります。

      カビが生えたときの処置方法

      土鍋は、カビが生えても取ってしまえばそのまま使えます。

      ただし、うわぐすりがかかっていないところにカビが生えてしまうと、カビが取れてもカビの跡が残ってしまいます。跡が残っても気にならない場合は、こちらの方法で殺菌・消臭しましょう。

      • 1:土鍋に8分目くらいの水を入れる
      • 2:そこにレモン汁を大さじ2杯~3杯程度入れる
      • 3:約10分煮沸する
      長谷さん「カビの取り方は何種類かありますが、お水をはったところにレモンなどの柑橘系の汁をしぼってグツグツ煮沸すれば大丈夫です」
      カビが生えても煮沸すればカビは取れるのでまた使える。

      美味しいものが食べたいから毎日使える「土鍋」を

      今回取材させていただいた「長谷製陶」さんは、三重県の窯元でお酒好きと食いしん坊が集まってものづくりをしているそうです。

      土鍋の中でも機能的な鍋が得意。「飲みながらできたての燻製を食べたい!」と卓上でも使える煙が出ない土鍋をつくったり、ごはんが簡単に美味しく炊けるように、二重ぶたで肉厚な土鍋をつくったり。お話をうかがっていると、美味しい料理を生みだす「道具」としての土鍋作りに真剣な様子が伝わってきました。

      これまでは土鍋といえば「秋冬の鍋物」という印象でしたが、今回土鍋の魅力をたくさんお聞きして見方が変わりました。これからは一年中、土鍋の特性を生かした美味しい料理が楽しめそうです。みなさんもぜひ土鍋の良さを体感してみてください。

      お話をうかがった方

      長谷園 東京店イガモノ 店長
      長谷 伊佐子さん
      このライフレシピを書いた人
      このライフレシピに関係するタグ