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高校「国語」<古文>の『徒然草』読解のポイント

つれづれなるままに、という表現は子供でもなんとなくわかるほど現在にいたるまで流行っていますね。つれづれなりが古文単語だったので、『徒然草』がその発端だとは、古典を学ぶまで解らないものです。『徒然草』読解のポイントをご紹介します。

作者について

徒然草の作者は卜部兼好という男性です。卜部家は神社を継ぐ神職で、神祇官になるような家柄の出身でした。鎌倉時代から南北朝時代にかけて、貴族の家司として活躍し仕官もながら30歳ほどの若さで出家遁世した人物なのです。

兼好法師といわれたり、後世には卜部家が吉田家になったため、吉田兼好といわれたりもします。

おおまかな内容

世情を写した歴史資料

卜部兼好は、俗世を離れ、世の危機をリアルタイムの事件や人物譚を混じえつつ随筆にしたためていました。南北二つの天皇家と武士の世の変わり目という世情を映し、仕官も困難になった苦渋が描写されています。

リアルタイムな内容

自然と人の死、居を構えた辺りの寺の話など、日々胸をよぎることが、リアルタイムで描かれています。

譚(タン)とは話や物語のことです。

文体

全244段で、かな文字が主な和文と、和漢混淆文の両方がでてくるのがポイントです。

現代に近い漢字交じりの自然な和文で筆致されていて、とても目に馴染みやすいのが良い所です。仏教の諦観、無常観に満ちた落ち着いた筆致です。

つれづれなるままに、から始まる序段

必ず毎年全国のどこかの学校の入試問題となっている、といっても過言ではない学ぶポイントです。

最頻出レベルの古文ですから、意味もあわせて覚えていて損はなさそうです。

読解のポイント

  • 今の人にもわかる話が多いので、現代語訳をさくさくと読んでしまうのがポイントです。
  • 現代の日常使い上の意味ではなく、遥かな昔、『徒然草』のテーマ(主題)として「つれづれ」がどんな意味を持っていたのか、が読解の重要なポイントです。
  • 仏教色の強い当時の時代背景を察するなら、いっそう作品のテーマ(主題)が読みやすくなってくるかもしれません。

重要文化財の『徒然草(写本)』

『徒然草』は書かれてだいぶしてから原本が人に写されて読まれるようになったのです。

南北朝時代にかけて卜部兼好によって書かれてから約百年あとの室町は義教将軍家時代の奥付のある二巻組が現存しています。

そして今では、国の重要文化財に指定されています。

男性によるエッセイとして今に伝わる最初の有名な文学ですので、日本人男性のエッセイの基本形にふれてみるなら『徒然草』!というほどで、世の男性にも案外隠れファンがいたりします。

昔から人がどんなことを思いながら生きていたのか、という興味が自然湧いてきそうです。

謙譲語や自問自答的な文、自責的な内省の文、他者へのシニカルな批判とそれを支える主義主張などが書き綴られていて、読むとスッキリするくらい明晰で冷静で枯れた感性、「無常観」が素敵です。

読解のポイント

  • 『徒然草』序段
つれづれなるままに 日暮らし硯にむかひて 心にうつりゆくよしなし事を そこはかとなく書き付くれば あやしうこそ物狂ほしけれ。
することもなく手もち無沙汰なので 一日中硯に向かい 心にうかんでゆくつまらない事柄を とりとめもなく書いていると 妙にひどくへんな気がしてくる。

古文単語の品詞を一つ一つ確認して、文に調子を合わせながら、ゆっくり訳をあてはめていくのがコツです!

『徒然草』序段の「日暮らし」は「日々暮らし」などと誤訳させるヒッカケで問われる箇所でもあります。

「日暮らし」は古語で、の品詞は副詞、意味は一日中となっています。

こういうふうな、現代人が拡大解釈できそうな表現であっても、古語として別の意味がある文に注意するのも現代文に訳す際のポイントです。

おわりに

非常に賢い人なんだ、と思わざるを得ない内容の、日本三大随筆の一つですよ。

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