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    高校生物!個体群と生物群集の学び方

    生物は単独ではなかなか生きていけないものです。

    その生物たちが互いにどのような関係で生活しているのか?

    それを学ぶのが個体群と生物群集の分野です。生態系は上の図のように成り立っています。

    今回は、上の図を解説する形で個体群と生物群集について解説していきたいと思います。

    個体群

    個体群とは一定地域内の同種の個体の集まりのことです。

    個体群の中では雌雄や親子の関係、食物の取り合い等いろいろなことがおこります。個体群を理解する上でのキーワードは

    • 個体群密度(=個体群を構成する個体数/生活する面積または体積で表される)
    • 成長曲線(個体群の変化を表したグラフ)
    • 競争(種内競争、種内効果のひとつ)
    • 密度効果(個体群密度の変化によって個体群の成長率や個体の発育・形態・生理等が変化すること)
    • 群生相と孤独相(個体群密度によって起こる変化、ワタリバッタが有名)
    • 相変異(個体群密度の違いによって生じる形質の変化、ワタリバッタでは群生相と孤独相に変化すること)
    • 生命表と生存曲線(うまれた卵等が成長するにつれてどれだけ生き残るかを表した表とグラフ)

    のようなものがあります。その中でも問題に出てきやすい密度効果と生存曲線を紹介します。

    密度効果

    個体群の分野の中で問題になりやすいのが密度効果だと思います。

    • なぜ密度効果が起こるのか
    • なぜ密度効果のグラフはS字型をしているのか
    • なぜグラフが一定になるのか

    など、いろいろな聞かれ方をされますが、どれも聞いていることはおなじです。

    押さえておくポイントはなぜ密度効果が起こるのかです。

    これは、生物は限られた区域で生活しているため、資源(餌や巣を作る場所など)が限られており、そのため種内競争が起こってしまうためある程度のところで個体数が増えなくなってしまうからです。

    生存曲線

    うまれた卵や子供、種子が成長するにつれてどれだけ生き残るか示したグラフが生存曲線です。

    では、生存曲線はどんなときにどういう形になるのか?パターンは大きくわけて3つあります。

    上の図を見て下さい。赤、緑、青の3本がありますが

    • 赤は子供や卵の時の死亡率が高い種族(早死型)で、貝類や魚類に多いです。
    • 緑はそれぞれの時期の死亡率がほぼ一定の種族(平均型)で、鳥類に多いです。
    • 青は子供の時の死亡率が低く、寿命付近で死亡が集中する種族(晩死型)で、ヒトがこれにあたります。
    生存曲線では、早死型・平均型・晩死型の3つがそれぞれいつの死亡率が高く、どんな生物がその型か覚えておきましょう。

    個体群内の関係

    個体群内の関係(種内関係)には以下のようなものがあります

    • 群れ(同種の個体が集まって統一的な行動をするもの。ニホンザルなど)
    • 縄張り(テリトリーともいう。一定の空間を特定の個体または群れが占有する。アユなど)
    • 順位(個体間に優位・劣位の順序が決まってくるもの。ニワトリなど)
    • 社会性昆虫(同種の個体がコロニーを形成して生活しているもの。それぞれの個体が分業している。ミツバチやアリなど)
    種内関係に関しては、それぞれの関係と大まかな内容を把握しておきましょう。

    異種個体群間の関係

    一定地域内に同じ種類の生物しかすんでいないということありません。

    次に、異種個体群間の関係(種間関係)についてです。種間関係に関する用語は以下のようなものがあります。

    • 生態的地位(ニッチ)(生物種が食物連鎖のうえでしめる栄養段階や自然界での生活場所を総合していうことば)
    • 競争関係(生活スタイルが似ている(餌が同じ等)種族間で起こる関係。餌や住処をめぐって争いが起こる)
    • 食物連鎖(食べる(捕食)、食べられる(被食)の関係が鎖のようにつながっていること)
    • すみ分けと食い分け(ニッチが似ている生物が住処をわけたり、餌にする生物の種類をかえて共存すること)
    • 相利共生(両方とも利益を受ける共生関係)
    • 片利共生(一方の種のみが利益を受け、他方には利害がない共生関係)
    • 寄生(一方の生物が栄養と生活の場所を他方の生物に依存して生活する)
    • 片害作用(一方の生物によって他方の生物が害を受ける種間関係)
    多くの用語がありますが、特に太字のものは意味も含めて覚えておきましょう。

    生物群集

    いくつもの個体群の集まりが生物群集です。

    生物群集は大きくわけて動物個体群の集まり動物群集と、植物個体群の集まり植物群落群落ということもある)に大別されます。

    個体群と生物群集

    では、個体群と生物群集はどのように影響しあっているのでしょうか。

    生物群集は異種個体群間の関係で起こる競争関係や食物連鎖などが積み重なったものです。

    では生物群集の中の1つの個体群に変化が起きたらどうなるでしょうか。ここでは、最もわかりやすい食物連鎖について説明します。

    個体群の変化による生物群集の変化

    図のように、ある生物群集が4つの個体群A,B,C,Dによって成り立っていたとします。

    • あるとき何らかの原因で個体群Bの個体数が増えたとします(右上)。
    • すると、個体群Bに捕食される個体群Cは食べられてしまう個体が増えるので、数が減ってしまいます(左下)。
    • そうすると個体群Bは餌が減ってしまうのでまた数が減ってしまい、ほぼもとに戻ります。(右下)。

    このようにして生物群集はその中でのバランスを絶妙に保っているのです。

    個体群の状況が変化すると、一時的に生物群集の状況が変わってしまうように考えられますが、種間関係によって修正され元に戻るのです。

    ここで、生物群集の中でも問題になりやすい植物群落について解説します。

    植物群落を勉強する上で覚えておいたほうが良い用語に以下のようなものがあります。

    • 優占種(群落を構成する植物のうち、背が高く、数も多い種)
    • 相観(植物群落全体の外観。優占種によって異なり、群系の分類の目安となる)
    • 群系(相観によって分類された植物群落のうち、森林の分類)
    • 階層構造(森林で明るさや湿度の違いのため生息植物が層によって違うこと)
    • 林冠林床(森林の最上部と最下部)
    • 水平分布垂直分布(緯度による生息植物の変化と高度による生息植物の変化)
    どれも大切な用語なので覚えておきましょう。

    森林の構造

    森林の構造は図のようになっています。日本の発達した森林では高木層・亜高木層・低木層・草本層の4層が主にみられ、それに加えコケ等が生える地表層、そして土の中の地中層があります。

    この階層構造にあわせて動物も生活しており、複数の階層にまたがらないことが多いです。

    遷移

    生物群集というのははじめから出来上がっているものではありません。時間の経過によって移り変わっていくものです。この、生物群集が一定の方向性を持って変化していく現象を遷移といいます。

    一次遷移の過程

    • 土壌のないところ(岩場)。岩石が風化を始める
    • 風化が進みコケ類や草が生え始める
    • 多年生の草が生えはじめ陽樹(日光がよく当たるところに生える木)が生え始める
    • 陽樹が成長して陽樹林になる
    • 林内が暗くなり、陽樹が成長できなくなってくるので陰樹(日光が少なくても生える木)に置き換わっていく
    • 陰樹林が何代も続く(この安定した群落を極相(クライマックス)という)
    遷移には他に二次遷移がありますが、二次遷移はある程度土壌が整っている(種子や地下茎が埋まっている)状態からはじまるので一次遷移よりも比較的短時間で極相に達します

    おわりに

    個体群と生物群集の学び方いかがだったでしょうか。個体群や生物群集は問題として出てきたときにいろいろな生物が例として出てくるので混乱してしまうかもしれませんが、基本は同じです。

    基本をしっかり押さえて個体群マスターしてください。

    (image by 筆者)

    このライフレシピを書いた人