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    高校「国語」<古文・古文の読解>堤中納言物語を読み解くコツ

    今昔秀歌百撰の

    「 人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道にまどひぬるかな」…

    で知られるのが堤中納言・藤原兼輔で実在の人物です。

    醍醐天皇に仕えましたが、しばらくは道真が重用されていましたので、次々に歌を詠み、身分が高いのに歌に明け暮れました。

    さて、この記事では、「堤中納言物語」を読解するためのポイントを紹介します。

    作者について

    「逢坂越えぬ権中納言」という短編については、作者が判明しています。

    • 小式部(小式部内侍と別の人)
    • 1055年成立

    他の幾つかの短編それぞれの作者は不詳です。

    オムニバス式で堤中納言は出てきませんし、堤中納言とそれらの短編との関連性も不明ですが、それぞれの登場人物の生活を知り得る周辺人物が書いたような、現実的な内容豊富な短編もあるのです。

    おおまかな内容

    現存する伝本は江戸期に写し取られたのを最後とする写本ばかりです。

    堤中納言物語としては今はもう10編および、未完一編しか伝わっていないのです。

    また、伝本の系統により、作品の配列の順序や題名なども違ってきますので注意が必要です。

    • 『逢坂越えぬ権中納言』
    • 『花桜折る少将(中将)』
    • 『虫愛づる姫君』
    • 『このついで』
    • 『よしなしごと』
    • 『花々の女ご』
    • 『はいずみ』
    • 『ほどほどの懸想』
    • 『貝合はせ』
    • 『思はぬ方にとまりする少将』
    • 「未完断片」
    主に平安時代後半からの恋や生活、家での様子、生活習慣などが自然体で描写されているのがポイントです。

    文体

    仮名と漢字混じりの文体です。

    敬語が多く、文が長めの部分があって、やや難解です。

    読解のポイント

    古文ならではの文字を正確に訳せるといいでしょう。

    「人はすべて、つくろふところあるはわろしとて、眉さらにぬきたまは。歯黒め「さらにうるさし、きたなし」とて、つけたまはず。いと白らかに笑みつつ、この虫どもを朝夕に愛したまふ。

    ―「虫愛づる姫君」より抜粋ー

    「人は、だいたい整え飾るところがあるのはよくないことです」

    と言って、眉を少しもお抜きにならない

    その上、(女性用化粧の)お歯黒は、「いっそうわずらわしい、見苦しい」と言って、お付けにならない。

    たいそう白い歯で微笑しながら、この虫たちを朝夕かわいがりなさる。

    人々がイキイキ元気に率直にコミュニケーションをしているさまが描かれたりしているのが、堤中納言物語の際立った特徴で、読解の上でのポイントです。

    おわりに

    堤中納言は源氏物語の原作者の三代前の藤原北家の人物で、文学史上この時代の多くの歌人たちを束ねる立場、といえる高官職に居た人なのです。

    題名の由来が不明ですが、きっと文学を愛する人々に尊敬されていたので人々に自然と読まれていたのでしょう。

    (image by amanaimages)

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