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十訓抄のポイント<古文の読解>

『十訓抄』は、鎌倉時代の中期頃、建長年間に成立した、質実剛健になってきた国風文化の影響をうけた説話の集まりの冊子です。

ちなみに、説話とは古くからの民話などをさしています。

編者について

  • 編者未詳。
  • 菅原為長説、湯浅宗業説があります。
  • 上述のどちらも、文字の読める有識者層です。

おおまかな内容

こちらの作品は上・中・下・三巻となっています。

280の説話の集まりが、以下の10か条に分類され、書き綴られている、いわゆるオムニバス形式なのです。

十訓

  • 第一 人に恵を施すべき事
  • 第二 傲慢を離るべき事
  • 第三 人倫を侮らざる事
  • 第四 人の上を誡むべき事
  • 第五 朋友を選ぶべき事
  • 第六 忠直を存ずべき事
  • 第七 思慮を専らにすべき事
  • 第八 諸事を堪忍すべき事
  • 第九 懇望を停むべき事
  • 第十 才芸を庶幾すべき事

文体

  • 和漢混交文
  • 総序に、広く和漢の書物に目を通し、教訓話を集めたという趣旨が書かれ、重厚な筆致です。

読解のポイント

まずは、作風を築いた背景がポイントです。

鎌倉時代に集められた説話ですが、平安朝を中心に、本朝(日本)・異邦(宋など)の説話およそ280のなかに、『大和物語』などの、すでに習ったようなお話も出てくるので、親しみやすいようです。

時代柄、平家の説話も出てきますし、作者のリアルタイムの見聞もでてきますし、さらには『漢書』などからの引用に至るまで、和漢の書物が幅広く含まれます。

教訓的なお話で、大上段から教え導く書という事もあって、やや難解な内容も含まれています。

読みやすいお話のうちの、重要な文語文法の使用例を、ポイントとして以下にとりあげます。

読解・大江山

思はずにあさましくて、

「こはいかに、かかる様(やう)やはある。」

とばかりいひて、返歌にも及ばず、袖を引き放ちて逃げられけり。

訳)思いがけず驚くばかりで、

「これはどうしたことか、こんなことがあるだろうか、いやない。」

とだけ言って、ご返歌にも至らず袖を引っ張って離してお逃げになったそうだ。

強調などばかりではなく、反語も使われる難しい文章です。「」・「なむ」+連体形、と覚えて、あとは文意から、反語の推定をしましょう。
まずは、現代語訳を読みましょう!

おわりに

時代の変わり目、ということで、辛口の説話も出てくるので、少し読みづらいかもしれません。

しかし、280もの色んなお話があって、それぞれに舞台設定がかわってくるため、一通りを通暁したら、きっと面白いお話を見つけられることでしょう!

(photo by KYOTOdesign)

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