\ フォローしてね /

高齢者の賃貸探しは迷子猫探しより難しい【体験談】

約10年前に当時75歳だった祖母が一人暮らしをするために、家族で住居を探した時の経験談です。

物件を探し始めた理由

祖母は65歳まで会社に勤め、退職後、息子夫婦の家の近くに住んだのですが、73歳の時に息子が亡くなったことを契機に娘夫婦(私の両親)が住む地域に引っ越してくることになりました。

当初、母は同居を希望したのですが、父が固辞したため別居を考えました。まだ、しっかりしていたので、高齢者専用施設や介護施設も検討していません。両親の家から、20分以内に住めば日々の生活は母や私が面倒を見るつもりでした。

希望した物件

母の希望は、マンションかアパートの一階で2LDK以上の間取り。築年数は20年以内、家賃は地域の相場と同等。20件以上住宅を見ましたが、不動産会社から紹介された物件はどれも条件を満たしません。

最終的に母は、広さと日中の過ごしやすさを重視したようです。反対にそれ以外は妥協したようです。

物件選びで大変だったこと

想定外の出来事「物件が見つからない」

引越し慣れしている私たちは、物件を探す方法や不動産会社との交渉に慣れているほうだと思っていましたが、高齢者の賃貸住宅を探すのがこれほど難しいと思いませんでした。

少し、現状を甘く見ていたのかもしれません。特に母は「家賃と保証人がいればどんなとこにでも住める」と考えていたので、「こんなに長期間探すことになると考えていなかった」と話していました。

物件を探したのは、首都圏JR線沿線のベッドタウンで住民の高齢化率は日本の平均と同じ位です。検索期間は、情報収集から入居まで半年。問い合わせ物件数は50件以上で、その内20件以上内覧しました。
 
物件選びで一番大変だったことは、「家主が高齢者に貸したがらないこと」でした。掲載情報だけでは分からないことです。

実際に内覧できたものは、「日照時間が短い。北向き」「1K」「立地が悪い(坂がきつい、周りが荒地など)」「メンテナンスの悪い部屋」などで祖母が可哀想に思えてきました。

4ヶ月も過ぎた頃、母は希望通りの家を買うか、不動産会社ではなくオーナーに直接交渉するか考え始めました。

そこで購入も視野に入れつつ、条件に合う空き家のオーナーや人伝てに紹介してもらい、直接交渉し、希望通りの3LDK南向きの部屋を借りることができました。

振り返ってみて思うこと

家を借りるために必要なのはお金ではなく行動力

私も祖母の家探しを手伝うことで、高齢者が賃貸住宅を借りることがどんなに難しいことか分かりました。迷子猫を探すのと同じくらい大変です。今回、祖母は母の理想通りの家を借りることができましたが、誰もができることではないと思います。
 
将来、高齢者になる私たちの最大の防衛策は「家を買う」ですが、賃貸派の皆さんは「早めに長く住める家を借りておくこと」ではないかと思います。

就職中は貸してくれると思うので、「定年前に30年位貸してくれそうな家を借りるのがよいのではないか」と思いました。

それでも実情は定年した途端、追い出されたりするので現実は過酷です。路上生活者の中に高齢者が多くいますが、賃貸住宅を借りられなかったために仕方なく、そういう生活を送っている人もいるのではないかと、今回の件で考えさせられました。

さびしい結論ですが、高齢者が賃貸住宅を探す時には行動力で希望条件通りの家を見つけて直接交渉するか、不利な条件で我慢するかの二択だと思います。

(photo by 足成)

このライフレシピを書いた人
このライフレシピに関係するタグ
Banner line

編集部にリクエスト!

「こんなライフレシピがほしい」や「ここがわかりにくかった」などをお送りください。