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    中学国語<古文の読解>「おくのほそ道」読解のポイント

    現代人もすんなり読めてしまい、何かと親しみやすいのが魅力の俳句!

    皆様も、義務教育では、創作の機会を得られましたでしょうか?

    作者について

    • 松尾 芭蕉(俳号・幼名を金作

    句風は『蕉風』といわれています。芸術性が高いもので、紀行の文と共に読むので、原文に伴った句であることが多いのです。

    おおまかな内容

    元禄時代の紀行文集で、松尾芭蕉(金作)による紀行文集です。芭蕉(金作)の句集の中で、最も有名です。元禄15年(1702年)に刊行されました。

    紀行作品の代表的存在の一つであり、「おくのほそ道」では、亡くなる5年前の金作(芭蕉)が、弟子・河合曾良と仲良く一緒に、各地を回って歌を詠んだ過程が記され、死後に刊行されました。

    • 元禄2年3月27日(1689年5月16日)に隅田川の庵を発つ~
    • 東北~
    • 北陸~
    • 岐阜

    という旅程が描写されました。

    文体

    • 紀行文
    • 和漢混交文
    • 俳句(5・7・5)

    読解のポイント

    序文

    月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり

    文には、過ぎ去って行く時の中に自己を見出し、年柄年じゅう、自らもまた、俳諧の旅をしようという、職業的な決意が示されています。

    俳諧の旅をしている過程を書き留めたのが、『おくのほそ道』なのですが、漢文を礎にしている句が多いのが読解のポイントです。

    ここでは、『おくのほそ道』の中の、「平泉」探訪の記をとり上げ、『おくのほそ道』読解の方法をご紹介していきます。

    原文

    三代の栄耀(えよう)一睡の中にして、大門の跡は一里こなたに有。秀衡(ひでひら)が跡は田野に成て、金鶏山のみ形を残す。先高館にのぼれば、北上川南部より流るゝ大河也。…
     
    国破れて山河あり城春にして草青みたり」と、笠打敷て、時のうつるまで泪を落し侍りぬ。
     
    夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡(藤原一族の功名は、中華帝国の古詩のように今となっては一睡夢となってそこに漂ってきえた。そして、いまとなっては、夏草が茫々と繁っている…)…
     
    兼て耳驚したる二堂開帳す。経堂は三将の像をのこし、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す。七宝散うせて、珠の扉(とぼそ)風…
    『おくのほそ道』における旅の最大の目的地は、佐渡の金山や十三湊に近く金襴豪華な旧東国における藤原氏の王都・平泉でした。

    解説

    残された廟堂や、夏草の青々しさに、時の流れを感じ、無常に浸っているのがよくわかるくだりです。

    夏草を見て詠むに至った、周囲の主たる歴史(三代の栄耀…)と、その後の荒廃ぶりも、しっかりと漢文を踏まえて描かれているのが読解のポイントです。

    国破れて山河あり城春にして草青みたり

    とは、有名な漢詩です。

    誰もが知っているという前提で描写されているくだりではありますので、原典の唐代五言律詩春望」(杜甫)の最初の一句を確認してみましょう。

    唐の王都・長安の滅亡を目の当たりにし、山河だけがたくましい(国破れて山河あり、城春にして草青みたり)と無常に浸っています。

    「平泉」の地の文は、そんな、かの有名な詩聖、杜甫と同じような思いをした、という俳人松尾芭蕉の感慨が綴られ、漢詩の韻律無くしては読めない部分です。

    また、それほどの栄耀を誇った地を目の当たりにした、という感動の体現も続いて泪(なみだ)として描かれています。

    さらに、短歌には「本歌取り」、という手法があるように、杜甫の「春望」中の「青みたり」を引っ張って、「夏や…」と詠み始め、詩聖級に感動を人々に伝えようとしているくだり、といえましょう。

    ですから、平泉に来た感慨を書き綴りつつ古典を引用した、俳句を詠む直前の文にも、『おくのほそ道』の筆者松尾芭蕉の訴えたい内容が込められているのです。

    このくだりの俳句は、目にした夏草に思いを篭め、思い出を俳句にする、紀行中などにおける風景スケッチのごとき視点がよくわかるものなんですね!

    訳のポイント

    現代語への訳し方ですが、地の文は漢文風ではあるものの、現代文的なので訳にはあまり困らないのもポイントの一つです。

    俳句のほうは思いきって周囲の状況に即した常識から推察される感慨を句に盛り込んで、下の句七七を完成させるスタイルでうまく訳すといいでしょう。

    おわりに

    『おくのほそ道』は松尾金作(芭蕉)死後7、8年経った1702年、かねてからの自筆と謳われる外題のついた西村氏本が、京都・井筒屋から出版されて広まった、ということです。

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    (image by 足成)

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