\ フォローしてね /

漢文読解!「春望」読解のポイント

李白の「詩仙」に対し、「詩聖」と呼ばれている律詩で有名な杜甫の作品で、官につくのが大変だという思いがしみじみとされる代表作品として世に知られています。

漢文の形式

五言律詩

作者:杜甫

漢文「春望」

国破山河在
城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵萬金
白頭掻更短
渾欲勝簪

国破れて山河在り

城春にして草木深し

時に感じては花にも涙を濺ぎ

別れを恨んでは鳥にも心を驚かす

烽火三月に連なり

家書萬金に抵る

白頭掻かけば更に短く

渾べて簪に勝えざらんと欲す

現代語訳

安史の乱があって国土が荒廃し、長安は都なのに賊が居て楊貴妃も玄宗皇帝も亡く私だけがそこに幽閉されたけれど、山河だけは昔からの姿で、変わらずに在るのだなあ。

荒れはてた街に春が来て、草や木が深々と生い茂る。

感受性がさえる時期には咲きこぼれる花に癒されて涙をこぼし、

家族と別れて暮らすことを恨んでは、鳥にもハッとしてしまう。

のろしの火は何か月も続いていて、

家族からの手紙が、何よりの宝物ということだ。

もう40代半ばで白髪頭を掻くと、髪が抜け落ちてしまうのは心労だろうか。

まったく、かんざしを挿すこともできなくなってしまったことだよ。

重要な句法

  • 勝簪(簪に勝えざらん)…簪にさすこともできない

おわりに

華やかな長安すら荒らされたリアルタイムのショックはよほど大きかったのでしょう。

ようやく官吏の道を獲たのに、と心細く涙もろくなっているさまが、国の重要な戦乱、景色とともに、リアリズムを得意とする詩人として冷徹に韻を踏みつつ、大変な家族思いの生活をも活写する五言律詩で描かれたものです。

時代の激変した唐を生き抜いた、杜甫の人生が偲ばれる作品ですね。

このライフレシピを書いた人
Banner line

編集部にリクエスト!

「こんなライフレシピがほしい」や「ここがわかりにくかった」などをお送りください。