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賃貸物件における「原状回復取り決め」の注意点

退去時の原状回復に関してはトラブルが多いため、契約締結前に、原状回復にかかわる契約内容をしっかり確認するようにしましょう。

ここでは、そんな「原状回復の取り決め」をする際の注意点をまとめてみました。

本記事は、不動産ジャパンのご協力により、2013年に執筆されたものです。

原状回復の基本的な考え方

原状回復の定義

国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(以下「ガイドライン」)では、原状回復を以下のように定義しています。

原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗、毀損(以下「損耗等」といいます)を復旧すること。
「善管注意義務」とは、借り主は借りている部屋を、相当の注意を払って使用、管理しなければならないということです。

3種類の消耗等

  • (1)建物・設備等の自然的な劣化・損耗等(経年変化)
  • (2)借りた人の通常の使用によって生ずる損耗等(通常損耗)
  • (3)「借りた人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等

ガイドラインでは(3)の損耗のみを借り主が負担すべきとしています。例えば、次の入居者を確保する目的で行う設備の交換、化粧直しなどのリフォームについては、(1)(2)の経年変化及び通常使用による損耗等の修理ですから、貸主が負担すべきこととなります。

震災等の不可抗力による損耗、上階の居住者など、借り主とは無関係な第三者がもたらした損耗等については、借り主が負担すべきではないとしています。

トラブル回避のための注意事項

トラブル回避のため、以下の点に注意をしましょう。

入居時の物件確認の徹底

原状回復をめぐるトラブルの大きな原因として、入居時の物件確認が不十分であることが挙げられます。特に賃貸借の期間が長期に及ぶ場合には、時間の経過に伴って、入居時の状況や損耗の程度などがあいまいになるため、退去時の責任の所在等がはっきりしなくなることが考えられます。

入居時に、室内の現況、損耗等を記録に残して、借り主、貸主双方で確認をしておくことがトラブル回避のためには有効でしょう。

契約内容の確認の徹底

契約時には、契約で定められた借り主の原状回復義務の範囲が、ガイドラインに沿ったものであるかどうかを確認する必要があります。なお、国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、通常の使用に伴う損耗等については、借り主が原状回復義務を負わないことを明らかにしています。

標準契約書に則った契約を締結するとトラブル回避のために有効でしょう。

特約に注意

国土交通省のガイドラインや東京都の賃貸住宅紛争防止条例では、契約書に特約を設けることまでは禁止していません。契約書に原状回復に関する特約がある場合には、借り主に不利な内容になっていないかを確認した上で、具体的に借り主が負担する範囲、おおよその金額などについて、納得いくまで説明を求めましょう。

不動産会社によっては、将来の負担に関して修繕その他の単価などを明示していることもありますが、その金額が妥当であるかどうかについては確認が必要です。

なお、ガイドラインでは、借り主に原状回復にかかわる特別の負担を課す特約の要件を以下のように定めています。

  • (1)特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
  • (2)賃借人が特約によって、通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
  • (3)賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること

これらの要件を満たさない場合には、特約が無効となる可能性もあるとしています。

おわりに

原状回復に関するトラブルは非常に多く起こっています。しっかりと契約時に確認しましょう。

(image by amanaimages)

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