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天体望遠鏡による星雲・星団の観察方法

最近は都市化の影響で昔に比べて星がよく見える地域が減ってきていますが、それでも小さな望遠鏡があれば街中でも観察できる天体はたくさんあります。

本記事では初心者向けに星雲・星団の観察方法についてご紹介します。

準備するもの

天体望遠鏡

望遠鏡は屈折式と反射式がありますが、初心者には屈折式がオススメです。レンズや反射鏡の口径が大きいほど性能が良く、暗い星雲・星団を観察することができます。

倍率は性能に関係がなく、高倍率を謳っている製品は避けたほうが良いでしょう。

筆者は高橋製作所のFC-50という望遠鏡を使用しています。

望遠鏡にはアイピース(接眼レンズ)と呼ばれる接眼部に取り付ける部品が付属してきます。これには焦点距離が刻印されていますが、この値を望遠鏡の焦点距離で割った値が倍率となります。この倍率を上げ過ぎないことがコツです。詳しくは後述します。

星座早見盤・星図

星座早見盤は観察する日時における星雲・星団のおおよその方角を知るために使用します。

星図は望遠鏡やファインダーでのぞいたときに、星雲・星団の詳細な位置を確認するために必要になります。筆者はそれぞれ誠文堂新光社から出版されているものを使用しています。

最近はスマホやタブレット向けの星図アプリが出ていますが、屋外で使用すると露がつくことがあるのでお勧めしません。筆者は耐水性の紙でできた星図を使用しています。

懐中電灯

暗い所で望遠鏡を操作したり、星図を確認したりするために必要です。

ただし星雲・星団の観測には目を暗い場所に慣らしておく必要があるため、懐中電灯を赤いセロハンで覆って、明るい光を目に入れないようにしてください。

観察に適した場所・時間

近くに人工的な光が無い場所

星雲・星団の観察にはなるべく空の暗い場所を選びます。地上に人工的な光があると空に反射して背景の星空を遮ってしまうためです。

ただし必ずしも山奥へ出かける必要はなく、近くに商業施設などの空を照らす大型の光源が無ければ、郊外の住宅地でも十分です。

月が出ていない夜

月が出ている夜も空が明るくなってしまうため星雲・星団の観測には適しません。事前に新聞やインターネットで月齢、月入、月出の時間を確認しましょう。

満月に近いほど空が明るく、月が夜空にある時間も長くなります。従って観察には新月の付近が適しています。

観察の手順

STEP1:望遠鏡を組み立てる

望遠鏡は倍率を上げるほど視界が振動の影響を受けやすくなります。望遠鏡が揺れていてはしっかりと対象物を捉えることができませんので、三脚は水平な安定した場所に設置します。

また望遠鏡の鏡筒の位置を前後に調整できる場合は、手を離しても動かないバランスが取れた状態で固定します。アイピースは最も低い倍率のものを取り付けます。

STEP2:望遠鏡を大まかな方向に向ける

まずは望遠鏡を手で動かして観察する天体がある方向へ向けます。星座早見表を使い星座の星の配置を肉眼で確認しながら、視線を望遠鏡の鏡筒に沿わせておおまかな方向へ向けます。

STEP3:ファインダーで目標を捉える

本体の望遠鏡の横についているファインダーは低倍率の望遠鏡で、対象となる天体を本体の望遠鏡の視界に導入しやすくするためのものです。

ファインダーをのぞくと十字線がありますので、詳しい星図を見ながら対象物がファインダーの視界の中心にくるよう、ハンドルを使って望遠鏡の向きを微調整します。

STEP4:アイピースを調整する

対象物を望遠鏡の視界に捉えたらアイピースを交換して倍率を上げてみます。視界が暗くなり見づらくなった場合は元に戻します。最もよく見える状態が確認できたら観察を始めます。

天体は日周運動で西へ動いていきますので、ハンドルで望遠鏡の向きを微調整しながら観察を続けます。

観察をする際のコツ

倍率を上げ過ぎない

望遠鏡の最大倍率はレンズや反射鏡の口径をミリで表した値と言われています。この倍率を超えると視界が暗くなりボヤけてきます。

逆に倍率を下げると視界は明るくなりますが、人間の瞳孔の大きさが約7ミリであることから、最低倍率は口径(ミリ)÷倍率=7となる値を選びます(この口径÷倍率の値を望遠鏡の射出瞳径と言います)。

口径5cmの屈折望遠鏡であれば、最大倍率は50倍、最低倍率は7倍となります。

目を暗い場所に慣らす

人間の瞳孔の大きさは目に入る光の強さによって変化します。暗い場所に目が慣れることを暗順応と言いますが、この順応が完了するまで30分程度要します。

淡い星雲・星団を観測する場合には、このような暗い場所に目が慣れた状態で行なってください。

逆に明順応は一瞬で完了してしまうため、観測中に明るい光を見ないことも重要です。懐中電灯は必ず赤いセロハンで覆ったものを使いましょう。

視野全体を見る

人間の網膜の感度は中心よりも周辺のほうが感度が高くなっています。従って望遠鏡を覗くときにやや視線を対象物から逸らし気味にすると、星雲・星団のより淡い構造が見えてきます。

オススメの星雲・星団

かに座のプレセペ星団が明るく見やすいです。

ヘルクレス座の球状星団M13、条件が良ければこと座のリング状星雲M57も探してみましょう。

この時期はなんといってもアンドロメダ大星雲M31でしょう。肉眼でも見えます。

有名なオリオン座大星雲M42を観察してみましょう。おおいぬ座の散開星団M41も見つけやすいです。

おわりに

2013年はパンスターズ彗星とアイソン彗星の2つの大彗星が接近しましたが、他の星雲や星団も本記事に記載した観察方法と同じ要領で観察できますので、ぜひチャレンジしてみてください。

(image by 筆者)

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