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    高校「国語」『古今著聞集』読解のポイント

    タイトルが、作者が熱愛していたといわれている『古今和歌集』に似ていますが、世間によく知られていること、という意味の「著聞」が使われ『古今著聞集』となっています。

    『古今著聞集』の読解について説明していきます。

    編者について

    編者は、伊賀守 橘成季です。古今著聞集の序、あとがきによれば、官を辞めたのちの閑暇において編纂されたものということです。

    おおまかな内容

    主に鎌倉初期までの700余りにのぼる説話集です。題材の多くは平安王朝社会にあるといわれています。

    分類としては宗教、人間、自然と世界を三分の如くにしたうえ、

    1:神祇、2:釈教、3:政道忠臣、4:公事、5:文学、6:和歌、7:管弦歌舞、8:能書、9:術道、10:孝行恩愛、11:好色、12:武勇、13:術箭、14:馬芸、15:相撲強力、16:画図、17:蹴鞠、18:博奕、19:偸盗、20:祝言、21:哀傷遊覧、23:宿執、24:闘諍、25:興言利口、26:恠異、27:変化、28:飲食、29:草木、30魚虫禽獣

    と分けてあります。淡々と綴られた百科事典のような感じになっています。

    京が荒れ果てている時代柄、平安時代の貴族政治華やかな旧都への追慕が強く顕れているとされてる作品です。

    文体

    和漢混交文です。

    読解のポイント

    『今昔物語集』に次ぐ大部の説話集で、『宇治拾遺物語』などとともに日本三大説話集といわれることがあります。

    鎌倉時代1254年10月に一度完成し、後になって増補されてきたということですから、だいぶ後代の説話も入っているかもしれないですね!

    平安時代の有名人に多く題材をとった世俗説話集として楽しめるお話が多いのです。

    (原文)

    博雅三位の家に、盗人入りたりけり。三位、板敷きの下に逃げかくれにけり。盗人帰り、さて後、はひ出でて家中を見るに、残りたる物なく、みなとりてけり。

    (現代語訳)
     

    従3位だったことから博雅三位とよばれた源博雅の家に、泥棒が入ってしまったのだった。博雅は、板の間の下に逃げ、隠れてしまっていた。泥棒が帰り、その後、板の下から這い出て、家の中を見たところ、残っているものはなく、ぜんぶ泥棒が取ってしまっていたのだった。
    • けり…(詠嘆)~だった、~だったのだなあ、~ことよ。   (原文)
    寛平の歌合せに、「初雁」を、友則、 
    春霞 かすみていに かりがねは 今鳴くなる 秋霧の上に
    と詠める、左方にてありけるに、五文字を詠みたりける時、右方の人、声々に笑ひけり。さて次の句に、
    「かすみていにし」と言ひけるにこそ、音もせずなりにけれ。

    (現代語訳)

    寛平(889~898年)の歌合せの時、「初雁」という題目で、紀友則(紀貫之のいとこ)が、「春霞 かすみていにし かりがねは 今ぞ鳴くなる 秋霧の上に(春霞とともに霞んで去っていってしまっ雁が、今や秋霧にまぎれて鳴いているのだ)」と詠んだ。
    紀貫之のいとこである紀友則は、左方にいたのだが、最初の五文字を詠んだ時、秋のことなのに春の事柄を詠んでいる、と対する右方の人々が声かけあって笑った。しかし、次の句において、「かすみていにし」と言ったので、右方の人々は、その歌のあとから知られる巧みさ、および構成の秀逸さ、などにしてやられた形になって音もなく黙ってしまった。歌は上の句のうちの初句からだけ判断してはいけないことだよ(詠嘆)。
    • し…過去
    • ぞ~連体形 …強調
    • さて…(接続詞)そうはいうものの、ところが

    「説話集」ならではの読解ポイント!

    平安貴族の逸話を素材にして後代から作られるお話も多くて、そのような章立てでは尊敬語がよく出てきます

    平安時代の人物などの憧憬にこだわった説話集のため、そういった人物について、伝聞の助動詞をつかった形で語られているパターンも見受けられるという特徴があります。

    そのような助詞に注目してまずは現代語訳をサラッと読んでみましょう!

    おわりに

    伝聞形式で書かれていることが多いですね。文章は比較的あっさりしていますが、背景は現代に無い価値観で透徹されているので、話の主題がよく把握できないこともあるかもしれません。

    現代語訳で読解を深め、古今の噂話に通じてしまうのがおすすめです!

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