\ フォローしてね /

和歌の技法「体言止め」の意味と使い方

ここでは、和歌・短歌の用法、「体言止め」の説明をしたいと思います。

「体言止め」とは?

まず「体言」とは?

主に「名詞」のことです。名詞と言うのは、物の名前を表した言葉です。簡単な例をあげると、空、花、顔、手足、犬、靴、玄関…と、ありとあらゆる物の名前なので、キリがありません。

また、「私」「あなた」「それ」「あそこ」などの、「代名詞」と呼ばれるものも、体言です。他には、「一」「二」…「百」…など、いわゆる「数詞」も体言です。

体言とは、名詞、代名詞、数詞のことです。

「体言」の特徴

「体現」の特徴として言えるのが、「活用」しないということです。「活用」というのは、例えば、動詞「言う」が、「言おう、言うとき、言えば、言え」などいうように、形が変化することです。

「体言」は、変化しません。
CHECK:動詞は「用言」です。「用言」には、動詞以外に、形容詞、形容動詞があります。

「体言止め」という用法とは

和歌であれば、「来たりぬ」「さみし」など、用言で終わるものが多いものです。しかし、「体言」で終わっているものもあり、それを「体言止め」の歌と呼びます。

「体言止め」は、和歌・短歌・俳句に限らず、普通の文章でも、よく見かけるよう法です。例えば、「空が明るくなっていく」を、体言止めに替えると「明るくなっていく」となります。

体言止めの名歌

百人一首から

春すぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山 (持統天皇)

いつの間にか春は過ぎて夏になったようですね。夏になると白い衣が干されるという天の香具山(に、衣が干されている)。

心なき身にもあはれ は知られけり 鴫たつ沢の秋の夕暮  (西行法師)

風流の分からない私にも風流だなあと感じる。鴫(という鳥の)たつ沢の、秋の夕暮れは。

体言止めの効果

1:イメージが強調される

例えば、「空がむらさき色に変わっていく」という文章を、「移りゆきたる空のむらさき」としてみます。すると、「むらさき」という名詞で終わることによって、紫色のイメージが強調される印象を受けるでしょう。これが体言止めの、最大の効果です。

2:切れが良い

言い切りの形で終わると、リズム的にも歯切れがよい印象になります。歌全体が、引き締まった感じにもなります。

「体言止め」を使うときの注意点

「体言止め」をしたからといって、必ずしも、その歌が引き締まったり、リズム感のある歌になるとは限りません。名詞で終わることによって、なんとなく「尻切れトンボ」のような印象を与えることもあります。

「体言止め」の間違った使い方というのはありませんが、一首の中に、体言(名詞、代名詞、数詞)が多く使われ過ぎていると、ごちゃごちゃした印象になります。ある一語を強調するための「体言止め」なので、一首のうちに体言の乱用は止めた方がよいと思います。

同じ内容で、「体言止め」にした形と、そうでない形の両方を作って、自分で読み比べて、リズムや雰囲気を確かめてみましょう。推敲すると良いと思います。

おわりに

和歌・短歌における「体言止め」は、お分かりになったでしょうか。現代の短歌を作る際にも、「体言止め」は、比較的、よく使われる用法です。効果的に使えるといいですね。

(photo by 足成)

このライフレシピを書いた人

編集部にリクエスト!

「こんなライフレシピがほしい」や「ここがわかりにくかった」などをお送りください。