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和歌の技法「掛詞」の意味と使い方

「掛詞」・・・一つの言葉に、二つの意味がかかっている言葉を「掛詞」と言います。百人一首などによく見られる和歌の用法の1つです。古典の授業でも聞いたことがあるのではないでしょうか。

ここでは「掛詞」という和歌の用法について説明します。

「掛詞」の効果

「掛詞」は、言葉遊びの一種です。言葉遊びは、生活そのものや歌を詠むことに必死だという心からは、生まれません。ですから「掛詞」を使う歌人には、心の余裕がうかがわれます。

また、いろいろな事柄を知っていなければ、「掛詞」を使うことはできませんし、使われたことに気づこともできません。

やはり、教養があり、金銭的、時間的に余裕のある身分の人が好むような用法だったのではないかと思います。

「掛詞」の用例

ここでは、平安時代の歌の名手、小野小町の歌を使って説明します。

花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせし間に (小野小町)

意味

桜は、知らない間に色あせてしまった。私の身も(この桜と同じように)ぼんやりしている間に、古びてしまったなあ。

この歌の、「ふる」という言葉に注目をしてみます。この言葉は、花が散るという意味の「降る」と、自分の体が年をとってくるという意味の「」という、”二つの意味を持っています”。

「ふる」という解釈に関しては「経る」という説もあり、こちらの方が一般的なようです。

その他の例

百人一首の中から「掛詞」の例をあげてみます。

秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ (天智天皇)

「かりほ」は、刈った稲穂という「刈穂」と、仮の住まいという意味の「仮庵」という意味があります。

これやこの行くも帰るもわかれては知るも知らぬもあふ坂の関 (蟬丸)

「あふ坂」は、現代の滋賀県大津市逢坂のことです。地名と、「会う」という言葉という、二つの意味を持っています。

百人一首に入っていない歌の中にも、「掛詞」という用法は多く見られます。

  • 「夜」と「寄る」
  • 「眺め」と「長雨」
  • 「秋」と「飽き」

なども掛詞としてよく使われる言葉です。

「掛詞」の使い方と注意点

現代風にアレンジを

現代短歌では、「掛詞」という技法はあまり使われていません。使われていても、それが歌の評価の対象となることは、少ないと思われます。

もし使う場合は、「和歌」を真似るだけではなく、それを現代風にアレンジして使いたいところです。

著作権の関係で、ここでは紹介できませんが、現代では、大塚寅彦さんという歌人が、和歌の技法を現代風に使った作品を多く発表しています。参考にしてみたらいかがでしょうか。

「掛詞」が、作歌の第一目的にならないように

「掛詞」を使うことが目的になってしまうと、その歌が、歌として成立しているかどうかが疎かになります。

その歌は、意味が通っているだろうか、文法はおかしくないだろうか、リズムは整っているだろうか、などを、まず気をつけましょう。

「掛詞」は、歌を作るうえで、第一目的ではないと思われます。まずは、意味、文法、リズムなどの基本が大切です。

おわりに

百人一首などには多く見られる「掛詞」ですが、現代短歌では、稀な用法です。しかし、全くないわけではありませんし、もしかしたらブームが来るかもしれません。「掛詞」を知識として知っておくと、歌を評するときに役立つと思います。

(photo by 足成)

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