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和歌の技法「対句」の意味と使い方

「対句」という表現技法は和歌や短歌に限らず、世界中の詩の中で古い時代から見られる技法です。ここでは、百人一首の歌を用いて、「対句」という技法を説明します。

「対句」とは?

まず「句」とは?

ひとまとまり、一区切りとなる言葉の単位です。和歌・短歌でいえば、音数の5・7・5・7・7によって、区切りが決まっています。ひと区切りが、1句と呼ばれます。

「対句」は、対(つい)になる句のこと

文字通り「対(つい)」になっている2つ以上の句を指します。和歌短歌について言えば、言葉の働き、リズム、音数などが同じである2つの句を、一首に組み入れる技法のことです。

一般的に、「対句」と言われる句のなかでは、使われる言葉の「品詞」も、それぞれ同じになっています。

「品詞」とは?

名詞、動詞、形容詞など、文法的な機能や形態などによって言葉を分類したものです。

簡単な対句を作ってみると・・・

例えば、「広い空/白い雲」や、「春は花/夏は海」、「われは月/君は太陽」など、「対句」は、簡単に作ることができます。

使われている品詞

  • 名詞・・・空、雲、春、花、夏、海、月、太陽
  • 代名詞・・・われ、君
  • 形容詞・・・広い、白い

「対句」の効果

一般的に、「対句」を用いると、次の効果が期待できます。

  • リズムが生まれる
  • 2つの言葉を対比することで、イメージを強くできる
  • 覚えやすくなる

「対句」の使われている和歌の例

実際に「対句」の使われている歌の例を用いて説明します。これは百人一首にある和歌です。

みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ (大中臣能宣朝臣)

夜は燃え」と「昼は消え」が「対句」です。状況は対照的ですが、言葉の使い方は同じです。

意味
皇居の門を守る兵士の焚く火は、夜は赤く燃え、昼は消えていますが、同じように、私の中でも、あなたを想う炎が、夜は燃え盛り、昼は消え入るように、思い悩んでいます。
  • みかきもり=「御垣守」と書きます。皇居のありとあらゆる門を警護する人のことです。
  • 衛士=「えじ」と読みます。皇居の警護に当たった兵士のことです。

実際に「対句」を使って歌を作る

先ほど説明をしたように、「対句」を作ること自体は、それほど難しいことではないと思います。しかし、その対句を、上手に歌に組み入れることが難しいのです。

良い歌とは言えない「対句」の使い方

  • 対句をただ組み入れただけで、歌の意味が不可解もしくは定型57577になっていない。
  • 対句がありきたりで、誰にでも簡単に思いつく組み合わせ。

「対句」を使う時の注意点

読む人が「対句」と分かりますか?

対句の特徴である、「言葉の使い方を同じにする」という点が守られていなければ、対句と見なされないでしょう。

明確ではない「対句」は、効果的ではありません。

「対句」と似ている「反復(繰り返し、リフレイン)」という技法

「対句」が、言葉の「使い方」が同じであるのに対して、「反復」は、同じ言葉(類似の言葉の場合もあり)を、繰り返して用いるという技法です。

対句とは、似てはいますが異なる技法です。一度、チェックをしてみましょう。

おわりに

西洋の詩、漢詩、日本の長歌には、「対句」が良く使われるのですが、和歌・短歌は、三十一文字(みそひともじ)と、大変短いため、「対句」を入れづらいと言われています。ですから詩に比べると、対句の用例は少ないようです。

現代短歌では、歌人・栗木京子さんの有名な観覧車の歌が、対句表現を使っていてます。参考になさってみてください。

東京堂出版『現代の短歌』篠弘著

(photo by 足成)

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