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マイホーム購入時の不動産広告の見方

不動産広告には、個々の物件について多くの情報が記載されていますので、広告の情報を正しく理解することが、物件検討の入り口となります。

ここではマイホーム購入時の不動産広告の見方を解説していきます。

本記事は、不動産ジャパンのご協力により、2013年に執筆されたものです。

不動産広告の基礎知識

不動産広告には、消費者保護を目的として、その表示方法などに関していくつかの規制があります。

ひとつは、宅地建物取引業法による規制で、誇大広告の禁止や広告の開始時期の制限などが定められています。また、公正取引委員会の認定を受けた業界の自主規制である「不動産の表示に関する公正競争規約」(以下「表示規約」)では、広告の表示の仕方や基準などが定められています。

不動産広告の基本的な規約

表示規約では、不動産広告に表示しなければならない事項や表示する際の基準が定められています。以下、基本的な規約について見ていきましょう。

1:新築・中古の別

不動産広告では、建築後1年未満、かつ未入居(誰も住んだことのない状態)を「新築」と表示します。それ以外の物件は「中古」と表示されます。

2:現地写真

原則として、実際に販売するものでなければ広告に掲載してはならないことになっています。ただし、建物が建築工事の完了前などの場合は、実際に販売する建物と同じものであれば、他の物件の写真をその旨を明らかにして使用できることになっています。

また、周辺の施設を紹介する場合は、販売する物件との距離を明示する必要があります。

3:価格

建物にかかる消費税込みの価格が表示されます。

4:駅等までの距離

徒歩による所要時間は、

駅からの道路距離80mを1分(端数切り上げ)

として計算されます。

信号の待ち時間や歩道橋の上り下り、坂道、道路の横断などにかかる時間は考慮されていません。また、改札口からではなく、物件にいちばん近い駅の出入り口が基準になるため、ホームまではもっと時間がかかることもあります。

5:敷地面積

平方メートル単位で表示されますので、「坪」単位での表示がない場合もあります。

平方メートル単位で表示された面積を3.3で割ると、坪単位のおおむねの面積となります。

6:建物面積

平方メートル単位で延べ床面積が表示されます。地下室や車庫を含む場合は、その旨とその面積を表示することになっています。マンションのバルコニーや室内の天井を高くして2層式にした屋根裏収納(グルニエ)などは、面積には入りません。

建物面積は原則として、壁の中心から測った壁芯面積で表示されますが、登記記録(登記簿)上の面積は、壁の内側(室内側)から測った内法(うちのり)面積で表示されます。ただし、中古マンションでは、登記記録(登記簿)の内法面積が表示されることがあります。

7:間取り

間取りを表す場合、4LDKなどの表示がよく使われます。数字は居室の数を表し、Lはリビング、Dはダイニング、Kはキッチンを表します。建築基準法では、居室には採光や換気のための一定の間口が必要と定められていますので、それを満たさない部屋は納戸(N)やサービスルーム(S)と表示されます。

居室の広さを示す1畳は、1.62平方メートル以上で換算すると表示規約で定めています。

8:所在地(地番)

物件の所在地は、新築分譲住宅の場合は地番まで表示されます。中古住宅の場合は、地番は省略できるため記載しないことも多いようです。また、地番は登記記録(登記簿)に表示された地番のことで、一般的に使われる住居表示の番号とは異なる場合があります。

9:取引態様

広告を掲載している不動産会社の立場が「売り主」か「代理」か「媒介(仲介)」かが必ず明示されます。この取引態様によって、仲介手数料が必要であるかが決まります。

また、媒介には一般媒介、専任媒介などがありますが、専任媒介の場合は、媒介(専任)のような表示が認められています。

10:免許番号

不動産会社名と免許番号が記載されますので、不動産取引に必要な免許を受けているかどうかの確認をしましょう。カッコ内の数字は免許の更新回数で、数字が多い程営業年数が長いことを示します。

明示しなければならない主な特定事項

土地の利用に法律上の規制を受けたり、形状が不整形などで有効な利用ができない場合は、その旨が広告で明示されます。不動産広告で明示しなければならない主な特定事項は、以下の通りです。

1:市街化調整区域内の土地

都市計画で市街化調整区域と定められた区域内では、原則として土地の造成や建物の建築はできませんので、その旨を明示することになっています。

2:道路に適法に接していない土地

建築基準法に規定する道路に2m以上接していない土地などには、建物の建築ができません。このような土地については「建築不可」と、中古住宅の場合は「再建築不可」と表示されます。

3:セットバックを要する土地(道路後退)

セットバックとは、土地に接する道路の幅員が4mに満たない時に、道路の中心から2m後退して建物を建築することをいいます。後退した部分は道路と見なされ、建物を建築することはできません。

セットバックを要する土地については、その旨が表示されます。また、セットバックを要する部分の面積がおおむね10%以上である場合は、その面積も表示されます。

4:古家等がある土地

取引の対象となっている土地の上に古家、廃屋等が存在するときは、「古家あり」「廃屋あり」等と表示されます。

5:高圧線下にある土地

土地の全部または一部が高圧線下にあるときは、その旨とおおむねの面積を表示しなければいけません。また、建物その他の工作物の建築が禁止されているときは、「高圧線下につき建物等の建築不可」等と表示されます。

6:傾斜地を含む土地 ・著しい不整形地

傾斜地を含む土地で、傾斜地の割合がおおむね30%以上の場合や、30%未満であっても傾斜地を含むことで土地の有効な利用が著しく阻害される場合などは、傾斜地を含む旨及びその面積が表示されます。土地の有効な利用が阻害される著しい不整形地などについても、その旨が表示されます。

7:擁壁に覆われないがけ上・がけ下の土地

土地が擁壁によって覆われないがけの上、またはがけの下にあるときは、その旨を表示しなければなりません。

8:建築条件付き土地

建築条件付き土地とは、契約後一定期間内に、土地の売り主、あるいは売り主が指定する建築会社との間で、建物の建築請負契約を締結することを条件として売買される土地のことです。建築条件の内容や建築請負契約が締結されなかったときの措置の内容が明示されることとなっています。

新築分譲物件のチェックポイント

新築分譲物件の場合は、同じ開発区域の住宅地やマンションで一度に複数の物件が販売されることなどから、販売戸数や価格などの見方が中古とは異なっていますので確認しておきましょう。

この表示例は一般の新聞・雑誌広告の場合のものです。

総区画数と今回販売区画数(総戸数と今回販売戸数)

総区画数は、その開発される区域内のすべての区画数、総戸数はその分譲マンションの販売予定のすべての戸数のことです。大規模な分譲の場合、販売時期をずらして、数期に分けて販売されるケースが多く、今回販売区画数は広告時に販売しようとしている区画数や戸数が表示されます。

価格・その他費用

価格は本来、すべての物件について表示しなければなりませんが、多数の物件を販売する場合には、最低価格、最高価格、最多価格帯とそれらの価格帯に属する物件数が表示されます。また、価格には、上下水道施設・都市ガス供給施設のための費用等を含みます。

その他、共用施設や特別の施設の負担金がある場合、それらの施設の維持管理費がかかる場合は、その内容と金額が表示されます。

用途地域(全物件共通)

物件所在地の用途地域が表示されます。用途地域とは、都市計画法で建てられる建物や用途を制限し、地域ごとの土地利用を定めたものです。用途地域は全部で12種類に分かれており、それぞれの区分によって建築できる建築物や建ぺい率、容積率の制限が建築基準法で定められています。

設備概要(全物件共通)

上下水道施設やガスなどの設備の概要が表示されます。

入居予定年月・建築年月

新築分譲物件の場合、建物が未完成であれば入居予定年月が、完成後であれば建築年月が記載されます。

手付金等の保全機関

不動産会社(宅地建物取引業者)が自ら売り主となる場合で、売買契約時に一定額以上の手付金等(工事完了前の売買の場合は、代金の額の5%または1,000万円を超える場合、工事完了後の売買の場合は代金の額の10%または1,000万円を超える場合)が支払われるときは、売り主は、受領した手付金等の保全措置を講じなければなりません。保全措置は、保証会社等による保証や保険会社による保険等で行われます。

これによって、引き渡しまでに売り主が倒産した場合などに、買い主が支払った手付金等を回収できなくなることを防ぎます。

保全措置の実施機関は広告で確認することができます。

取引条件の有効期限

新聞折込チラシ等の場合には、取引条件の有効期限が表示されます。インターネットの場合は、情報更新日が表示されます。条件のよい物件は早く購入者が決まる傾向がありますので、取引条件の有効期間や情報更新日なども確認しておきましょう。

不動産広告における禁止事項

おとり広告に注意!

おとり広告とは、取引できない物件の広告のことで、以下のものが該当します。

  • 架空物件
  • 売却済みの物件
  • 売却する意思のない物件

こうした物件を広告し、集まった客に他の物件を紹介して取引することを狙いとする悪質な広告です。

不当な表示に注意!

著しく安く見せるための二重価格表示、物件を優良に見せるための不当な比較広告、誇大広告、虚偽広告、実際の物件や競合他社が取り扱う物件よりも著しく優良であることを示す優良誤認表示なども禁止されています。

不動産広告の不当表示例

下記の例のように、表示されるべき項目がなかったり、誤解を招くような表現がされている広告には注意しましょう。

1:特選、最高、抜群、稀少など

「特選」のように、一定の基準によって不動産が選別されたことを示す用語のほか、価格が著しく安いという印象を与える用語(「格安」等)、他社よりも優位であることを意味する用語(「業界初」「日本一」等)や最上級を示す用語は、客観的、具体的な根拠を示す事実がない限り使用が禁止されています。

2:バス停歩8分

最寄り駅から最寄りバス停までのバスの所要時間と、バス停から物件までの徒歩所要時間が記載されていなければなりません。

3:私道20平方メートル含む

敷地面積と私道負担面積は、明確に分けて表示しなければなりません。

4:不適合接道

都市計画区域または準都市計画区域内に建物を建築する場合に、その敷地は原則として幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないと定められています。それが満たされていない「不適合接道」の場合は、「建築不可」や「再建築不可」と表示しなければなりません。

5:建物面積 108.45平方メートル(地下車庫有り)

車庫を建物面積に含めることはできません。

6:広い4DK

「広い」「明るい」など主観的な表現は禁止されています。

7:中古

建築年月の表示が義務づけられています。

8:公園至近

学校や公園など公共施設を表示する際は「至近」などの主観的表現ではなく距離を明示しなければなりません。

9:専任

取引態様が「売り主」「貸主」「媒介」「代理」のいずれに該当するのかを明記して、不動産会社の取引上の立場を明確に示す必要があります。

不当な広告表示にかかわる質問・相談・申告は公正取引委員会の相談窓口が受け付けています。

おわりに

不動産広告の見方や禁止事項を理解していれば、物件探しはずっと効率的に行えるはずです。しっかりと確認しておきましょう。

(image by amanaimages)
(image by 筆者)

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