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不動産価格の相場の基礎知識

住まいを買うと決めたら、大きな検討課題となるのが「価格」です。不動産は個別性が非常に強い資産であるため、売り出されている価格が妥当なのか、その判断が極めて難しいという特徴があります。特に、仲介物件では、売り主と買い主の交渉により最終的な売買価格を決めることになります。

まずは、不動産価格に関する基本的な考え方と評価手法等を少しでも理解するようにしましょう。

本記事は、不動産ジャパンのご協力により、2013年に執筆されたものです。

不動産価格の基本的な考え方

同じ不動産は存在しない

不動産には1つとして同じものが存在しません。同じ地域の土地でも、土地の形、面積、方位、接する道路の状況などによって、価格が大きく変わることがあります。また、同じ棟のマンションでも、階数、間取り、部屋の方位、管理状況などによって価格は変わります。

このように、不動産価格の妥当性を判断する場合には、不動産の特徴(「個別性」)を踏まえて、物件ごとに検討する必要があります。

取引時点が変われば価格は変わる

不動産市場にも、全体的な相場の動きがあります。たとえ同じ不動産であっても、取引する時期(「取引時点」)が変われば、価格も大きく変わる場合があります。

したがって、不動産価格を判断する場合には、市場全体の動向も踏まえて、取引時期に応じて検討する必要があります。

最終的には売り主と買い主の合意が前提

不動産売買は、スーパーなどで買い物をするように、提示された金額に対して「買うか、買わないか」の二者択一で成立するものではありません。売り主と買い主が個別に希望条件を調整し、合意したときに初めて価格が確定します。

不動産の購入で後悔しないために

このように、不動産価格は個別の「取引」ごとに決まりますので、その価格を客観的なデータだけで完全に検証することはできません。

不動産の購入で後悔しないためには、

  • できるだけ多くの情報(専門家からのアドバイスも含みます)を収集して、価格に関する自分なりの検討を十分に行う
  • 最終的な取引の相手方と誠実に交渉を重ねる

ことが大切です。

その上で、自分自身が納得した上で取引をしましょう。

不動産価格の評価手法を知る(取引事例比較法)

売買を目的とした不動産の価格評価を一般的に「価格査定」といいます。

価格査定には様々な手法がありますが、今回は、「取引事例比較法」による住宅地(土地)とマンションの価格査定のおおまかな仕組みを紹介します。

価格査定には個別物件に応じた専門的な検討が必要であることに、留意してください。

「取引事例比較法」の仕組み

取引事例比較法は、売買しようとする不動産(以下「対象不動産」)と同じような不動産の取引事例等の価格と比較することで、対象不動産の価格を査定する方法です。

STEP1:取引事例等との比較

取引事例等となる不動産と対象不動産の個別性を比較します。例えば、土地であれば、土地の形・面積・方位・接する道路の状況など、マンションであれば、階数、間取り、部屋の方位などを比較します。

各比較項目について、対象不動産が取引事例等となる不動産より優れているのか、劣っているのかで、取引事例等となる不動産の価格を調整し、対象不動産のおおむねの価格を査定します。例えば、対象不動産が取引事例等となる不動産より10%程度劣ると判断する場合は、取引事例等の価格を10%減価します。

STEP2:時点修正

取引事例等となる不動産と対象不動産の取引時点を比較します。取引事例等の不動産が取引された時点から市場相場が上昇しているか、下落しているかで、価格に時点修正を施します。

例えば、取引事例等となる不動産が取引された時点より10%相場が下落していると判断する場合は、取引事例等との比較により算出した価格をさらに10%減価します。

STEP3:その他留意事項

対象不動産の価格査定は、取引事例等との比較と時点修正のみで完結するものではありません。その他の要因も加味した上で、最終的な査定価格とする必要があります。価格査定に当たっては、不動産会社等の専門家へ相談することも大切です。

取引事例等の選定に当たっての留意点

対象不動産と同じような不動産を取引事例等として選定しなければ、価格の判断を大きく誤ってしまいますので、慎重に取引事例等を選定する必要があります。以下に不適切な取引事例等の選定例を挙げます。

土地の場合

  • 住宅地の取引事例等として近隣の商業地を選定
  • 通常の住宅地の取引事例等として住宅地内の大規模な土地を選定
  • 住宅地の取引事例等として10年前の事例を選定

マンションの場合

  • 中古マンションの取引事例等として新築マンションを選定
  • ファミリーマンションの取引事例等としてワンルームマンションを選定
  • 比較的築浅のマンションの取引事例等として築後数十年のマンションを選定

おわりに

どういった方法で不動産価格は決まるのか、その大枠だけでも知っておくと、交渉の際に有利に働くはずです。

(image by amanaimages)
(image by 筆者)

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