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中学古文!読解力向上の鍵「ば」を学ぶ方法

これから古文の」を勉強していきましょう。この「ば」には、現代語にはない意味があり、しかも非常によく使われています。「ば」を理解することは、古文の理解の基礎になります。しかも、「ば」に関わる問題は、中学の定期試験だけでなく、入試で出ることもありますので、ぜひ身につけてください。

「ば」の実例

「ば」について解説する前に、現代語にはない意味をもつ「ば」の実例をお見せしましょう。

見れ、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。(『竹取物語』 より)
 
昼になりて、ぬるくゆるびもていけ、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。(『枕草子』より)
 
心に映りゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれ、あやしうこそもの狂ほしけれ。(『徒然草』より)

おそらく多くの中学生が教科書で出会う文ばかりでしょう。「ば」がいかに盛んに使われているかが、お分かりと思います。

「ば」の意味

現代語の「ば」は接続助詞です。その「ば」は「今行け、間に合うよ」のように使いますが、「行けば」は、まだ「行っていない」ことを意味しています。このように、まだ起こっていないことを条件にしていることを、「仮定条件」といいます。

古文の「ば」も接続助詞で、仮定条件も表します。ところが、古文の「ば」には、冒頭で述べましたように、現代の「ば」にはない重要な意味もあるのです。そこで学習者は誤解することが多くなり、従って、試験にもしばしば出題されるということになります。古文の「ば」の主な意味を紹介しましょう。

1:仮定条件

「雨降らば」は「もし雨が降ったら」という意味になります。現代でも使われている意味です。この例は、まだ起こっていないことを条件にしていて、「仮定条件」を表しています。「降ら」は未然形です。

2:確定条件

こちらが現代では使われない方の意味です。例えば「雨降れば」は大まかに分けますと、「雨が降ったので」と「雨が降ると」の2種類の意味になります。どちらになるかは、前後の文の意味で決めることになります。

「雨降れば」では、雨はもう降ったことを意味しています。「雨が降ると」の方は、仮定と混同しやすいでしょう。ですが、この場合の「雨が降ると」は、「その日雨が降ると、彼は姿を見せた」のように、仮定ではなく、雨がすでに降ったことを意味しているのです。

このように、すでに起こったことを条件にしていることを「確定条件」といいます。「降れ」は已然形(いぜんけい)です。已然形とは、仮定形の代わりにある5番目の活用形です。

ここまでをまとめますと、次の表のようになるでしょう。

「ば」の区別

では、「ば」の見分けに移りましょう。

仮定条件と確定条件の見分け方

残念ながら、古文の未然形には、「こうなったら未然形だ」と言えるような共通点がありません。一方、已然形にはある程度の共通点があります。

已然形は最後の文字がエ段(特に「」)で終わることが多いです。

この規則には例外もかなりありますが、中学の段階では十分だと思います。「ば」の前がエ段になっていれば、已然形で、そうでなければ未然形と判断すればいいのです。すると、「~ば」の意味が「もし~たら」なのか、「~ので/~と」なのかが分かります。

確定条件の見分け方

次に、「已然形+ば」の2つの意味の実例をご紹介しましょう。

見れ、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。(『竹取物語』より)

「見れば」の「ば」の前は「れ」です。ですから、已然形です。「已然形+ば」の意味は「~ので」か「~と」です。当てはめてみて、しっくりくる方を選びましょう。

「見たので」と訳せば、奇妙な日本語になってしまいます。やはりここは「見る、三寸(約9センチ)くらいの人がとても可愛らしい様子で座っていた」と訳すのが自然ということになります。

なお、冒頭の『枕草子』『徒然草』の「ば」も同じ意味です。それぞれの解釈はこうなります。

昼になり、寒さがゆるんでいくと、火桶の火も白い灰が多くなってよくない。(枕草子)

心に浮かぶとりとめもないことを何とはなしに書きとめていると、妙なことに、気が変になりそうな気分になるのだ。(徒然草)

では、もう1つの意味です。

いと幼けれ、籠(こ) に入れて養ふ。(『竹取物語』より)

もうお分かりですね。「幼ければ」は「已然形+ば」です。今度は、「とても小さいと」と訳すのではなく、「とても小さいので、かごに入れて育てた」と訳すのが自然です。

問題

では、確認のために問題を解いていきましょう。これまでの説明を読んでいれば、簡単ではないかと思います。

太字の部分の正しい現代語訳を選んで記号で答えよ。

(1)狂人のまねとて大路を走らば、すなはち狂人なり。(『徒然草』より)
ア、走ったので
イ、走ったが
ウ、もし走ったら
エ、たとえ走っても
 
(2)柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺(正岡子規)
ア、食べたので
イ、食べると
ウ、もし食べたら
エ、食べたが
 
(3)旅人の宿りせむ野に霜降らば我が子羽ぐくめ天の鶴群(たづむら)(『万葉集』より・作者不明)
ア、おりたので
イ、おりると
ウ、もしおりたら
エ、たとえおりても
(霜が主語なので、現代語では「ふる」よりも「おりる」の方が自然です。)
 
(4)東(ひむがし)の野にかぎろひの立つみえてかえりみすれば月かたぶきぬ(『万葉集』より・柿本人麻呂)
ア、振り返って見たので
イ、振り返って見ると
ウ、もし振り返って見たら
エ、振り返って見たとき
 
(5)風波やまねば、なほ同じ所にあり。(『土佐日記』より)
ア、やまなかったので
イ、やんだので
ウ、やむと
エ、もしやまなかったら

解答

  • (1)ウ:「走ら」の「ら」はエ段ではありません。未然形ですので、仮定条件です。
  • (2)イ:「くへ」の「へ」はエ段です。已然形ですので、確定条件です。
  • (3)ウ:「降ら」の「ら」はエ段ではありません。未然形ですので、仮定条件です。
  • (4)イ:「かえりみすれ」の「れ」はエ段です。已然形ですので、確定条件です。
  • (5)ア:「やまね」は「やま」+「ね」となります。「ね」は打ち消しの助動詞ですが、エ段で已然形ですので、確定条件です。

古文の解釈

  • (1)もし狂人のまねをしようとして大通りを走ったら、その人はまさに狂人だ。
  • (2)柿を食べると、法隆寺の鐘が鳴った
  • (3)もし旅人が野宿する野に霜がおりたら、空を行く鶴の群れよ、その羽でわが子を守ってやってください
  • (4)東の野に陽炎(かげろう)がたつのが見え、振り返って見ると、月が沈もうとしている
  • (5)風と波がやまなかったので、まだ同じ所にいる。

おわりに

お疲れさまでした。古文の「ば」を理解したら、古文の読解力がぐっと高まっていることを実感できるのではないでしょうか。皆さんの健闘を願っています。

(image by 足成)
(image by 筆者)

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