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和室の魅力を再発見!知っておきたい和室づくりの基礎知識

日本の住まいも洋室を中心にしたつくりになりましたが、やはり和室には私たち日本人が忘れられない魅力が詰まっています。

ここでは、和室づくりの基礎知識についてご紹介します。

本記事は、OZONE家designのご協力により、2013年に執筆されたものです。

和室ならではの魅力

和室の最も大きな魅力は、その用途の多様さです。

居間や寝室といった日常空間としての利用から、客間として来客をもてなしたり、仏間として先祖を祭る場にと、1室で多目的に活用することができます。

また、和室の醸し出す落ち着いた空気は、不思議に気分をゆったりと鎮めてくれます。

特に住居スペースが大きくとれない都市部の和室は、伝統に捕らわれない多目的空間として、さまざまに見直されてきています。

1室でも和室プランを

新築住宅やマンションにも、1室は和室をと考える方がたくさんいます。伝統的な日本情緒だけでなく、最近は、普段の使い勝手を重視した現代風の和室づくりが求められています。

また、和室の開放性を活かして、リビングとの続き部屋にするタイプが増え、空間に伸びやかな連続性を与えています。

美しい和室づくりのコツ

洋風の住まいに昔ながらの和室では、個性が強くなりすぎてしまいます。

建てる際に少し手を加えるだけで調和をとる方法をいくつかご紹介しましょう。

従来の和室の壁は「真壁」といって柱などの構造材の間に壁を造るため、柱や鴨居が見えるようになっていました。

これを洋風の「大壁」にすることで、構造材の外側に壁が造られるため、柱などが見えなくなります。

和室の壁面を大きくみせることができます。

照明器具

照明器具を天井埋め込み型にすると、すっきりした印象になります。

また、和紙や竹といった和風素材を使ったり、吊り下げ型にしてみるだけでもモダンな印象を与えることが可能です。

冷暖房器具

もともと固定的な家具を置かないのが和室の特徴なので、機器を見せないつくりにした方がよいでしょう。

冷・暖のどちらを主体とするかでも設置場所が変わってきます。全体に、和室らしさを壊さない簡素で粋なインテリアを考えたいものです。

伝統和室にみるしつらえ

伝統的な和室にはいくつかの形式があり、形式にのっとって造られた和室には、昔から伝わる温かみや落ち着きが生まれます。

伝統的な和室のしつらえの中で、現代の和室にも取り入れやすいものは以下の通りです。

床の間

床の間は、部屋の一部を一段高くした床を南向きまたは東向きにとります。

本床といい、縁側に接して床の間と書院、その右側に床脇をとると、自然に床の間の向きが南、または東になるのだそうです。この位置を逆とったものは逆床といいます。

床の間は畳1畳敷きが普通で、床框・床柱・落とし掛け・書院で構成されています。最近では簡略化した洞床・踏み込み床・さらに床と床柱だけのような象徴としての床の間も多くなっています。

広縁

広縁とは、和室の庭側にある幅90cmくらいの板張り廊下のようなものを指し、障子とガラス窓との間に設けます。

雨風の吹き込みや日差しを防ぐ役割を果たします。

ぬれ縁

掃出し窓の外側につくられるのが、ぬれ縁です。広縁よりは幅が狭く、庭から家に入るのに便利で、開放的です。また、ぬれ縁は家の土台を守る役割を果たします。

掘りごたつ

半畳分の床を40cmほど低くし、中に熱源を置いて腰掛けられるようにしたこたつが掘りごたつです。

最近の掘りごたつの熱源は電気式床暖房にも採用されているPTCヒーターが採用されるなどして快適性が高まっています。

意外にも最初に掘りごたつを作ったのは日本人ではなく、イギリス陶芸家のバーナード・リーチさんです。

電源は専用のコンセントが必要です。

日本壁

和室の壁は昔から塗り壁が主体であり、かつては、下地である割り竹を組んだ小舞の芯の上に、荒壁を塗り、乾燥させた後に、中塗り、そして上塗りというように何度も下塗りを繰り返して造り上げるのが一般的でした。

しかし、工期も長くかかり、職人不足でもあることから、最近ではプラスターボード(石こうボード)の上に、シックイや京土壁(じゅらく壁)などを塗り上げることが主流になっています。

現代の住宅では、京土壁が最も一般的ですが、塗り壁であることに変わりはないので、十分な乾燥期間を設けることが必要です。
色も、茶系やグリーン系、石など光る素材が入ったものと様々です。リビングの一角に設ける場合など、自然なつながりの壁材や色彩を選ぶようにしましょう。

畳・襖・障子の役割

視覚的な調和

障子によって取り入れられた外光は、畳と襖によって微妙に屈折し、独特の趣を醸し出します。

和室は座位が基本なので、座った状態で外光を楽しめるように、建具の装飾も考えられています。

家具などはなるべく置かないようにし、シンプルな建具を選ぶなど、雰囲気を壊さないようにしましょう。

畳は、吸湿性、吸音性、そして断熱効果に優れた和室の主役素材です。

畳は畳表と呼ばれる、乾燥イ草を織り込んだものと、畳床という稲藁を重ねて束ねたもので構成されており、この素材と構成が湿気の調節になり、高温多湿の日本に合うばかりでなく、結露やカビなどを防ぐ効果があります。

現代の気密性が高い住宅では、スタイロフォームを畳床に用いるスタイロ畳が多く採用されています。

織り込んでいるために素足で歩いてもベタベタすることがなく、独特の感触が魅力です。
最近では、フローリングの上に敷いたり、畳のコーナーを設けることも多いようです。従来の敷き方に捕らわれず、自由な発想で畳を用いることが大切です。

畳には、縁なしもありますが「へり」で囲ってあるものが一般的です。

「へり」は室内の床仕上を引き締める役割を持ち、材質は、絹・麻・木綿などさまざまです。

洋風住宅の場合や、フローリングとの続き間にする場合には、昔のような金糸柄の入った派手なものは避け、紺・茶・鳶色など無地に近いものを選ぶ方が、自然なつながりになります。

畳の大きさは、大きめの関西風の京間、小さめの関東風の田舎間、メーターモジュールに合わせた大きさなど家のつくりで選ばれます。

家具を置く場合など、予め、畳の大きさと広さを確認するようにしましょう。

和室の暖房

和室の暖房として注目されているのが、床暖房です。

和室にエアコンを用いる場合、座位なので部屋が暖まりにくく感じますが、床暖房と併用すれば、寒い季節にも快適に過ごせるようになります。

床暖房にする場合は、畳自体は表面だけにとどめ、下地を畳ボードにした特殊畳を用います。

温水式・電気パネル式などがありますので、設計の段階で早めに伝えましょう。

襖は、組み子の建具に布や紙を張ったもので、部屋の間仕切りや押し入れ、戸棚の戸などに用いられます。

ドアに比べて軽いので、開け閉めが容易で、圧迫感もありません。簡単に外すこともできるので、現代住宅にも取り入れやすいです。

襖の模様は、雰囲気づくりの重要なポイントとなります。

大別すると、無地・総模様・腰模様の3種ですが、洋間と続ける場合などはシンプルでモダンなものを選びましょう。

腰模様はインパクトが強いので、柄をよく選び、かなり広い和室の場合にのみ用いてください。

障子

障子は、組み子に和紙を張ったもので、外光を遮断して柔らかな光を室内に取り入れるという日本独特の文化です。

和紙には、適度な通気性と断熱性があるため、冷暖房を調節するという効果もあります。

おわりに

ここでは、和室づくりの基礎知識についてご紹介しました。

工夫をすれば、現代の家にも和室をうまく取り入れることができます。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

(image by 筆者)

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