筆者はMARTIN D-18というギターを使っていますが、カポを利用していよく演奏をしています。今回の記事ではアコースティックギターにおけるカポの使い方をご紹介します。
カポについて
カポとは正確に言うと「カポタスト」と言います。なぜカポを使うのかというと、それは自分が一番上手くギターを演奏できるのはオープン・コードだからです。その利点を最大限に生かすためにカポという道具があるんですよね。
基本的にオープンコードはC(ハ長調)ひとつ覚えていれば十分楽しめるのですが、ハ長調で使うコードはC・Am・Dm・Em・F・Gなどがあるので、このへんだけマスターしておけば大体カポの手助けでいろんな調の曲が演奏できます。
カポには大体三種類あります。
- ばね仕掛けのクリップタイプ:素早く装着できます
- 万力のように挟み込むタイプ:しっかり固定は出来るのですが両手で装着しなければならないというところが面倒です
- ゴムバンドのようにゴムの力で締め付けるタイプ:両手を使うのと・結構力が要ります
今回は一番扱いやすいばね仕掛けのクリップタイプで説明していきます。
カポの取り付け方・外し方
それでは具体的に画像を用いて説明にしていきます。
STEP1 カポを手に取る
このように手の平ではさみ込んで握ります。
STEP2 カポを握りギターにはさむ準備をする
ネックにセットするにはクリップを広げてやる必要があります。手の平をグウの形で握りしめてください。クリップが開きます。
STEP3 ギターにセットする
このようにカポをネックに挟み込み所定のフレット(ネックに埋め込まれている金属部)に装着したら手の平の力を抜きます。
STEP4 完了
設置位置はカポが水平になるようにしましょう。多少フレットに近い位置の方が音が安定します。
カポを付ける曲の見分け方
譜面のコードが難しい調子の場合(A・B・Dなどで始まる曲)、カポを使用することによって手慣れた調に転調してやれば音程を変えずに演奏ができます。その転調の方法は後で早見表で説明します。
カポを付けて弾くときのコツ
カポを装着してオープンコードのCを抑えた写真
オープン・コードにすることにより細かな装飾音の演奏も可能になります。ハイ・コードの場合は指の動きが限られて窮屈な演奏になりますよね。
カポを装着してハイ・コードのFを抑えた写真
ハイコードで設定する曲と言うのはたぶん少ないのではないかなあと思いますが自分の歌う音域によっては転調する必要がありますからハイコードでの一音上げのようなことも時にはでてきます。
アコースティックギターのカポを使うときの注意点
転調を利用する
先も説明した転調する時のポイントを説明します。
カポと連動するオープン・コードの規定ですが一番多く使われるのがC(ハ長調)ですね。その次に使われるのがG(ト長調)なのです。この早見表の見方ですが全てCに置き換える方法とGに置き換える方法を表しています。
- Cを基本にカポを使う場合、カポ位置が2の場合はD(ニ長調)に、カポ位置が4の場合はE(ホ長調)に、カポ位置が5の場合はF(ヘ長調)になります。
- Gを基本にカポを使う場合、カポ位置が2の場合はA(イ長調)になり、カポ位置が4の場合はB(ロ長調)になります。
音階の理屈を理解しておく
音階における理屈を理解しておくと、あとあと転調する場合役に立ちます。音階の中の全音と半音の決まりですね。写真で示した図を参考にしてください
エレキギターとの違い
エレキとの大きな違いはネックの太さがあります。エレキはネックが細いです。これはコードを抑える場合非常に楽なんですね。抑えの力も少なくてすみますし指の押さえる形状もネックが細い分楽なんです。またエレキはネックが長いのも特徴です。ネックが長いとハイ・コードがより扱いやすくなります。
このようにエレキでは指の動作の自由度が大きいですから、あえてカポを使う必要もないとも言うことができます。エレキではハイコードで細かいフィンガー・ワークをすることでアコースティックではできない独特な奏法もできるんですよ。
まtあ、ギターの形状、重量もエレキとは違います。厚みがなくて結構重いという特性からいってギターの装着位置も変わります。アコースティックは上半身にかまえる場合が多いです。アコースティックは軽い分上半身で抱え込む持ち方ができますしそうすればフィンガー・ワークも楽になるんです。エレキは重たさのせいで腰で構える場合が多いです。エレキのセミアコースティックの場合はそんなに重くもないので上半身の装着でも大丈夫です。ジョン・レノンなどがそうしてました。
さいごに
ギターというものは、どの種類のギターでも楽しみ方に変化があり楽しいものです。筆者もエレキ、アコースティックどちらも今現在雰囲気によって楽しんでいます。カポを使う事によってもっと楽しみの奥行きも広がって行きますよ。
(photo by 著者)