自転車に乗っていて、タイヤがガタガタすることがありませんか?いくつかの原因が考えられますので、著者の古めの自転車を使い、ヘッドパーツ部分のメンテナンス方法をご紹介します。
著者の自転車について
著者が使用しているのは、上記写真の「スプリングボックDT」という自転車です。15年ほど前の古い自転車で、古い規格、入手不可能な部品が多く使われています。このため写真では、多数の部品の更新を行っています。
メンテナンスに必要な道具・パーツ・費用
道具・パーツ
- 六角レンチ:ハンドルを外すため
- 32mm幅の薄刃のスパナ:ヘッドパーツを外すため
- グリス:ベアリングなどの潤滑、錆防止のため
費用
今回の交換部品の価格は上下2個計220円でした。
方法1:ヘッドパーツのネジを締める
ブレーキをかけて前後に揺らすとガクガクする等の症状があれば、ヘッドパーツのゆるみが原因かもしれません。写真上部のネジをスパナで締めてみましょう。
方法2:ヘッドパーツ内部の部品を交換する
STEP1:パーツの選択
著者の自転車「スプリングボックDT」のヘッドパーツは、「スレッド式1インチJIS」という仕様の古い型のものです。
今回はヘッドパーツ内部のベアリング部分を交換してみます。古い自転車の場合、メーカーに問い合わせても交換できる部品の仕様が判明しないことがあるので、現物を元に調査しました。
今回は「TANGE PASSAGE DX用」が適合しそうでしたので、これと交換しました。写真の左が元の部品、右が新しい部品です。
同形状のものが現存していてラッキーでした。もし無ければヘッドパーツ部分の全てを交換する必要があります。
STEP2:ハンドルの取り外し
スレッド式のハンドルはハンドル上部のネジを六角レンチでゆるめるだけではずせます。あくまでゆるめるだけで完全にネジを抜いてしまっては行けませんので注意してください。
STEP3:ヘッドパーツの取り外し
ヘッドパーツの上部分を分解します。上部はネジ2つで組み上がっていますのでこれをスパナで外します。ネジはそんなに堅く無いはずです。簡単にゆるめられます。どちらも右ネジです。
STEP4:フォーク部分を抜く
STEP3でフォークが抜ける様になります。このときベアリングリテーナーが破損しているとベアリングがぱらぱらと落ちてくるかもしれません。
著者の場合は、有線のサイクルコンピュータを付けていますのでその配線を先に外すなど事前に準備が必要でした。これが簡単にできるように配線の途中でコネクタ接続に改造済みです。
STEP5:ベアリングリテーナーを外す
古いグリスがまだ残っている状態ではベアリングリテーナーがワン側にくっついているかもしれません。これを分離します。写真は上部の場合です。
STEP6:組み立て
各部の古いグリスをぬぐい取って清掃し、新しいグリスを十分にベアリング、ワン、玉押しに塗りつけます。後は各STEPを逆に実施します。ヘッドパーツ上部のネジはガタがなくハンドルは軽く操作できる適度な強さで締めてください。写真が元の状態です。
取り付け時の注意
今回紹介したパーツは表裏で形状が異なります。ベアリングのみがワンと玉押しに接触するように取り付ける必要があります。リテーナーの枠はどこのも接触させてはいけません。裏表逆でも取り付けはできてしまうので注意が必要です。
著者の自転車では上の写真が上側(ワンにベアリングリテーナーを付けた状態)、下の写真が下側(玉押しにベアリングリテーナーを付けた状態)それぞれの取り付け方向となります。これを逆にするとリテーナーの枠がワンに接触してしまいます。
おわりに
ハンドルはそんなにクルクル回す部分ではありませんのでメンテナンスの必要頻度は低いと思います。著者も10年以上たって初めていじりました。しかしヘッドパーツはネジがゆるみやすい部分のようですので、時々の締め付けは必要でしょう。
あまり放っておくとベアリング、リテーナーの破損につながりますので、こまめにメンテナンスするといいかもしれませんね。
(photo by 著者)