「内閣と行政」分野の学び方について解説します。
学習のポイント
官庁の再編をはじめ、選挙制度改革、体外交渉や条約締結、内閣や国会の動向が行政に作用を及ぼしています。
行政に関して行われてる事を見ていくと、内閣が行なっているのか内閣総理大臣が行なっているのかわかりにくい事があります。しかし、前もって押さえておけば区別は簡単にできます。
この分野のポイントとしては、ただ闇雲に記憶しようとするのではなく、現在の政治に関するニュースなどで今報道されている事はここにまとめてあるどこの事か、を意識すると記憶に定着しやすくなります。
例えば、「民主党の野田内閣の時に解散総選挙が行われ、民主党は与党ではなくなったが、野田内閣の閣僚は議員として当選できなかった者も含めて内閣を構成を維持していた」という具合に具体的な事例として思い出せば、よくわかると思います。
筆者も「今国会でやっている事はどういう制度で行われているのか」という視点をもって勉強していました。
内閣と行政の概要
内閣は行政を行う
国家の3つの権力のうち「行政」を行うのが内閣です。選挙で選ばれた代表者である議員で構成する国会において、首班指名を行ない総理大臣を選びます。
選ばれた総理大臣が内閣を組織して、行政を担当することとなります。
内閣は行政権の行使について、国会に連帯して責任を負います。
内閣の構成
内閣総理大臣と国務大臣により構成される
憲法上「大臣は文民でなければならない」という規定があります。一般的には軍人でない者という事になりますが、日本には軍隊はありませんので、現役自衛官でなければよいという事になります。
国務大臣の人数
大臣は文民であればよく、国会議員に限られません。しかし「国務大臣の過半数は国会議員」という制約があります。
国務大臣の数は、14人以内とする。ただし、特別に必要がある場合においては、3人を限度にその数を増加し、17人以内とすることができる。
内閣総理大臣と国務大臣の任免
内閣総理大臣は天皇によって任命
内閣総理大臣は国会で指名されますが、任命は天皇によって行われます。
国務大臣は内閣総理大臣が任命
国務大臣は内閣総理大臣によって任命されます。
内閣総理大臣は任意で国務大臣を罷免できる
内閣総理大臣は国務大臣を任命するだけでなく罷免もできます。
任命だけできて罷免ができないというのでは、内閣総理大臣のリーダーシップや内閣府一致を避ける事が困難になるケースも出てきてしまうためです。
内閣の職務
外交関係の処理
国家の方針を決めるためには国会で多数決によって意思決定を行いますが、外交については内閣が行います。
条約の締結
日本が諸外国などと条約を締結する場合、外交権を有する内閣が国を代表して行ないます。
外交は内閣の専権事項ですが、その条約の効力が日本国内に及ぶ事は十分ありえます。そのため、国会の承認が問題になります。
予算の作成をし国会に提出する
法律案は一定の要件を満たせば国会議員たちが提出する事ができますが、予算案に関しては内閣が作成し提出する事になっています。
内閣総理大臣の職務
議案を国会に提出
内閣総理大臣も一国会議員であるので、内閣を代表して議案を提出する事ができます。
一般国務及び外交関係について国会に報告
内閣は行政を担当するので、それに関する事を内閣を代表して国会で説明します。
行政各部を指揮監督
行政を担う内閣を統括する内閣総理大臣は、行政の各組織などに指揮命令ができます。
総辞職と内閣
内閣不信任案の可決などにより内閣が総辞職となる場合、内閣は新たに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行います。
まとめ
日常、新聞やニュースで見る政治の動向というのはまさに行政に関わる事です。ニュースに目を向けながら参考にして下さい。
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