「連体詞」とは、漢字の通り「体言に連なる品詞」です。実はかなり見分けがつきやすい品詞なのですが、ちょっと紛らわしい所があるので苦手な人も多いようです。
では早速問題です。
1:きれいな花
2:大きな車
3:小さい人
4:こうする
5:この本
このうち、「連体詞」はどれでしょう。すぐ答えられましたか?
見分け方を覚えれば、悩む事なく判別がつきます。それでは「連体詞」の特徴と見分け方を見ていきましょう。
「連体詞」の特徴
ポイント1:必ず「体言」を修飾する
「主に」ではありません。「必ず」です。常に体言を修飾します。文法に付きものの「例外」はありません。
ポイント2: 「た(だ)・な・が・の・る」で終わる
連体詞には、最後が「~た(だ)・な・が・の・る」で終わるという特徴があります。例を見てみましょう。
・大した度胸 ・小さな店 ・わが故郷 ・その人 ・あらゆる手段
太字が連体詞です。全て体言を修飾していますね。連体詞は「たながのる」。これをしっかり覚えましょう。
ポイント3: 活用はしない
連体詞は、副詞と同じように活用はしません。この特徴は形容詞や形容動詞と見分ける際のポイントになります。
他の品詞との見分け方
連体詞と間違われやすいのが、形容詞・形容動詞・副詞です。それぞれに見分け方がありますので、順番に見ていきましょう。
形容詞との見分け方
A:大きい家 B:大きな家
A・Bどちらが連体詞でしょう。どちらも体言を修飾しています。
ポイント2に照らしてみると、Bは「大きな」と、「な」で終わっていますね。よって連体詞は「B:大きな」です。「A:大きい」は、「い」で終わっています。言い切りの形が「~い」となるのは形容詞ですね。
形容動詞との見分け方
A:きれいな人 B:小さな人
どちらも体言を修飾し、「な」で終わっていますね。この場合は「だ」と言い換えられるかを考えます。すると、
A:きれいだ B:小さだ
となります。「小さだ」という言い方はありませんね。ポイント3であったように、連体詞は活用しません。よって「B:小さな」が連体詞です。
言い切りの形が「だ」となるのは形容動詞です。「きれいな」は形容動詞の連体形ですね。「な」と「だ」を言い換えられたら形容動詞です。
副詞との見分け方
A:その本を取って。 B:そうしなさい。
どちらもいわゆる「こそあど言葉」ですね。それぞれ見てみると、
- A:「体言を修飾している」「終わりがのである」
- B:「用言を修飾している」
となりますから、「A:その」が連体詞です。
ではこちらはどうでしょう。
C:ずっと前
「ずっと」が修飾しているのは「前」という体言です。活用もしません。しかし「たながのる」の原則に当てはまりませんね。ですからこれは「体言を修飾する、副詞の例外的用法」です。
「連体詞」まとめ
以上のポイントと見分け方をふまえ、最初の問題を見てみましょう。
1:きれいな花→「きれいだ」と言い換えられるので形容動詞
2:大きな車→連体詞
3:小さい人→「い」で終わっているので形容詞
4:こうする→用言を修飾しているので副詞
5:この本→連体詞
この通り、2と5が正解となります。
連体詞の覚えておくべきポイントをまとめると、
- 必ず体言を修飾する
- 「たながのる」で終わる
- 活用はしない
この3つが全てです。この原則に当てはめれば、必ず他の品詞と見分けがつきます。しっかり覚えて下さいね。
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