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ちょっとした事を意識するだけで宇治拾遺物語はこんなに読める!

古典作品を読み解く上で、一番大切になってくるのは、私たちが常識と思っていることや、現代人の感覚のみにとらわれて読んではいけないということです。

例えば、源氏物語という作品がありますね。主人公の光源氏のことを知っている現代人は「幼女誘拐?彼ってロリコン?」なんて思う人もいるでしょう。しかし、こう感じるのは現代人の感覚があるからです。当時の人々は違った感じ方をしていました。

それは、現代とは社会の様相や常識が異なっているからです。

宇治拾遺物語にも、書かれた当時の習慣が盛り込まれています。その、当時の習慣を意識しながら、ことばの意味やその時の常識に注意しながら読むことが大切です。

宇治拾遺物語の概要

宇治拾遺物語の成立

宇治拾遺物語は中世の説話文学です。

研究者によって、細かい時代区分は異なりますが、一般にはだいたい、鎌倉・南北朝・室町時代あたりを中世としています。

ヨーロッパの中世(平安から江戸、産業革命が起きるまで)とは一緒にしないこと。

説話って何?

和歌や物語はなんとなくどんなものかはご存知でしょう。和歌は形が決まっているし、物語はオリジナルや戦いの歴史を描いたものなど非常に細分化されています。

説話はというと、色んな話をまとめたものや、道徳を説いたものなど、中身がバラバラです。言い換えれば、それぞれに個性があるということです。

成立推測

編纂者については分かっていません。ただ、特徴から推測してみるとおもしろいです。編纂者は誰なのか推理するのも鑑賞の楽しさの一つかもしれません。

  • 鎌倉初期に活動していた人物
  • 歌人など多様な人との交流があった人物
  • 知識人と会話をしたり話を聞く機会があったりした人物

誰に向けて書かれたの?

宇治拾遺物語を読んでみればわかりますが、詳しい説明は書かれていません。同じような説話が多く載っている今昔物語集では、かなりていねいな説明が書かれています。

書かなくてもそれが分かる人に向けて書かれたのだということが分かります。

また、ほかの説話に出てくる「説教の部分」が飛んでいます。その為、この説話集は仏教を教え諭す目的で書かれたものではないということが分かります。

面白い話を仲間内で回し読みする為、読んで楽しい文章を書こうとしたのかもしれませんね。

宇治拾遺物語は知識階層に向けて書かれたと読み取れる。

見える、聞こえるものだけで判断しないこと。書かれていないということは、当時の人々や知識層にとって分かりきったことだからです。

何に注目して書かれているか

宇治拾遺物語は、いきなり歌人の権威を引き摺り下ろすような話からスタートします。さらに、その話の最後も教訓が書かれていません。また、身分の低いものが知恵を使って問題を解決する話もあります。

ここから、「身分のある人だからたたえるような内容を書こう」という気持ちが無いことが分かります。

エピソードとしてのおもしろさや、登場人物のひととなりを重視していることが分かります。

宇治拾遺物語のおもしろさ

宇治拾遺物語は、いろいろな説話をもとにして、再編集した説話集です。説話という字の如く、何かものごとを説いているものが多く、説教があると、どうしてもつまらないと感じてしまうものです。

しかし、宇治拾遺物語は物語として読んで非常におもしろい作品です。説話を物語として読んで面白いというのは、並みの物書きではそうなりません。

すばらしい文才を持った人物が編纂したのだと言えます。

ドラマや漫画などにもなっている、陰陽師・安倍晴明についての話も載っているので、自分の持っている知識と比較しながら読むととても面白いと思います。

読み取りのポイント

宇治拾遺物語は、やわらかい和語の文体で書かれているため、古典の文法や言葉の意味が分からなくても、なんとなく読み取ることができると思います。

なので、教科書に出てきた分からない言葉は必ず辞書で引いて確認するようにしましょう。それだけで、ぐっと何が書かれているのか分かるようになります。

また、当時の社会的背景を知っておくことで、より深い理解が得ることができます。教科書に出てきた行事や、神さまの名前など前もって軽く予習しておくことが大切です。

おわりに

宇治拾遺物語には本当に色々な話が載っています。古典だから読みづらいし嫌だなという気持ちは分かります。しかし、きちんと読み込めればとても面白く、授業も楽しくなると思います。

色々な章段がありますが、授業で扱うのはきっと一部だと思います。これらのポイントを参考にして頑張ってください。

(image by amanaimages)

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