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    古文の助動詞「す」「さす」「しむ」学ぶポイント

    古文の助動詞「す」「さす」「しむ」について、最低限マスターしておきたいポイントを学んでいきます。

    「す」「さす」「しむ」を「使役」と「尊敬」の2つの意味に訳し分けることができるように、まずは基本の知識をしっかり頭に入れることからはじめましょう。

    活用形を覚える

    助動詞「す」「さす」「しむ」の活用を唱えてみましょう

    それぞれ、活用表に沿って30回ずつ唱えてみましょう。活用表を見ながら呪文のように唱えて、目と耳で覚えます。

    頭から、「未然形、連用形、終止形、連体形、巳然形、命令形」です。

    • す・・・「せ/せ/す/する/すれ/せよ」
    • さす・・・「させ/させ/さす/さする/さすれ/させよ」
    • しむ・・・「しめ/しめ/しむ/しむる/しむれ/しめよ」

    意味を覚える

    助動詞「す」「さす」「しむ」のもともとの意味は、「何かのはたらきかけがあっておきたことである」というものです。これを、状況に応じて「使役」と「尊敬」の2つの意味に訳し分けます。

    • 使役(~させる)
    • 尊敬(~なさる)

    「使役・尊敬・・・」と、くりかえし唱えて覚えましょう。

    「す」「さす」「しむ」は、どの動詞につくかが違う(接続が違う)だけで、表す意味は同じです。

    接続を覚える

    • 「す」は四段・ナ変・ラ変動詞の未然形(例)笑わす・死なす・侍らす
    • 「さす」は四段・ナ変・ラ変以外の動詞の未然形(例)捨てさす・起きさす
    • 「しむ」は活用語の未然形(例)作らしむ・取らしむ

    サ変動詞「す」や過去の助動詞「き」との識別の際に、接続のしかたが判断基準になります。

    それぞれ接続する語は違いますが、「す」「さす」「しむ」は未然形につくと覚えておきましょう。

    意味を判別するコツ

    次のような基準で意味を判別します。

    コツ1:単体で使われているときは「使役」

    例文

    • 翁にあづけてやしなは。(翁にあずけて養わせる。)

    やしなふ(養ふ)の未然形+「す」の終止形です。「翁にあずけて養わせる」という意味になります。

    コツ2:「給ふ」と一緒に使われていたら「尊敬」

    古文を読んでいると「給ふ」「させ給ふ」「しめ給ふ」という表現によく出合います。

    例文

    • 御殿に入らせ給ふ。(御殿にお入りになる。)
    • 山にてつくり集めさせ給ふ。(山でつくってお集めになる。)
    • 書きて一巻とせしめ給ふ。(書いて一巻となさる。)

    これらは「す」「さす」「しむ」の連用形「せ」「させ」「しめ」に「給ふ」がついた形ですが、ほとんどの場合において「尊敬」の意味で使われています。

    二重敬語または最高敬語といって、地の文で使われるときには、皇族や摂政・関白などに対して使われ、高い程度の敬意を表します。

    注意

    まれに、「尊敬」の意味で訳すと、文脈上おかしくなる場合があります。

    そのときは「使役」の意味で訳してみましょう。「~させなさる」などの訳で意味が通るようなら、「使役」の意味で使われていると判断します。

    • 例:大臣が犬を膝に座ら給ふ。

    「大臣が犬を膝に座らせた」という文脈なのに、尊敬の意味で訳すと「大臣が犬を膝に座りなさる」となってしまい、 この訳ではおかしいですね。

    そこで、「使役」の意味で訳してみると「大臣が犬を膝に座らさせなさる」となり、意味が通ります。

    おわりに

    いかがでしたか?

    ちなみに、「す」「さす」は平安時代から使われるようになった言葉で、それまでは使役を表すのには「しむ」が使われていました。

    「す」「さす」が一般的に使われるようになってからというもの、「しむ」は漢文の訓読など、特殊な場面でのみ使用されるようになりました。

    たまに例外もいましたが、かつては漢文を扱うのは男性が多かったそうです。そんなこともあって、古文の物語で使われる「しむ」はほとんどの場合、男性の言葉と考えられています。

    1000年以上も前から、変化したり、男女で違いがあったりと、言葉の歴史がうかがえる「す」「さす」「しむ」。活用も接続も意味も、ばっちりおさえておきましょうね。

    (image by 著者)

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