今、静かにアツい「土星」
太陽系第6番目の惑星である土星。太陽系で一番大きなわけでもなく(2番目)、地球に近いわけでもないため、輪っかのある惑星という印象ぐらいしかないかもしれません。
しかし、2013年、その土星が密かに注目を集めたのをご存知ですか?
土星が30年ぶりに地球に大接近し、2013年5月22日・23日には、「土星とスピカに月が接近」という天体マニア垂涎モノのビッグイベントが起こりました。
天文学的には結構貴重なこのイベント。土星とその少し西に見える「春の大三角」の一つである1等星のスピカの間を、満月が通過する様子を観測できるというものでした。
今回はそんな土星の「凄さ」をまとめてみました。事前にチェックして観測時に披露しちゃいましょう。
土星ってどんな星?知っておきたい基礎知識
通ぶる知識を得る前に、まずは土星(Saturn)についての基本を押さえましょう。
- 半径:6万268km(地球の約9倍)
- 質量:地球1に対して95.16
- 太陽との距離:14億2940万km(地球の約5倍)
- 1年の長さ(公転周期):29年
- 1日の長さ(自転周期):10時間39分
- 表面温度:-180℃(地球は15℃)
これであなたも土星通!意外な「凄さ」まとめ
地球2個分のバラ!「嵐」がスゴイ!
上層大気の風速は赤道地域では毎秒500メートルに達するなど、激しい気流が特徴の土星ですが、嵐ともなるとまさに規格外。
今年(2013年)の5月には、直径約2000kmと、地球2個分にもなる巨大な渦が発生したそうです。しかも、見た目は美しいバラ状。地球では考えられませんね。
たった10m?「薄さ」がスゴイ!
土星と言われて思い浮かぶのは、なんといっても星を取り囲む大きな「環」。
宇宙に浮かぶものなので、さぞ大きなものだと思うかもしれませんが、実は最も薄い場所では厚さ10~30mと、以外にもペラペラなのです。「天文学的」と形容するには少し身近すぎる数字ですね。
え!そんなに!?「衛星」がスゴイ!
地球の衛星といえば、ご存知「月」。たった一つの衛星ながら、暗い夜を優しく照らしてくれたりと、なくてはならない存在ですね。
しかし、土星には2009年10月までに、なんと64個もの衛星が発見されているのです。土星の夜空には一体どんな光景が広がっているのでしょうか。
まるでゲーム!「火山」がスゴイ!
ごうごうと噴き出す火柱に、あふれだす溶岩…火山と言われて一般的に思い浮かべるイメージはこんなものでしょうか。
しかし、土星の衛星の1つであるエンケラドスには、世にも奇妙な「氷の火山」なるものが存在するのです。氷の割れ目から水やメタンを吹き出すそうで、まるでゲームの世界ですね。
水より軽い!?「重さ」がスゴイ!
地球の9倍と想像もつかない大きさを誇る土星。名前に「土」を冠していることから、どっしり重いイメージがあるかもしれませんが、その中身は意外とスカスカ。水よりも軽いので、巨大なプールがあればぷかぷか浮いてしまうのです。
まさか帝国軍?「形状」がスゴイ!
64個とその数ばかりが注目されがちな土星の衛星ですが、それだけあれば個性も色々。中には、遠い昔、はるか彼方の銀河系で行われていた戦争のなごりかと思しきデス・スター状の衛星も見つかっています。
土星を語ろう
今まで土星にあまり注目していなかった方も、土星の持つ意外な魅力が伝わったかと思います。
夜空を眺める際は、ぜひ今回紹介した「凄さ」を披露してみてくださいね。
(image by amanaimages)