\ フォローしてね /

高校・古文法「係助詞」学習のポイント

係助詞は「けいじょし」「かかりじょし」のどちらでも呼ばれますが、この分類方法は古文法独特の分類方法だと思ってくださって結構です。高校国語では、現代語(口語文法)で係助詞という分類を用いる先生は少数派だと思います。

この係助詞という単語はどんな働きをするのか説明していきます。

学ぶ内容

係助詞とは?

そもそも係助詞の「」とはどんな意味なのでしょう。

中学生のとき口語文法で、文節相互の係り受けの関係ということを勉強したと思います。代表的なものは主語・述語の関係です。主語・述語の関係の場合、係る文節が主語、受ける文節が述語というわけです。

この「係り受けの関係」に影響を与える単語が係助詞なのです。

文末を拘束する

係助詞が付いた文節は、受ける文節である文末の活用語(結び)を拘束します。この文語文法に特有なルールを「係り結びの法則」と呼びます。

活用語とは「動詞」「形容詞」「形容動詞」「助動詞」のことです。3つをまとめて「用言」と呼びます。

係助詞の種類

「は・も・ぞ・なむ(なん)・や・か・こそ」の7つです。

「は」

「は」は1つのものを取り出して、他と区別します。強調する意味を表します。体言(名詞)のほか、いろいろな単語に接続します。

用言・助動詞には連体形に接続します。たまに連用形に接続する用法もあります。結びは終止形です。

「も」

同類の中の1つを示します。並立や詠嘆の意味もあります。体言のほか、いろいろな単語に接続します。

用言・助動詞には連体形に接続します。たまに連用形に接続する用法もあります。結びは終止形です。

「ぞ」

強意の助詞です。体言のほか、いろいろな単語に接続します。用言・助動詞には連体形に接続します。連用形に接続する用法もあります。結びは連体形です。

「なむ(なん)」

強意の助詞です。体言のほか、いろいろな単語に接続します。用言・助動詞には連体形に接続します。連用形に接続する用法もあります。結びは連体形です。

「や」

疑問・反語の助詞です。体言のほか、いろいろな単語に接続します。用言・助動詞には終止形に接続します。結びは連体形です。

「か」

疑問・反語の助詞です。体言のほか、いろいろな単語に接続します。用言・助動詞には連体形に接続します。結びは連体形です。

「こそ」

強意の助詞です。体言のほか、いろいろな単語に接続します。用言・助動詞には連体形に接続します。連用形に接続する用法もあります。結びは已然形(いぜんけい)です。

係り結びの法則

係り結びの法則とは?

文が用言・助動詞で終わるときは、原則として終止形を用います。ところが、文中に係助詞「ぞ・なむ(なん)・や・か・こそ」が用いられると、その係助詞に応じて文末の活用語に終止形以外の活用形が要求されます。この特別なルールのことを「係り結びの法則」と呼びます。

係助詞のことを「係り」、変化が生じた文末の活用語のことを「結び」と呼びます。このように「係り結びの法則」とは、基本的に「係り」と「結び」の2つのパーツがないと成立しません。

基本的にと言ったのは、一部例外があるからです。その例外も、基本を正確に記憶しなければ理解できません。まずは「係り結びの法則」の基本をおさえましょう。

「は・も」は「結び」に特別な活用形を必要としないので「係り結びの法則」には含めないというのが通説です。

文章読解のために必要なルール

文法的には前述した通り、文末の活用語に終止形以外の活用形が要求されます。もちろんこれは正確に記憶しなければならないルールです。

しかし、筆者が強調したいのは、「係り結びの法則」の知識は文意を明らかにする上で大いに役立つ知識であるということです。現代語訳するための道具(ツール)と言ってよいでしょう。

強意の係り結び

文中に「ぞ・なむ(なん)」があれば、文末の活用語は連体形、「こそ」があれば、文末の活用語は已然形で結びます。

「なむ(なん)」は「ぞ」と比べるとややゆるやかで婉曲的で遠回しな表現になります。「こそ」は3つの中では一番強く、強意の最上級と考えてよいでしょう。

疑問・反語の係り結び

文中に「や・か」があれば、文末の活用語は連体形で結びます。「や」は「か」と比べると婉曲的な表現になります。

疑問と反語の識別は少々乱暴ですが、結論が「ない」なら反語と考えてください。この識別は文脈を考える以外に方法はありません。

「~だろうか、いやそんなことはない」と、いったん問いかけた疑問を打ち消すのが反語です。

このように識別の難しさもあるので、文章読解のためには疑問・反語の係り結びの方がより重要だと言えます。

「や・か」に係助詞「は」が付いて「やは」「かは」となった場合には多くは反語に用いられます。

活用形のまとめ

「水流る」は終止形ですが、「ぞ・なむ・や・か・こそ」が文中にあると、以下のようになります。

  • 流るる。(連体形)
  • なむ流るる。(連体形)
  • 流るる。(連体形)
  • 流るる。(連体形)
  • こそるれ。(已然形)

おわりに

「係り結びの法則」は口語ではすっかり姿を消してしまっているので、あまりピンと来ないかもしれません。

ですが卒業式で歌われる『仰げば尊し』の中に「いまこそ わかれめ」という歌詞が出てきます。

これは「今こそ分かれ目だ」という意味ではなく、「め」が意志の助動詞「む」の已然形として用いられることで「こそ…め」で係り結びが成立し、「さあ、お別れしましょう」という強調文体になるのです。

他にも係り結びが使われた文は残っていますので、探してみてはどうでしょう。「係助詞」が身近に感じられるかもしれませんよ。

(image by amanaimages)

このライフレシピを書いた人

編集部にリクエスト!

「こんなライフレシピがほしい」や「ここがわかりにくかった」などをお送りください。