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100万ファンの秘訣は――日本のゴルフ誌のFacebookページに、世界が「いいね!」する理由

nanapiトピックス

日本のFacebookページで、最も多くの人に「いいね!」されているのは、Facebook Japanのページだ。2位はユニクロ……ではない。スターバックス……でもない。ゴルフ雑誌、「パーゴルフ」のページだ。

パーゴルフは、1971年の週刊ゴルフ誌で、発行部数は20万部。Facebookの「いいね!」数は12月9日に100万を超え、発行部数の実に5倍の「いいね!」を獲得している。

100万人突破は、4月20日のオープンから半年あまりのスピード技。名だたる大企業を抜き去り、100万いいねを獲得した背景には、「数千万のファン獲得を目指そう」という高い目標、リアルタイムの分析に基づく改善と、アジア諸国をターゲットにした戦略がある。

100万いいね!の秘訣その1:徹底的にファン目線

パーゴルフのFacebookページのメインターゲットはアジア、特にASEAN諸国だ。投稿はアジアのゴルフファン目線。告知や宣伝などは最小限にとどめ、ファンが喜びそうな記事や写真を、1日に3~4回掲載。そのほとんどがFacebookページ専用の独自記事だ。英語と日本語で投稿し、アジアをはじめとした世界中のユーザーが読めるようにしている。

「薄い記事の乱発は、すぐにユーザー離れを起こす」(Facebookページの運用を統括しているパーゴルフの松井公平さん)ため、ファンが歓迎する記事や写真を研究する。

紙媒体ではページが限られているため載せられる写真の数に制限があるが、Facebookなら“紙面”はほぼ無限だ。例えば、「ミズノクラシック」で上田桃子選手が優勝した日、84枚もの写真アルバムで公開し、2000以上の「いいね!」と100件のコメントが寄せられた。

パーゴルフのFacebookページは、国境を超えて感動を分かち合う場所にもなっている。例えば、台湾の人気選手がツアー優勝した時。台湾の言葉を交えて「日本人も誇りに思っている」という内容の記事を掲載したところ、アジア各国のファンの共感を呼び、台湾のみならず世界中のゴルフファンが、パーゴルフのページに、選手への賞賛のコメントを寄せた。

100万いいね!の秘訣その2:リアルタイムに効果分析

ウォールに投稿した記事は、緻密な効果分析を行なっている。Faceboookページの分析機能「Insights」を使い、何時ごろに投稿したどんな記事に、どれぐらい「いいね!」やコメントが付いたかなどを分析。目標の「いいね!」数やコメント数との乖離を分析し、次の投稿時に改善しいる。現在、記事ごとの「いいね!」数は平均2000弱だが、来年春ごろまでに5000を目指し、日々改善を続けている。

より多くの反応を引き出す時間帯や内容を試行錯誤。朝はさわやかな内容を、動画は週末など時間があるタイミングになど、ユーザーの状態に合わせて投稿時間や内容を工夫している。

ユーザーのウォールでは、「いいね!」やコメントのないニュースフィードは「ハイライト」に表示されず、埋もれてしまう。「Facebookページがどんどん増えていく中で、今後は、1記事当たりにどれだけ共感してもらえるかがシビアになっていくだろう」と、松井さんは気を引き締める。

100万いいね!の秘訣その3:広告と記事をマッチさせる

Facebookページへの「いいね!」は主に、Facebook広告で稼いできた。日本やASEAN諸国のユーザーをターゲットに、「いいね!」を促すFacebook広告を配信。広告クリエイティブ(広告に表示する写真と文章)は常に10以上ストックしておき、ウォールに投稿した記事と最もマッチした広告に、その都度差し替えている。

例えば、ゴルフコースを紹介する記事を投稿する際は、「こんなコース、見たことありますか?」と問いかけるテキストと、コースの写真入りクリエイティブを掲載。選手の活躍記事を投稿する際は、選手の写真入りクリエイティブを使う――といった具合だ。いい記事があればクリエイティブ変え、クリエイティブが良ければ記事を変え……ここ半年で作った広告クリエイティブは、200種類以上に上る。

「いいね!」を集めるには「人の意識の初動」にフォーカスすることが大切という。論理的理解が必要な情報だと判断に時間がかかってしまう。直感的・無意識に好きか嫌いかを判断し、アクションしてもらえるよう気を配っているという。

「広告とコンテンツの乖離が一番危険」。広告にひかれてFacebookページを訪れたユーザーがウォールを見に来たとき、期待と異なる記事が表示されると、「いいね!」をせずに帰ってしまうかもしれず、「パーゴルフ」そのものへの評価も下がる恐れがある。広告効果は、公式の解析ツールを使ってリアルタイムにチェック。効果が悪ければ別の広告に変えたりターゲットを変え、効果の最大化を目指す。

「いいね!」をしたユーザーにプレゼントを贈るなど、インセンティブを使ったキャンペーンは行なっていない。商品などで強引に獲得した「いいね!」は客観的な評価指標になり得ず、長続きしないと考えているためだ。

「Facebookのウォールは、ユーザーの友人のアップデートが流れる個人的な場。ここに、恣意的で広告然とした情報を流すと、ユーザーは、有益なニュースフィードではないと感じ、投稿の非表示やいいね!を解除してしまうのでは。いいね!の客観性が偏った時点で、ソーシャルの世の中としては、ちょっと上滑りしちゃうのかなという怖さを感じています」

100万いいね!の秘訣その4:Facebookアプリで集客

Facebookページで公開した独自のアプリも、Facebookページへの集客のドライバーになった。「Make ParGolf Cover」というアプリで、その週に発行されるパーゴルフ本誌の表紙と同じレイアウトの表紙画像に自分の写真を合成し、自分のウォールで公開できる。ウォールに公開された表紙写真をクリックすると、パーゴルフのFacebookページ内にあるアプリ画面に飛ぶ仕組みだ。

パーゴルフのFacebookページは、口コミでも広がっている。「ファン数が30万人超えたぐらいから、友達が友達を呼ぶモードになった」――ゴルフファンだけでなく、日本文化に興味がある人も取り込んでいる実感があるという。日本に興味がある外国人に広くアピールする狙いで、Facebookページのトップには富士山を配し、あえて「パーゴルフ」とカタカナでアピールしている。

日本のゴルフ誌がアジアに飛び出す理由

パーゴルフは今年4月、学研パブリッシングの傘下から、テレビCMやデジタルコンテンツなどを手がける葵プロモーションの傘下に移ったことを契機に、本格的なWebプロモーションに乗り出した。日本ローカルのゴルフ雑誌だったパーゴルフが、Facebookを通じてアジア市場にこぎ出したのには理由がある。

「国内ではゴルフ人口が減少していますが、アジアは盛り上がってきています。中国、韓国に加え、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアといったASEAN諸国にも良いゴルフ場ができており、中間層もゴルフを始めている」――松井さんは、アジアに照準を絞った理由をこう説明する。

中国、韓国は「人人網」「NAVER」などドメスティックなWebサービスが強く、Facebookがそれほど利用されていない。一方、タイやマレーシアなどASEAN諸国は、人口の半数近くがFacebookを利用しているため、メインターゲットをASEAN諸国に定め、Facebook広告で重点的に狙ってきた。

「アジアで一番浸透しているFacebookページになりつつある」

現状、Facebookページは直接の収益にはつながっていないが、「パーゴルフ」ブランドの国内への再浸透と世界発信という面では効果をあげ始めている。

「いいね!」が50万を超えたころからから、ゴルフグッズメーカーの幹部からFacebookについて聞かれたり、本誌と連携したプロモーションを打診されたりといったことも増えてきた。iPhone/Android向けに販売している電子書籍(本誌とほぼ同じ内容を1冊85~115円で販売)の販促にも活用できるとみている。Facebookがきっかけとなり、ASEAN諸国の企業・媒体との業務提携や、グローバル企業と新規事業の話なども進んでいるという。

「アジアで一番浸透しているFacebookページになりつつある」――日本産商品のプロモーション支援や観光関連の相談を受けるなど、“メイドインジャパン”発信の支援もしていきたい考え。「今後、Facebookがきっかけになったビジネスを、続々発表できると思う」と松井さんは話している。

(岡田有花)

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