生活の知恵があつまる情報サイト

nanapi

  1.  
  2.  
  3.  
  4.  
  5.  
  6. ソーシャルな今だからこそ、もっと「親密」に――「LINE」大ヒットの裏側
Webサービスのハウツー

ソーシャルな今だからこそ、もっと「親密」に――「LINE」大ヒットの裏側

nanapiトピックス

スマートフォン向けメッセンジャーアプリ「LINE」のダウンロード数が、スタートからわずか半年で1000万を突破。1月9日時点で1200万を超えた。

無料でリアルタイムに、キャリアをまたいで交流できるLINE。友人や家族とのコミュニケーションに使っている人が多く、テレビCMと口コミのハイブリッド効果で、ユーザーが急拡大している。

FacebookやTwitterなどSNSが一般化する裏で、よりプライベートなコミュニケーションへのニーズが顕在化するはず――LINEの企画は、そんな分析から始まった。

LINEとは

LINEは2011年6月に、NHN Japan(当時はNAVER JAPAN)がNAVERブランドからリリースした、無料のメッセンジャーアプリだ。iPhone、Androidのほか、旧来の携帯電話にも対応。電話番号を知っている人同士なら、無料で音声通話やチャットができる。

1対1の通話やチャット、複数人でグループチャットに対応。文字や写真を送り合って交流できるほか、キャラクターイラストで喜怒哀楽を表現する「スタンプ」機能や、送ったメッセージを相手が読んだか分かる機能があり、文字いらずでコミュニケーションすることもできる。

夫婦で、家族で、友達と

「LINEで夫婦のコミュニケーションが復活した」――夫婦でLINEを使っている30代の会社員女性はこう話す。多忙な夫とは、起床時と寝る前だけ顔を合わせるすれ違い生活。だがLINEを始め、すきま時間に連絡を取り合うようになった。

「超筆無精」を自覚する彼女。スマートフォンに変えてから文字が打ちにくく、メールも苦痛だったが、LINEなら短文で返しやすいし、スタンプ1個返すだけでも気持ちを伝えられる。返信がなくても、連絡が届いたかどうかをチェックできるのも便利だという。

友人とのメッセージのやりとりは最近、LINEばかりという、20代の会社員女性は「LINEなら“一瞬の高まり”を、共有できる」と話す。短いテキストやスタンプで、メールより気軽に、リアルタイムに感情を共有できるのが気に入っている。

「家族の連絡が、LINEばかりになりました」。LINEを企画したNHN Japanの稲垣あゆみさんは、実家の家族全員が参加する「野村家」というグループを、LINE上に作っている。離れて暮らす親夫婦が旅行に行った時の写真が届いたり、家族の誕生日のリマインドがあったり。スタンプを送り合って遊ぶこともある。

“ソーシャル疲れ”、その先に

LINEは、SNSの普及の先にある、「プライベート」で「リアル」な交流のニーズに応えようと、企画された。

TwitterやFacebookが普及し、ネット上にソーシャルな人間関係を持つ人が、急激に増えている。その裏で、窮屈さを感じる人も増えつつある。Twitterは見知らぬ人同士で簡単にフォローしあえるし、Facebookも、相手の名前さえ知っていれば簡単に友達申請できる。

その結果、「いろんな顔が混ざってしまう」と稲垣さんは指摘する。家族や親戚、同僚、同級生、幼なじみ……さまざまな関係の相手が、1つのソーシャルグラフに混じってくる。

稲垣さんにはこんな経験がある。友達とパーティした時、チャイナドレスを着て撮った写真をFacebookにアップしたところ、仕事関係の知り合いから「なんでチャイナドレス?」「すごいね」などコメントが付き、「おっとっと、って思いました」。

現実社会では、相手との関係によって見せる顔は違うのに、SNS上だと1つになってしまう。Facebookの場合は「この投稿は家族だけに、これは同僚だけに……」など公開範囲を設定することもできるが、いちいち考えながら運用するのも面倒で、SNS離れや“ソーシャル疲れ”が起きる原因になる。

相手に見せている“顔”ごとにグループを分け、親密なコミュニケーションできるサービスを――そんな発想から企画したLINEは基本的に、電話番号を知っている相手だけとつながる仕組み。つながった相手を「家族」「同僚」「同級生」「友人」などグループ登録し、それぞれを完全に分けてコミュニケーションできる。

電話番号は「最も親密」

LINEは、スマートフォンのアドレス帳に登録された友人の電話番号を吸い出し、LINEをすでに使っている人を友人候補として表示する仕組みだ。

知り合いとの連絡手段は、ケータイやPCのメールアドレス、TwitterFacebook、電話番号……さまざまあるが、「電話番号を知っている人同士が、最も信頼度が高い」と判断したため電話番号をキーにつながる仕組みにした。

「『久しぶり。元気?飲みに行こうよ』って大学時代の友人から数年ぶりに連絡が来た。LINEはこういうことがよくある」――LINEユーザーの会社員男性(30代)はこう話す。LINEでの“再会”をきっかけに、元恋人と復縁したり、同窓会が開かれた例もあるという。

一方で、「合コンで一度会って番号交換しただけの相手が表示されてしまう」「二度と会うつもりがない人とつながってしまった」といった声も。そんな声を受け、相手からの連絡を拒否する「ブロック機能」も実装している。

“出会い”目的の利用もあるが……

電話番号を知らない相手とつながる「ID検索機能」もある。自分のIDをあらかじめ設定しておけば、ほかのユーザーがIDを検索し、友達として追加できる。電話番号を知らない相手とつながるときなどに便利だ。

反面、IDさえ知っていれば誰とでもつながれるため、見知らぬ人と出会うためにこの機能を利用ている人も。iTunes StoreやAndroid Marketの「LINE」のレビュー欄で自分のIDを公開して友達募集したり、“LINE友達”を探す掲示板で募集する人もいる。

こういった使われ方は、LINEの本来の目的である、リアルで親密なコミュニケーションと逆行している。異性との出会いを目的にした利用は規約で禁止しており、出会い目的でIDを公開したレビューは、iTunesに削除依頼を出すなどして対応しているという。

ただ、出会い目的の利用はごく一部で、「友人や家族と使っている人の方が多い」のも事実。 夏に行ったユーザーアンケートでも、LINE上で知り合った人との会話に使っているというユーザーは1割に満たなかったという。

海外の人気は「予想外」

LINE以前から、「Viber」「カカオトーク」「Skype」など、スマートフォンでメッセージ交換や無料通話できるサービスはあり、人気を集めていた。だが、「まだ出始め。これから絶対伸びていくと思った」と稲垣さんは振り返る。

予想は当たり、ユーザーは急拡大。日本だけでなく海外でもヒットし、1200万ユーザーの6割が海外からだという。

海外を視野に開発し、当初から英語版を出していたものの、ここまでのヒットは「予想外」。現地のブログでとりあげられるなどして火がつき、周辺諸国に広がっていったという。

クウェートやサウジアラビアといった中東各国、シンガポール、マレーシア、タイ、香港など、東アジア各国で、iTunes Storeランキング1位に食い込んだ。

予想の10倍の成長、その先は

日本では、Web広告などの地道なマーケティングと口コミで、ユーザーを増やしてきた。

11月からベッキーさんが出演するCMを放送。CMをきっかけに一気に認知度が上がり、利用者数も増えている。当初は年内100万ダウンロードを目標にしていたが、その10倍のスピードだ。今年は1億人規模への成長を掲げている。

今後は、デスクトップPC向けアプリや、タブレット版を開発するなど、あらゆる端末で利用できるようにしていく。ビデオチャット機能も搭載する予定だ。

「もっとユーザーが増えて、友達やみんなにおすすめできるようになれば」と稲垣さん。「LINEで彼氏と復縁しました、という投稿を、『Yahoo!知恵袋』で見た。LINEを使って、ハッピーになってくれる人が増えるとうれしいな」

(岡田有花)

check:LINEの使い方記事は[こちら]

編集部ピックアップ

期間限定のPRコンテンツをチェック!

もっと見る